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その気持ち、まったくわからん

歳を重ねていくと自分が年々ヘンクツジジイ化していると思う。子供の頃、こんなジジイにはなりたくないと思っていたジジイ像にどんどん近づいている。

「ひとこと言いたいこと」と「黙って見逃すこと」や「わかるなーと同意すること」と「まったくわからんと頭を抱えること」の分別が明確になってきた。
それは、自分の芯がぶれなくなってきたんだ、成長したんだと思うことにしているのだが、それを他人が見れば、ただのガンコジジイなのかも知れない。

「その気持ち、まったくわからん」の筆頭が『キャンプに来て好きな道具に囲まれて、好きな道具を眺めるだけで酒が呑めます。』の気持ちだ。
キャンプで景色の眺めで酔うことはあっても、テント内の道具で酔うことはない。この気持ち、まったくわからんなのだ。

レイアウトなんて考えたことも無く、手を伸ばせば届く距離にありさえばいいという無頓着。収集癖の無さ。道具へのこだわりや愛着の無さ。実用性重視。自慢できるほどの道具も持ってない。などなどの「酔える人」との感性の違いが大きすぎて酔えないのだが、酔える人を否定はしない。むしろ、うらやましいと思うくらいだ。
いつかそんな大人に私はなりたいと思う時もあるけど、たぶん一生なれない確信もある。

テント内では無作為に選んだ局をずっとラジオで流している。ラジオから流れてくるアナウンサーの一言に反応して、ぜんぜん方向が違う方に考えが飛び、いろいろ錯綜する自分の思考に酔うことはある。考えることで酒が呑めるわけだが、その気持、まったくわからんと思う人もさぞかし多いんだろうな。


エバニュー アルストと十字ゴトク

なーんてことを前回のキャンプで目の前のアルストの上に置いたゴトクを見てる時に思ったわけだ。意外と道具で酔える要素だけはあるのかも知れない。

余談ですが、突然アルストのゴトクの話に飛びます。
一番初めに買ったのがこの十字ゴトク。それから人の話を聞いたり読んだり、クチコミに振り回されたりしながら何種類かのゴトクを使ったけど、結局使っているのは初めの十字ゴトクだ。
引き算の極致とでも言おうか、ゴトクにゴトク以上を求めない潔さ。これよりシンプルに出来ない造形美だと思う。十字ゴトクは一生使い続けていくと思うし、これを超すゴトクの存在はあり得ないと思っている。
ただ、これを眺めるだけで酔う境地にまでは行けないんだよなー。

ちなみに写真でアルストを乗せているテーブルはST-310用の遮熱テーブルだが、穴の大きさがアルストにぴったり。おかげでST-310よりもアルスト用に使う方がずっと多い。

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