2024 中山グランドジャンプ
コースについて
年に2回のみ使用される大障害コース。
3角側からスタートし、12回の飛越と5回のバンケットを経由。5回目のバンケットの後外回りコースへ。直線芝コースにかけて5回のハードル飛越をこなす。
過去傾向から…
過去10年のうち6回がオジュウチョウサンの勝利。アップトゥデイトやメイショウダッサイ等の名ジャンパーたちの名も並ぶとはいえ、やはり数字を出すうえで影響が大きい。
ローテ
阪神SJからはオジュウチョウサン4回、ダッサイとアップが各1回勝利。14年アポロマーベリックと昨年イトゴトシはペガサスJS。必ずしも勝ち馬の必要はないが、両前哨戦の上位馬がほとんどで。直行もあり。一般OPの勝ち馬もオジュウ。
騎手
石神騎手はオジュウで9勝など通算11勝。馬の強さもあるが、マイスターといえそうで。五十嵐騎手はアポロマーベリックとのコンビもあったが、近3回連続好走。森騎手はダッサイなど安定感が高い。高田騎手は直近勝利08年で近年はそこまで。昨年は黒岩騎手が悲願達成。
今年の各前哨戦
中山大障害
当時の1~6着と9着馬が出走。マイネルグロンが序盤は折り合いなど苦慮しつつも、徐々にリズムを作って早め仕掛け押切。2着ニシノデイジーは競り合いつつも前、終盤で詰まった飛越になるも盛り返し。エコロデュエルが中団から最後に脚を伸ばしてきた。ビレッジイーグル、ダイシンクローバーも飛越しっかり自分の競馬。ジューンベロシティは大生垣で若干ミスも渋太く。ギガバッケンは道中位置をやや落としたが終いまで盛り返し。
阪神SJ
マイネルグロンが5連勝。リズムを作り切るにはやや時間がかかったが、徐々に安定感が増し、飛越も良好。早めに捕まえに行き7馬身押し切る完勝。勝ち馬が前を捕まえたところ、後ろからエコロデュエルが飛んできた競馬は大障害と同じ。ニシノデイジーは前目で競りつつ、今回は厳しく。ワンダークローバーも後半はやや一息も、軒並み飛越は確実に。
ペガサスJS
ビレッジイーグルが逃げて最後も脚を使う完勝でこのレース3連勝。飛越も確実、前哨戦ではしっかり走れるのは分かっているだけに、あとは本番で。ギガバッケンは中位の競馬で追われ脚は使う。ポルタフォリオは後寄りの競馬から。
他レース
フロールシュタットは障害OPから。後方、飛越も一息の競馬だったが脚は使っている。ジューンベロシティは春麗で61キロの2着。この馬らしく低めの飛越で走り、稍重馬場ではあったがスピードを見せた。タマモワカムシャは三木HLJSから。飛越無難終いは確実で。イロゴトシは一度平地を使った。使ってよくなるタイプだけに、ぶっつけでなく来れた事を評価したい。
各馬雑感
ジューンベロシティ
スピード質が高く、飛越にしても置き障害ベターのイメージも、JG1でも⑥⑤着と大崩れはしていない。ホッコーメヴィウスにも勝った脚力は間違いない。外回りコースで脚を伸ばし。昨年は得意ではない道悪に苦しみ。高田騎手がダイシンクローバーで初コンビとはいえ森騎手なら。
エコロデュエル
草野騎手負傷により小野寺騎手へ。草野騎手が何度も落とされてきたというエピソードや、レースでの飛越を見ても難しさの塊のような馬。それだけに乗り替わりの影響は気になる。2週乗ってどこまで掴めているか。積極性を活かしてほしい。タイプ的にはここ2走がそうだったようにマイネルグロン、さらにイロゴトシとも相性はいい。まだ5歳の春。伸びしろを大きく残す中でのこのパフォーマンス。
ワンダークローバー
勝ち鞍は未勝利のみだが、タイプ的にはわかりやすい。平地未勝利馬で速い脚は使えないが、スタミナはかなり豊富で飛越もしっかり。いずれもレコードの出る淀みない流れだった秋陽JS、イルミネJSを上がり最速の3着。耐性が問われる展開で突っ込んでくるだけに、ビレッジイーグル、ニシノデイジーらが作る流れがハマれば浮上も。
マイネルグロン
目下5連勝。唯一つつくところがあるとしたら、前半流れに乗るまでの飛越や折り合いか。とはいえ自分で整えて位置を取ってしっかり飛べる人馬。大障害の競馬を見ても1頭違う脚で上がっていった。6連勝に向け、大きな死角は見当たらない。
ビレッジイーグル
前哨戦のペガサスJSは3連覇。JG1も⑤⑤⑤⑦④着、唯一崩れたのは道悪の昨年のみと安定感抜群、中山でしか走っていないように経験値のアドは大きいが、本番ではもうワンパンチ足りずに来ているのも実情。組み合わせとしては先手取れそうも、この馬にとって厄介なのはニシノデイジーの存在。うまくギリギリまで溜めたい。
タマモワカムシャ
一般OPでは見劣らぬ存在も、JG1となればさすがに敷居が高いか。中村騎手と初コンビ。未勝利勝ちは加矢太騎手、OP圏内は鷲頭、井上両騎手とその名の通り若武者を背に走り。37歳中村騎手を背に。
ポルタフォリオ
ここ3走は大きな着順が続くが、メンバーとしては低調とはいえ京都JS3着、未勝利ではミッキーメテオらを下している。とはいえ敷居は高い印象も。今回は加矢太騎手との初コンビ。きっかけを掴みたい。
イロゴトシ
ディフェンディングチャンピオン。昨年は道悪馬場への適性もあっただろうが、とはいえそれだけでは片付かない強さだった。外回りコースに入りスルスル上がっていく姿は鳥肌もの。デビュー戦の後半の脚、2戦目メリディアンローグをちぎった勝ち方…とそのセンスは間違いないもので◎を打った会心のレースだった。その後はなかなか上手く行かず…だが、1回使ってここへ進んでこれたことは一定評価したい。このコースではまだグロンと勝負付けはついていない。今年は良馬場だが、平地力自体はここでもデイジーに次ぐくらいの上位。強さを見せてほしい。グロンとタイプ的に相容れる部分はあるだろう。勝負付けはまだ。
ギガバッケン
昨年大障害に続いてのJG1挑戦。(清秋でミスしたように)水ごうこそ課題も中山の飛越も問題ない。近走は差しに構える競馬で一息も、大障害は道中位置を落としたとはいえ脚は最後まで使っていた。一度走った経験値を活かして、積極策をとっても。最近は安定してきたとはいえもともと馬体の増減は激しいタイプ。気配注視。
ニシノデイジー
22年大障害の勝ち馬。昨年は道悪や大出遅れも響いたか早々に厳しくなったが、暮れには恰好をつけた。気性面や飛越など、アテにしづらい面はあいかわらずだし、現地で見た阪神SJのスクーリングでも難しい馬だということを再認識した。SJは前哨戦+62キロの競り合う競馬で終いは甘くなったが、大障害では同じような形で終盤詰まる飛越もあったが粘り切った。良馬場では何だかんだ崩れていない。この条件ならやはり上位評価。平地力も最上位だ。
フロールシュタット
飛越の課題は残るが、差しに構える競馬で安定感はありメンバーの揃った東京HJでも掲示板に食い込むなど、タフさと終いの脚には光るものがある。未勝利勝ち以来のコンビ、年始から好調上野騎手との手で。
ダイシンクローバー
昨年の3着馬。前走大障害6着とはいえ自分の分はしっかり走り、飛越も安定感抜群。逆転まではどうかも、好走圏内の走力。こちらには森騎手も騎乗経験があるのだが、ジュンベロ×森、ダイシン×高田となった点からも、鞍上がチョイスしてきた感もあり。転厩初戦、かつ今回は前哨戦を挟まずのぶっつけローテがどう出るか。
予想
コンセプト
展開としては、順当ならビレッジの逃げにデイジーが中盤で絡み、後半イロゴトシとグロンが襲い掛かる構図、その後ろからデュエル…というのがわかりやすい図も、「逃げ拘らない宣言のイーグル」でジューンやギガバッケンの線もあるし、「小野寺騎手のデュエル」ならある程度位置をとってきそう。いずれにせよ、グロンの動きに対応できる馬を中心に。
堂々1.1倍マイネルグロン。雑感にも書いたが特にケチをつけるところもない。堂々の絶対王者へ。イロゴトシはグロンとの兼ね合いがつきそうなタイプ。状態面などポイントはあるが、意地を見せてほしい。
デイジーは良馬場の大障害コースなら侮れない。うまくスタートを出て前で耐えたい。デュエルの乗り方は大注目。動いて負かしにいくか。
一本被りだけに、〇の単勝は勝っておきたい。
印
◎マイネルグロン
〇イロゴトシ
▲エコロデュエル
☆ニシノデイジー
△①⑤
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