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2022年の10月になって、大事な指輪をなくしてしまった。 その指輪は、母方の親類に関わる指輪で、ぼってりと丸いフォルム、ずっしりと頼もしい重みがあって、私は好んで身につけている18金の指輪だ。 それがないことに気がついたのは10月に入って3日目くらい。そこから2週間も探し回っていた。 店のいつもの定位置にあるのかもしれない。 ない。 では、自宅のあそこか? いや、ない。 それなら、車のあそこだ。 ない。 いつも持ち歩くカバンの中のポケットの一つ一つに手を突っ込んでみた 。