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東北・北海道旅行 9日目

礼文島滞在4日目の朝。

早起きし、久しぶりにコンロを出す。ホットサンドメーカーを使用してホットサンドとチーズのトロトロ焼き(←ヒロシのソロキャンプで紹介されていた)を作る。

子どもたちも起きてきて、利尻富士をバックにブランコに乗ったり、グランドを走ったり、朝から元気いっぱいだ。

付設のウッドベンチでのんびり家族で朝食を囲む。食後はお湯をコンロで沸かしてコーヒーまで飲んで久しぶりに青空の下、時間を気にせず気持ちの良い朝食。

その後、お世話になった管理人さんにお別れし、キャンプ場を後に。港へ向かい、少しお土産を購入してからフェリーで再び稚内へ。

美しい高原植物のみならず、初めての避難所生活、キャンプ場での出会い。この礼文での滞在はきっと生涯忘れることのないだろうと、徐々に小さくなる礼文島をフェリーから眺めていた。

さて、稚内に船が到着すると本州最北端の地、宗谷岬を目指して海沿いを北上。海沿いから少し緩やかな丘陵地帯に入り、どこまでも続く緑のカーペットに風力発電施設が点在する景色が広がる。そこを過ぎると牛や馬が放牧されているのどかなエリアの1本道を進む。ここが日本有数のドライブルートだと後から知って、納得する北海道の自然美であった。

1時間ほどのドライブで宗谷岬へ到着。コロナ禍ではあったが、この地は観光客が多く賑わっていた。

整備された公園の中には間宮林蔵像や海の向こうに見えるロシア領樺太を見張るロシアとの関係悪化の際に建てられたという旧海軍望楼。

そこに高い塔を擁するモニュメントがあった。まるで鶴が羽ばたこうとしているような姿をしたそのモニュメントは1983年9月1日アメリカを飛び立った大韓航空機が韓国に戻る際に、ソ連の領空を侵犯したため、ソ連軍に狙撃され乗員・乗客269名全員が亡くなった事件の慰霊の碑であった。

そんな事件があったことも知らなかったうえ、領空侵犯という言葉を最近ではニュースで聞いてはいたのだが、実際に(事実はわからないが)、国際法に基づいて、侵犯した航空機を狙撃するなどいうことがあったということに驚いた。

この宗谷岬の冲で、狙撃を受けた機体は空中分解し、269名の遺体のほとんどが見つかっていないとのことで、この慰霊碑をこの地に建てたそうだ。合掌。

その後、ホタテが美味しいというこの地の人気店”間宮堂”というお店に並んで昼食。

並んだだけあって、そこで食べた塩ホタテラーメンは絶品!見た目はとてもシンプルながら、深い味わいの澄んだスープにちぢれ麺が良く絡んで美味!そのほかにも、ホタテを敷き詰めた丼の中心にウニが乗る灯台丼。ホタテの刺身は歯ごたえがあり肉厚のホタテが甘い甘い。バター焼きもいいが、やはり刺身で食べるのがおススメだ。そして、定食についてくる味噌汁はなんとも贅沢な毛ガニの味噌汁。人気の理由がわかった。

宗谷岬を後にし、北海道を南へひたすら下る。

友人おススメの温泉”豊富温泉”へ立ち寄る。友人曰く、全国から皮膚疾患に悩む患者がまさしく湯治に来る全国的にも有名な温泉らしい。

町のふれあいセンターにあるその温泉は健康アドバイザーがいたり、1日をここで過ごす人のための休憩所があったりといわゆる普通の銭湯とはたしかに違う。

湯治用と一般用とに分かれた二つのお風呂があり、我々は迷わず湯治用に。

入ってみると臭いも強いがその茶褐色の深い色とそこに浮かぶ油のようなものに驚く。

浮いているのは石油で日本で石油が含有する温泉はここぐらいだと、毎年仕事の休みを利用して訪れているという先客の女性が教えてくれた。

彼女は幼いころから自身のひどい皮膚疾患でいじめを受けて、いろいろな病院に行ったが治らず。噂をききつけ、5年ほど前に初めてここを訪れ、毎日温泉に浸かっていたところ、劇的に肌の疾患が治ったのだという。

我が家の長女も生まれたときから皮膚疾患があり、毎朝、毎晩、皮膚科で処方してもらった塗り薬を塗りたくっても塗りたくってもかゆがっていたことを思い出した。

成長とともに、少しずつ良くなっているが、まだまだ皮膚が弱いため、ゆっくり浸かり、大地の恵みパワーを十分に吸収してお風呂を後にした。

その後は沈む太陽を見ながら、旭川方面へひたすら南下。できれば旭川まで行きたかったが、一歩届かず、暗くなったため、近くのキャンプ場へ車を停泊することに。

”けんぶち絵本の里家族旅行村”と呼ばれるキャンプ場は、なんとか受付を済ませたものの、周囲が真っ暗で何も見えず。

食材を買いに近くのコンビニまでも20分ほどかかり・・・簡単なおにぎりやカップ麺を購入してキャンプ場に戻ると周囲はすでに静かに寝静まっている。

管理棟の隣の駐車場に車を停めて、その明かりの下でサクッと夕ご飯を食べて、就寝した。

キャンプ場なのに、焚火もできず寂しい夕食。こんなことなら道の駅でも良かったのでは。。。と少し後悔。やはりキャンプ場には明るいうちに入るべきだと学ぶ。


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