見出し画像

ダニーデン20日目

朝から太陽が降り注ぐ久しぶりに暖かい一日の始まり。

学校に行くと、授業中に書いたという絵が張り出してあった。テーマは
”I can show respect by"

画を書く前にRespect songという歌を皆で一緒に歌ったそうだ。日本でいえば、道徳の授業に近いのか。誰をも平等に尊敬しましょうね。ということだろう。

日本ではわりと生き物や食べ物、運動会の様子など具体的な絵を描くことは多いのだが、こうして何をもって尊敬される人物である。というような抽象的なテーマで絵を描いたことがないと思う。

我が家の娘2人はまず英語の意味が分からず、周りの子がゴミ拾いの絵を描いていたので、真似してゴミ拾いの絵を描いたようだった。A4の紙いっぱいに色鮮やかに描かれた生徒たちの絵は個性的でとても見応えがあった。

”The wobby goat cafe”

さて、この日のランチはダニーデンから車で20分ほどのところにある小さな集落アウトラムという田舎町まで。

町のカフェはここだけかというくらいお店らしきお店はなかった。

ただ、田舎ながらも道路側に大きなテラス席を擁し、赤を利かせた店舗はとても素敵だ。手作り感満載なのがこの町に良い意味でとても馴染んでいる。

夫は定番のエッグベネディクト。私は珍しく野菜のオムレツというものがあったので、オーダーしてみると自分で作りたくなるほどの美味しさ。クリスピーピザのようでもあった。

そしてデザートにラズベリーとレモンケーキ。たっぷりとしたポットに入った紅茶。

店内に2名ほどだろうか女性がテキパキと働いている。近所の料理上手な主婦のお店なのかな。と素朴でありながらとても温かいお料理の数々であった。

その後、子どもたちを迎えに学校へ。この日は半袖1枚でも熱いくらいで久しぶりの夏日。

長女と次女は校庭でバスケットをしており、長男はサッカーで遊んでいた。
ひとしきり遊んで汗をかいたので、アイスを食べたいと、学校の敷地に隣接するコンビニへ。

店内はまるで日本の駄菓子屋さんのように子供向けのお菓子が並ぶ。一方、学校で使う文房具もあったり、揚げたてのフィッシュ&チップスやサンドイッチなどちょっとした軽食もあった。

きっとお弁当を忘れたり、授業中の小腹がすいた児童向けの駆け込み寺のようなコンビニなのだろう。

個人経営らしく小さなお店にざっくばらんと並んだ商品。感じの良い高齢の男性がオーナーのようだった。子どもたちは暑い日、このお店でアイスを購入して帰るのが日課になっていた。学校を出るとすぐあるので便利な一方、毎日アイスやらポテトやらを購入させられる親泣かせのお店ともいえる。

TUNNEL BEACH

天気が良かったので、家のオーナーおススメのビーチに行くことに。
ダニーデン市内からやはり20分ほど走った”トンネルビーチ”

昼間訪れたアウトラムが田畑の中の田舎町だとすれば、こちらは海沿いの田舎町といった雰囲気。

ダニーデンから少し郊外にでればこんな素晴らしい大自然の田舎が広がっているのもこの国の良いところかもしれない。

駐車場に車を停めて、海岸への入口に到着すると看板に往復1時間と書いてある。少し躊躇したが、風も少なく、何よりこんな良い天気の日は少ないので、行ってみることに。

かなり高い位置にいるのか、海岸への一本道は先が見えなく、海だけが見える。急な坂道をズンズン降りていくと断崖絶壁の海岸線が広がっている。

激しい波に削られた自然美といったところか。

ようやく白波が間近に見える距離まで降りてくると、岸壁の先端に観光客らしき人達がチラホラ見える。しかし、そこには柵もなく、強風にあおられて落ちたら。と考えただけでも恐ろしい。

先端にはいかずに、ユニークな岩穴の階段を通り抜け砂浜が広がる海岸へ。

切り立った大きな岸壁の下には裸足が気持ち良い砂浜が広がる。砂浜と言っても足が埋もれるようなサラサラとしたものではなく、ひんやり固い砂浜だ。純粋無垢な砂浜。小さな石ころさえないので、裸足で歩くのがとても気持ち良い。人もまばらで、あるものは流れ着いた海藻だけ。

青い空に、静かに迫力ある絶壁の海岸線がどこまでも続き、遠浅のように見える砂浜に薄く長く波が打ち寄せる。その景色はまるで映画のワンシーンのよう。

長女は固い砂浜に文字を書いていた。次女と長男は大きな岩に上って遊んでいた。こんなに日に限って水着を持ってこなかったことを後悔した。

ただ、南大西洋に面した海岸線は日本で見る海水浴場とは大きく異なり、巨大な波に簡単に飲み込まれてしまいそうで、やはりダニーデンの海に入ることは難しいと知る。

ひとしきり遊び、帰り道はひたすら来た道を登る。

海辺で遊んだ疲れが出たのか、下二人の歩みは遅々として進まなかった。

夕ご飯は自宅で豚肉のローストに昨晩の残り物のペンネを添えて。毎日毎日飽きずに肉を焼いて、同じような野菜を食べる生活が続いているが、子供たちはフォークとナイフで食べるこの食事もなかなか楽しんでいるようだ。

肉でも野菜でもオーブンに入れてご飯は炊かずにパンを食べる生活。こんな生活も東京に戻ったらたまにはいいかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?