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トーキョーナイトダイブ

東京にやってきた人たちがつくる"東京の歌"はたくさんあってどれも良い曲ばかりだけれども 東京を去る曲ってあんまりない気がする。
夢を持って東京に出てきたけれど、いろいろな理由で去らなくてはいけない人もたくさんいると思うんだよね。私が知らないだけなのかな。

今年の夏は昔好きだったバンドたちの音楽をたくさん聴いた。
10代の頃から20代前半まで 本当にたくさんのバンドと出会ってたくさんの思い出を作ってきた。
いろいろな友達もできたしいろいろな恋もした。
昔好きだった音楽を聴くと当時を思い出してなんだかくすぐったい気持ちになる。
対バンで100人くらいのキャパも埋まるかどうかという距離感の近いライブをたくさん見てきた私には今活躍している彼らの姿がとても眩しい。
みんなどんどん先に進んでいくのに私は立ち止まるどころか後ろに進んでいる。情けない。
昔ライブハウスで知り合ったあの子は元気にしているだろうか、都合良く遊ばれてたあのバンドマンはバンドを辞めて今何しているのだろうか。
そんなくだらないことを考える夜、9月に入った途端涼しくなって秋の気配。ただの肌寒さを人恋しいと錯覚しがちな季節。

私は田舎育ちとはいえ関東圏なので東京にはよく遊びに行っていたし、東京に対する憧れみたいなものはそこまでなかった。たぶん。
大学で一人暮らしを始めても辺鄙な土地で新宿まで約1時間。社会人になってようやく好きな街に住むことができたけど、いつの間にか満員電車も雑多なロータリーにも慣れてしまって "東京で生きているんだな"と実感したことがない。

東京に拘る理由なんて正直ないのかも。ただ何をするにも便利で友達が近くにいて、帰ろうと思えばいつでも実家に帰れるというだけ。
それなのに、いざ離れるとなると寂しくてどうすればいいか分からなくなる。 宣言が明けなければ具体的にここを出ていく日も決まらないし、気持ちだけが先走って宙ぶらりん。気になっていた物件は住む人が決まったのか次々と情報が消えていく。
今私はどんな気持ちでいたらいいのか分からない。

人間の嫌なところを見てしまって振り回されていることが想像以上にストレスだったようで食欲不振に腹痛、不眠、中途覚醒。神経図太く生きていきたいのにちょっとした気圧の変化で動けなくなる繊細さに呆れてしまうね。
SNSは全然関係ないことなんだけど、しばらく離れてみようと思う。自分とじっくり向き合って後悔しない選択をしたい。気持ちを整理するためにここにはたまに現れるかも。

こんな夜に君に会えたらいいな

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