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お葬式

訪れてくださり、ありがとうございます。
本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月10000部発刊されている「夕焼け新聞」に連載中の『第8スタジオ』というコラムの転載記事(修正・加筆含む)です。本記事は、1本300円の入場料をいただきます(価格は字数や内容によって変動します)。なお「夕焼け新聞」というマガジンでご購入頂くとお得です。

「第8スタジオ」はひと月に1本のペースで配信します。2022年9月に配信するのを忘れていたため、10月に9月分を配信しましたが、今月11月は、10月分と11月分の2本を配信致します。今回は2本目となります。
異国で暮らす日本人の葛藤、就活、仕事、家庭、育児、バイリンガル教育のさまざまを書いてきました。当連載は6年目に入り、現時点で終了予定はありません。読者の皆様のおかげでここまで続けてこれましたことを心より感謝申し上げます。

 お葬式に参列した。アメリカで初めての、1人きりでの出席のお葬式だった。キリスト教式ではなく、仏教式ではなく、神道式のお葬式だった。

行われたのはロサンゼルスにあるこじんまりした寺院だったが、住職は「ここは寺だけども、故人は神道でしたから、神道式に則っておこないますよ」と告別式の冒頭に、英語と日本語で説明があった。その温かい濁声を今でもおぼえている。

そのとき、手を打つ際は音を鳴らさないのが神道式だと初めて知った。だからお焼香で神前に行った際、二礼二拍手一礼はもちろん音を鳴らさないように気をつけた。

私が故人と知り合ったのは夏のことである。まだ2ヶ月も経っていない。

私は東京の、とある大学を卒業した。もう随分前のことである。

その大学はとても大きな総合大学で、いま考えれば魅力に満ちた場所だったはずなのだが、私にとって第二希望群の大学だったため、カレッジライフをエンジョイするというよりかは、常に外に目が向いていた。

どうしてだろう、大学の友達にもサークルにも文化祭にも、てんでワクワクしなかった。つまり大学を味わうことは後回しにしていた(その”後“はもう永遠に来ないんだけどね)。私は授業以外のことは、外で調達した。NP O活動に六本木に出入りしたり、にっぽん丸という船で世界の若者と旅をしたり、そういえば彼氏を大学で作ったこともない。

そんななかでも、数人の心ある友達と出会えたことはきっちりと明記しておきたいけれど(あなたと出会えてよかった)。

その大学のOBとOGで作る卒業生の会が、ロサンゼルスで正式に発足後30年経ったとかで、30周年記念祝賀会がおこなわれたのだが、開催数日前にようやっと「行く!」と腹を決め、行ったのだった。

その広告は私の仕事先の出版社のホームページで目にした。

すべてがたまたま、たまたまの連続だ。場所はロングビーチ。1人の知り合いもいないなかで、突然出席するのはかなりの勇気が必要でした(笑)。

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