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しょーこさん
「持ってる」
仲春が喉から手が出るほど欲している、ある種才能である。
「持ってる」人というのは、計算することなく、周囲の人を惹きつける。
自分から探しに行かずとも、面白い出来事が降ってくるし知らず知らずのうちに生み出している。
わたしの場合人の興味を引くというのはそんな「持ってる」人に憧れた(綺麗な言葉を使ってカッコつけているが、実際はネチっこい妬み嫉みの感情が渦巻いている。)結果、そこそこ頭を使って第三者目線ありきで慎重にやっている気がする。
以前noteでも触れた
“「誰かに自分を知ってもらうことが好きなのに自分からは声をかけられないビビリだから人と違うことをして不思議がって話しかけてくれる人を待っている」”
これである。ゴリッゴリに計算しないとできない。
ていうかできない。
(引用元はこちら。)
注目してもらうこと、気を引くことは難しい。
自分も「持ってる」と言われたい。思われたい。
しかしどんなに研究を重ね実践を試みようが、「持ってる」は、天性の才能なのだ。研究なぞしている時点で1番遠ざかっているではないか…。
どうやったって叶いっこない。羨ましい。猛烈に羨ましい。
だってすごいよ…「このタイミングでこの声のトーンとスピードでこういうこと言ったら多分ウケるだろう」とかそういうこと考えずに言ったことが次々に面白いんでしょ…なんだよそれ…わたしそんなんばっか考えてるよ普段…。
というように、生きてるとそんな「持ってる」人に出会う。
そんなバキバキの「持ってる人コンプレックス」を抱えて生きてきた仲春が生まれて初めて会った「持ってる」人物が、
今回の記事の主役、わたしの母親「しょーこさん」である。
「持ってる」という曖昧な表現を多用しまくったが、つまるところ天然である。
今回はそんなしょーこさんの知られざる天然エピソードを、娘であるわたくし仲春が歯軋りしながらご紹介しよう。
とは言ってもしょーこさんの天然は日常茶飯事なので、いざ書いてみようとしてもなかなかコレというものを思い出せない。
だって夕飯作ってる時にキッチンから出てきてしゃもじをマイク代わりにしてリサイタルショー始めるのなんてどこの家の母もやってることだもんなぁ…。
さて。
しょーこさん天然エピソードでよく覚えているひとつが、ドラマ「プロポーズ大作戦」の主題歌、桑田佳祐の「明日晴れるかな」を職場の行事の出し物で発表するため家で練習していたときに起きた出来事である。
この楽曲、ラストのサビに入る前に桑田佳祐が「I tolk to myself…」と歌うのだが、歌詞もうろ覚えな彼女が気持ちよさそうに空耳で
「アチョット待ッテ〜♫」
と歌っていた。
これ、ぜひ原曲を聴いてほしい。たしかにそう聞こえなくもないのだが、なんの疑いもなく歌い上げていた母は真剣だった。
本番当日どうやって歌ったのかは謎である。
あとひとつよく覚えているのがとある年のしょーこさんの誕生日である。
母は絵本が好きで、特にかこさとしという絵本作家の作品が大好きである。そんな母に家族からかこさとし作品のエプロンとぬいぐるみのグッズをプレゼントした。
とても喜んでくれ、本棚からかこさとしの絵本を引っ張り出して、作品の素晴らしさを家族に語り出した。
そのときの無邪気なしょーこさんの様子をお見せしよう。
………ん?
KO☆ME☆TSU☆BU☆
この人いったいいくつになったんだろう…と疑問に思いつつ、はしゃぐ母を温かい目で見守る家族一同であった。
しかししょーこさん、ただ天然なだけではない。
しょーこさんが空いてた店に入るとあとから次々にお客さんが入って来たり、
本人にとってはなんてことないことが、偶然その人にとっては苦しい気持ちがホッと解けるタイミングや言葉だったなんてことがあったりと、なにかと「持ってる」人なのである。
仲春もこの母を前にするとツッコミ側に回らざるを得ない。仲春のツッコミ力はこの母親に鍛えられたと言っても過言ではない。
そう考えると感謝せねばなぁ。ありがとうしょーこさん。
他にも思い出せないだけでこんな話数え切れないほどある。
本当になかなか思い出せないので今回の記事を機にしょーこさん本人に何か覚えていないかLINEで聞いてみたら
相変わらずだった。
かしこ。
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