生存報告(2023/02/19)(バキ童チャンネル、マキタスポーツ「土俗のグルメ」)

バキ童チャンネル

普段あまり観るチャンネルではないんだけどツイッターで回ってきたからうっかり再生してみたら、あまりにも本質をえぐりすぎててやばかった。ユーチューブ版『さくらの唄』(安達哲)じゃねえかっていう。24分過ぎぐらいからのパンチラインがあまりにもすごいっていうのはそうなんだけど、流れで見たほうが切実感が増すので出来れば最初から通しで観てほしい。

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改めて見返すと22分50秒で「自意識過剰」っていう言葉が出てから、それまでとはちょっと違うスイッチが入ったというかブースターがかかった感。というか「自意識過剰」っていう言葉がもうずるいっすよね、って自分なんかはやっぱり思ってしまう。確かに数値にしたら「平均以上」の自意識かもしらんけどそれを「過剰」って言葉にするのはそっち側の理屈じゃん?っていう。そっちがルールメーカーである根拠って別にないですよね?って。むしろこっちが正常でそっちが「自意識過小」である可能性だってフィフティフィフティであるし、って物心ついた頃からずっと思ってんだからなっていう。ただ言わないだけで。だって言ったらキモがられるから、ってはいはいごめんね〜! それも「自意識過剰」なんですよね〜! 言うよね〜!

これはでも恋愛に限った話ではたぶんなくて、何らかの原因があって本心や本音を吐露できない(したくない)という状況が常態化してしまった人のほぼ全員に共通する結構クリティカルなあるあるなんだろうなという気もする。「自分の本髄がキモがられるくらいならもっと手前でキモがられておこう」っていうのはすごい分かる。「キモがられ」に対して攻めるふりをしたりすっごい甘く攻めることで実は自分を守るっていうハック。そこの理屈は作るのうまくなってくんだよ、数重ねる度に。わりと達人の域にまでもう来てて。で、そうやって守れば守るほど壁は高くなっていくんだけど、でもそれで安心出来るかっていうと全然そんなことはなくてむしろその逆で、常に他者や社会からの攻めは余裕でその城壁越えてくるんだよな。他者とか社会ってこっちの想像の範疇にないから。それでまた壁を作って、その壁を高くして、また攻められて越えられて、ってその繰り返しが延々にループしてくだけ。機序としては防衛費の拡大と完全に一緒っていう。この延長線上に平和が訪れることは絶対になくて。

それが分かってるならそのループの手前のほうで悪循環をせき止めるっていう手段が合理的なんだろうとも思うけど、同時に「自分の本髄がキモがられるくらいならもっと手前でキモがられておこう」っていうのを結構な初手にしちゃってるからそこ崩したらあと全部崩れるじゃん、みたいなのもあって。言ったらこの「自分の本髄がキモがられるくらいならもっと手前でキモがられておこう」って目的を具現化するためにお笑いを選んだんじゃないのか、ある種の芸人さんとかはと。自分の場合でも将来お笑いとかバラエティを仕事にするって決めたのは17歳の頃なわけだけど、そこにたぶん、というか間違いなく「自分の本髄がキモがられるくらいならもっと手前でキモがられておこう」っていうのはあって、そこを覆すほうが生き易いっていうのがもしそうなんだとしても、同時に人の道を外れても全然おかしくないよなとかも思うし。守るものがゼロになったときの自分がどうなるかなんて想像つかないし怖いだろという。むしろ他人に迷惑かける可能性が高いのって絶対にそっちのほうなんだから、だったら今のままでいたほうが皆様のためにもなるんじゃないですか?っていうのも実際にすごくある。あとなんか、もし万が一これまでの自分の苦しみが無駄なんだとしても、そんなの認めちゃったらこれまでの自分が可哀想だろっていうのもあるからそれだけは絶対に認めない、っていうのもあるのかもしれない。これはでも相当リスクの高い考え方だろうからそこは意識して変えたほうが良いんじゃないかって気はするけど。

でもたぶんこの「自分の本髄がキモがられるくらいならもっと手前でキモがられておこう」って実は結構パワハラ的というか、下手に出てるようでむしろそれ故に暴力的だったりもするから、そうじゃないやり方をちゃんと考えないといけないんだろうな、おそらくは。それが出来るか出来ないかで、良いおじさんと悪いおじさんのどっちになるかが決まるんじゃないか。そして私はなるべくなら、悪いおじさんにはなりたくないのだった。

マキタスポーツ「土俗のグルメ」

先月から始まったマキタスポーツさんの連載、第3回で既にテレビ東京あたりが原作権を買い付けててもおかしくないぐらいの面白さ。『孤独なグルメ』っぽい映像化も当然面白いだろうけど、個人的には『包丁人味平』のノリで見たい。まずは劇画にしてほしいので誰かよろしくお願いします。

第3回 「ライスハック」という極意 | マキタスポーツ「土俗のグルメ」 | マキタスポーツ | 連載 | 考える人 | 新潮社

マキタさんの細かな視点の面白さというのも当然あるんだけど、書くこと自体の根底に別役実から宮沢章夫への流れを強く感じられるのが個人的にはとても嬉しい。文章の構成や表現そのものがこの二人と似ているというのではなく、出鱈目との距離の取り方を踏襲しているというか。言い換えれば書くという行為自体のラジカルさ、つまり書くことでそれまで存在していなかったものが立ち現れてしまうというある種の一方向的な暴力性が意識されている。それはつまり、上品、ということなのだが、そういったエッセイやコラム(という名称ではあるが実はほとんど創作に近い)はやはりあまり多くはないので、今後の更新も楽しみにしています。

そのほか(箇条書きで)

・ウィトゲンシュタインとひろゆき、完全に真逆の可能性ある。
・過去を思い出すという行為自体が実は人間にとってはストレスなのではないか。もう変えられないものを反復するということ自体が。良い思い出を振り返る、というのも、実はストレスだったりするのではないだろうか。何のエビデンスもないけど。

ネット記事など

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(2023/02/12〜2023/02/19)

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