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夫、ホームシック

夫がホームシックらしい。

ちなみに夫はニュージーランド人。今我々は移住してニュージーランドに住んでいる。

じゃあどこが恋しいのかって?
15年住んだ日本だそうです。
厳密にいうと、ホームじゃないでしょ!と突っ込んだのだが、社会人生活の殆どを過ごした(心の故郷)日本が、恋しいんだそうな。

一方生まれも育ちも日本の私は、全然ホームシックになってない。
びっくりするくらい、帰りたいとも恋しいとも思わない!

まだ移住して2ヶ月だし、以前住んでいたオーストラリアに似ているところはたくさんあれど、違う国なので色々と新鮮。
スーパーに行くのすら楽しい。

そして何より私は数年はホリデーですら帰れないと覚悟を決めて、基本こちらに骨を埋める覚悟で移住してきたし、夫と違って自分の国に帰ったわけじゃないから期待値をものすごく低く設定して生きている。

夫にとっては子供ができてからというもの、帰りたくて仕方なかった故郷。恋焦がれていた分、期待もしちゃうのでしょう。移住前に何度か本人とも話して、「私よりNZにがっかりしたり、腹の立ったりすることが多くなるよ。それは自分の国だからこその期待値の高さからくるもの。この世に完璧な国なんてないから心に折り合いをつけて生きていくしかない」と伝えていたのだが、案外早くそのとおりになった。

具体的に何が嫌で、日本の何が特に恋しいのかが分からないらしいのだが、とにかく漠然と日本の生活が恋しいなあ。となるんだそうだ。

要因は3つほどあって、

ーコロナを気にせず生きていけると思ったのに帰国して1ヶ月ほどでロックダウンになり一気に諸々制限のある生活に。

ーロックダウンのせいで就職活動が大幅にスローダウン。業種によってはロックダウンで忙しくなって、書類選考もちょっと待って、という状況らしい。

ーロックダウンのせいで家探しも難航。内見はもちろんできないし、新しい物件もマーケットにでてこない。しかも物件の値段がここ数ヶ月でまた上がってる!東京に長年住んでいた私達の感覚からするとありえない金額。(物件のクオリティ、ロケーション的に)

ロックダウンのせいで帰国前に思い描いていた、夢のNZライフの幸先良いスタートとはならなかったのが、良くなかった。

ただ人間だし、心のアップダウンはあるもの。うまくやっていくしかない。

コロナに関してはこちらでコントロールできるものではないので流れに任せるしかない。
幸い日本でしっかり働いてきたし、数ヶ月夫婦が働かなくても生きていけるだけの貯金もある。
夫がしっかり資産運用してくれたおかげて家を買う頭金もちゃーんとある。(ただ少しはローンは必要なので早く定職につかないとを見つけないとローンが借りられない)
今お世話になっているお義母さんの家は十分広く(一人なのに5LDK)家が見つかるまでずっといてもいいよと言ってくれている。

何にも悩むことも落ち込むこともないとっても恵まれた環境なのに、ちょっとおセンチになりすぎて、

「2年くらい働いて、(こちらの生活が)合わなかったら日本に帰ってもいいしね。」

と呟いたので

「あーた、そんな生半可な気持ちで帰ってきたの??あんなに帰って来たかったNZだよ!?一番は子供のためでしょ?そんな気持ちで仕事さがしたり、生活してたら何にもうまく行かないよ!!
私は少なくとも子供達が高校出るくらいまでは帰らないから、帰りたいなら一人で帰って!!ていうか、しばらくもう国をまたぐ引っ越しは絶対したくないでしょうよ。」

とデヴィ婦人かのごとく一気にまくし立て、叱咤激励した。
さすがに目が冷めたらしく、そうだね、頑張る。となりました。(単純)

もちろん今後生活していってどうしても日本に帰りたいとなれば、きちんと考えてすすめていけばいいけど、あんた、帰国して2ヶ月もたってないのに、弱気になりすぎよ。

私が強気すぎるのかもしれませんが。


そんな話をして数日後。
夫は仕事が決まった。ロックダウンでなかなか面接が決まらない中、唯一面接をしてくれた会社。
仕事内容も本人が一番やりやかったことで給料も日本ほどはもちろんもらえないけれど、想定の範囲。
ていうか一個目の面接で決まるなんてすごいじゃん。


ということで、オファーを受けることにしました。

そしたらどうでしょう、あんなに暗かった夫が元気がでてきた。

ホームシックっていうか、いろいろ自信がなくなってたんだろうね。

来週からしっかりお仕事頑張って私の分まで稼いでいただきたい。
(私は年内は仕事はしないつもり)

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