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2023年紅葉まみれキャンプ旅 2泊目 予定変更、祓川キャンプ場

誰もいないキャンプ場で爽やかに目覚める。
今朝はインスタントコーヒーじゃなくて自販機のDr.Pepperだ。数十年ぶりに飲んだけど、こんなに甘かったっけ?Dr.Pepperのこの独特な味、グルメリポーターならどう表現するんだろう?

懐かしのDr.Pepper

滝壺下の砂州まで行ってみようと足を川に入れるも冷たくて無理。2ヶ月前は天然の水風呂とはしゃいで首までどっぷり浸かってたのが嘘のようだ。滝を上から見下ろしたいが対岸へ渡る橋が工事中とのことで通行止め。紅葉もイマイチ早かったようでまみれるとまではいかない。
だったらもっと高いところ、鳥海山に近づけば紅葉まみれになれるはず。連泊予定なのでテントは建てたまま、ドライブに出かけた。
川沿いの道を川を遡りながら鳥海山に近づく。どこを切り取ってもきれいな景色だ。

鳥海山

車を最終の駐車場に停める。案内板では、ここから少し歩くと鳥海山祓川登山口、山小屋があって湿原が広がっているそうだ。
手前にキャンプ場の看板はあるが入口には車止めとチェーンが渡されてあったがチェーンをまたいでキャンプ場を見に行った。トイレはシャッターが下ろされていて炊事棟の水も止められている。ここは鳥海山の五合目、標高1100mとある。もう冬季クローズに入ったのかなと思いながらキャンプ場を偵察する。

テントサイトは全てウッドデッキだが損傷が激しく、使えそうなデッキは一つか二つしかない。展望台になっているのかベンチがあるところに行くと、真正面に雪を纏った鳥海山がどーん。サイドは千尋の谷、ゴーゴー流れる水音が聞こえる。
すごい、なんて絶景!泊まりたい。まるでポスターの一枚のような景色の中で目覚めるのもキャンプの目的なんだけど、クローズらしいのが残念だ。

キャンプ場をあとにして山小屋(祓川ヒュッテ)の方に行ってみる。ヒュッテの前には湿原が広がり鳥海山がどーん。木道を渡って登山やハイキングに向かう人もいる。

祓川ヒュッテ前 湿原と鳥海山


ヒュッテの前で掃除をしてる人がいたので「キャンプ場には泊まれないんですか?」と聞いてみた。「泊まれるよ。でもこのヒュッテの2階も無料で開放してるからここに泊まったほうがいいよ。」いやいや、あたしゃガチな登山客じゃないし、山小屋に泊まるなんて滅相もない。ポツンと一人寂れたキャンプ場に泊まるのが分相応ってもんでさあ。「だったらトイレと水道は開けるよ。」という展開になり住所と名前を記帳して契約成立。
さあ、とっとと引っ越しだ。

山を降りて法体園地に戻って撤収、また山に登って祓川キャンプ場へ。入口のチェーンは外してありトイレのシャッターも開けてあった。車止めギリギリまでバックで入って荷物を降ろし、車は駐車場へ戻す。場内に少しのアップダウンはあるけどこの景色を前では屁でもない。荷物を運び込んで設営だ。

「控えめに言ってサイコー」という流行りのフレーズがあるが、別に控えなくとも、胸を張って大声で最高!と叫びたいほどのロケーションだ。
私の中のキング・オブ・キャンプ場が更新された。それも無料。
予定外の宿泊地変更だったが、不満なんてあるはずもない。熊の一匹や二匹、手懐けてやるぜ。

キング・オブ・キャンプ場更新

ウッドデッキは使わず、いちばん眺めのいい場所にテントを建てた。どうせ誰も来ないんだ。好き放題に使わせてもらおう。
ロケーションが抜群なのはもちろんだが、炊事棟の水の美味しさには驚いた。蛇口からすごい水圧で飛び出してくるもんだからズボンはびしょ濡れになったけど、これが鳥海山の伏流水ってやつか、明日は車の中のありったけの空ボトルに詰めて帰ろう。

塩焼きそばをささっと作って腹を満たし、伏流水を沸かして芋のお湯割り。
夕焼けの鳥海山、反対側には陽に染まる奥羽山脈。暮れて行く鳥海山。星空の中に山頂を煙らせる鳥海山。一面の星空。一刻ごとに変わっていく景色を見てるだけでたちまち時は過ぎていく。
ずっと外にいたら体が冷え切った。テントに籠もってストーブに照らされながら、今見た景色を反芻する。いい夜だった。

そして朝。深酒をしたけど夜明け前には目を覚まし、少しづつ明るくなっていく朝の風景を飽きずに眺める。ほーんと、いいキャンプが出来た。
カメラマンがいたら満足げな顔の自分を撮ってほしかった。その写真はいい遺影になっただろうに。

朝焼けを浴びる鳥海山
朝焼けの奥羽山脈


朝飯は米を炊いて目玉焼きと納豆。
値段が上がったと言え、卵と納豆と米は貧乏キャンパーの強い味方だ。美味い・安い・早いの三要素全部を備えた最強の食材だ。

伏流水のインスタントコーヒーを飲みながら今夜の宿泊地を考える。にかほ市の飛びのくずれを再訪するか、それとももっと北へ進もうか。電波が来てないからネットで詳細は調べられない。飛びのくずれの景色も忘れられないし、にかほ市に降りればカネトミの焼き鳥も食える。
周知のキャンプ場で安定を求めるか、祓川キャンプ場に出会えたツキの良さを信じて未知のキャンプ場を探すかか、大いに悩んだ。
よしっ、今の俺はキャンプの神様に好かれているはず、北で新たなキャンプ地を探そう。
道はぜんぜんわからないけど、とりあえず秋田市役所にでもナビをセットすればR7には連れて行ってくれるだろう。R7に出れば北上するだけだ。

あばよ、また来るぜ

満足に包まれて山を降りた。ここへは来年またきっと帰って来るだろうと思う。

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