亜由村 亜次

小説のようなものを書きながら、とある会社のよくわからない部署で働いている何かです。いろ…

亜由村 亜次

小説のようなものを書きながら、とある会社のよくわからない部署で働いている何かです。いろいろ書きたいので、読んでいただけると嬉しいです。 新たにTwitter開設しました(https://twitter.com/aji_ayumura)アユムラ アジ

マガジン

  • 空想科学詩集『惑星05』

    詩集とありますが、7割は小説です。 詩を書きながら旅をするSFっぽいお話です。 朗読動画、睡眠導入動画などの素材にいかがでしょうか。 また固有名詞を少しバグらせてあるので滑舌の鍛錬にもおすすめです。 【不定期更新】

最近の記事

【休載のお知らせ】※4~5カ月後に再開 『惑星05』について、定期的な更新ができておらず、お読みいただいている方には、誠に申し訳ございません。 他サイトでの連載と同時進行で執筆していましたが、どちらにも集中できなくなりそうなので、いったんカクヨムで連載中の小説を完結させて来ます。

    • 空想科学詩集『惑星05』第26話 GAME OVER

      朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第26話 GAME OVER  陽気な歌と、揺れる風船。  歓迎モードの人形たち。  まるで子供向けアトラクション。  まっすぐな通路の奥には、ピンク色の扉がひとつ。  一見、何の危険もない。  だが、彼らはきっと僕を無事には通さない。  横から人形が攻撃してくるのは明確だが、どういう攻撃かまでは予測がつかなかった。  僕はひな壇に並んだ人形の一体を素早くむしり取った。  人形自体に仕掛けがあるのかな。  調べようとすると、黒

      • 空想科学詩集『惑星05』第25話 人形の館

        朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第25話 人形の館  ダンッ、と包丁が机に突き刺さった。  とっさに横に飛びのいて避けたが、かなりギリギリだった。  少女の人形は机から包丁を引っこ抜くと、「ラーラララー」と歌いながらゆらりゆらりと近づいてくる。  急いで部屋を出ると、人形も追ってきた。  三歳児くらいの身長のくせに、やたらと足が速く、包丁をかまえて闘牛のように突進してくる。  どうやらアクションゲームの要素も残っているようだが、探索中にいきなり襲われるのは

        • 今月は小説の投稿はありません。 連載中の『惑星05』ですが、予定より長くなり、ほかのコンテストの締め切りと重なってしまい、更新頻度が落ちています。 継続して読んでくださってる方おられましたら、申し訳ございません。 遅くとも2月には更新再開したいと思います。 必ず完結させます。

        【休載のお知らせ】※4~5カ月後に再開 『惑星05』について、定期的な更新ができておらず、お読みいただいている方には、誠に申し訳ございません。 他サイトでの連載と同時進行で執筆していましたが、どちらにも集中できなくなりそうなので、いったんカクヨムで連載中の小説を完結させて来ます。

        • 空想科学詩集『惑星05』第26話 GAME OVER

        • 空想科学詩集『惑星05』第25話 人形の館

        • 今月は小説の投稿はありません。 連載中の『惑星05』ですが、予定より長くなり、ほかのコンテストの締め切りと重なってしまい、更新頻度が落ちています。 継続して読んでくださってる方おられましたら、申し訳ございません。 遅くとも2月には更新再開したいと思います。 必ず完結させます。

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        • 空想科学詩集『惑星05』
          27本

        記事

          空想科学詩集『惑星05』第24話 招かれざる者

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第24話 招かれざる者  突如として現れた隠し通路らしき穴を見て、僕とライララ・ラリロリラテは顔を見合わせた。  穴の奥をのぞき込むと、4、5メートル先に赤い扉が見えた。  この壁のうしろは廊下のはずだから、完全に物理法則を無視した穴といえる。  まあ、バーチャル世界のことなので、そこまで驚くことでもないのだが。 「入るの?」  と、ライララ・ラリロリラテがたずねた。  僕は「うん」とうなずいた。 「じゃあ私もいく」  ライ

          空想科学詩集『惑星05』第24話 招かれざる者

          空想科学詩集『惑星05』第23話 カラクリ

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第23話 カラクリ  写真はタイルのように敷きつめられていた。  笑っているドロシー。  歌っているドロシー。  ステージから手を振っているドロシー。  ギラギラとした、真夏のような日々の断片。 「すごい数でしょう。父はスリーパーズに憧れて家族でYPSに移住しちゃうくらい大ファンだったんです」  ドナ・クレール・モリスは言った。 「ということは、惑星01の第二世代か第三世代ですか?」 「第三世代です。YPSじゃだいぶ古株

          空想科学詩集『惑星05』第23話 カラクリ

          カクヨムでの連載が完結しました。 ダークファンタジー寄りのホラー? ゲーム原案小説オーディションに応募中。 2万字以内なのでサラッと読めます。 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330647961625223

          カクヨムでの連載が完結しました。 ダークファンタジー寄りのホラー? ゲーム原案小説オーディションに応募中。 2万字以内なのでサラッと読めます。 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330647961625223

          カクヨムで連載始めました。短編で、もうすぐ完結する予定。 不気味な童話みたいな物語です。 ゲーム原案小説オーディションに応募中ということで、ゲームっぽい要素も入れてます。若干グロいかもしれない。 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330647961625223

          カクヨムで連載始めました。短編で、もうすぐ完結する予定。 不気味な童話みたいな物語です。 ゲーム原案小説オーディションに応募中ということで、ゲームっぽい要素も入れてます。若干グロいかもしれない。 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330647961625223

          空想科学詩集『惑星05』第22話 ベンジャミンジャスミンジャン植物園

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第22話 ベンジャミンジャスミンジャン植物園  小道を抜けると、大きなガラス張りの建物が現れた。 『ベンジャミンジャスミンジャン植物園』と書かれた自動ドアのそばには、受付も切符売り場もなく、入場は無料だった。  館内に入っても、案内は自動音声のみで、人の姿はなく、施設の従業員にDr.ドロシー記念館についてたずねようと思った僕の思惑ははずれた。  ただ、ライララ・ラリロリラテにとっては、これほど心躍る場所はなかった。 「見て、ハレ

          空想科学詩集『惑星05』第22話 ベンジャミンジャスミンジャン植物園

          空想科学詩集『惑星05』第21話 セントフォレストセントラルガーデン

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第21話 セントフォレストセントラルガーデン  いきなり船の甲板に降ってきた僕たちを、ほかの乗客たちは唖然として見つめた。 「えーっと、あの、違うんです。ちょっと急いでて。ちゃんと運賃は払いますので……」  必死に怪しい者じゃないことをアピールする。  そうこうしている間に、港に追手が集まってきた。  何か大声で叫んでいるが、船のエンジン音でよく聞こえない。  いずれにせよ、彼らにできることは、もうなかった。 「ハレはなん

          空想科学詩集『惑星05』第21話 セントフォレストセントラルガーデン

          空想科学詩集『惑星05』第20話 ギブアンドテイク

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第20話 ギブアンドテイク  ルームサービスのトーストを食べながら、僕は話を切り出した。  話というのは今後の話だ。  不運にも全財産を失ったライララ・ラリロリラテは、マルセイマルマールに向かおうにも旅費がなかった。  その問題について僕が話しはじめると、彼女の口から意外な言葉が飛び出した。 「ハレは次の町に行っていいよ。私は働いてお金が貯まったら移動する」 「働く……? まさか、このネオケミカルネオンランドで?」 「そう。

          空想科学詩集『惑星05』第20話 ギブアンドテイク

          空想科学詩集『惑星05』第19話 仲間

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第19話 仲間 星々が見ていた 暗闇の中 自分の姿も見えず 立ち位置さえもわからない 真っ暗な宇宙の底で 幾千もの星の光が瞬いて 僕たちに教えていた 僕たちが誰であるのかを ***  長い一日が終わろうとしていた。  窓の外のネオンがまぶしく、僕はカーテンを閉めた。 「疲れただろう。これからのことは明日ゆっくり考えるとして、今日はもうおやすみ」  ライララ・ラリロリラテはベッドに入っても、まだ本を握りしめていた。

          空想科学詩集『惑星05』第19話 仲間

          空想科学詩集『惑星05』第18話 スリーパーズ

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第18話 スリーパーズ 以下、YPSエンタメ百科辞典より抜粋。 【スリーパーズ】 YPS (Your Planet System)創世期に活躍した3人組ロックバンド。 サイバーアーティストの先駆者として多方面に絶大な影響を与えた。 アーティストでありながら、3人が3人とも優れたエンジニアであったことで知られ、しばしば天才集団と称された。 メンバーは、以下の3名。 作曲家でシステムエンジニアでギタリストの鈴虫。 作詞家でプログ

          空想科学詩集『惑星05』第18話 スリーパーズ

          空想科学詩集『惑星05』第17話 ジュライオーガスト・ノーベンバーディッセンバー刑事の尋問

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第17話 ジュライオーガスト・ノーベンバーディッセンバー刑事の尋問  僕が名前を明かしたとたん、ジュライオーガスト・ノーベンバーディッセンバー刑事は険しい表情になった。 「あなたがなぜこんなところに?」  と、ノーベンバーディッセンバー刑事がたずねた。 「ただの観光です」 「本当にただの観光ですか?」 「いけませんか?」  そこに眼鏡の刑事がすっと近寄ってきて、ノーベンバーディッセンバー刑事にタブレットを見せた。  ノー

          空想科学詩集『惑星05』第17話 ジュライオーガスト・ノーベンバーディッセンバー刑事の尋問

          空想科学詩集『惑星05』第16話 ID

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第16話 ID  狭い部屋だった。  灰色の壁にかこまれた、無機質な四角い部屋。  優しそうな顔をしたAIの巡査は、淡々と調書を取った。 「なるほど。大体の話はわかりましたが……うーん、そうだなあ。いくつか質問してもよろしいですか?」 「はい、何でしょう」 「まず、被害にあった口座ですがね、代理人としてオルラ・オルラア・オルララ・オラーさんという方が登録されてますね。その方がお金を引き出したという可能性は?」 「それはない

          空想科学詩集『惑星05』第16話 ID

          空想科学詩集『惑星05』第15話 ライララ・ラリロリラテの災難

          朗読フリー。ご利用方法はこちら。  目次 第15話 ライララ・ラリロリラテの災難 「誰? その子。あなたの連れ?」  メグ嬢がいぶかしげな顔でライララ・ラリロリラテを見ると、ライララは気まずそうに目を逸らした。 「どうしたの? 何かあった?」  そうたずねると、ライララはうつむいたまま小さく口を動かした。 「お金が……」 「お金?」  彼女はいつも手に持っている本を開いて、僕のほうに見せた。  本のページに浮かび上がってきたのは、電子マネーの残高だった。 「

          空想科学詩集『惑星05』第15話 ライララ・ラリロリラテの災難