クラシックが始まるのでPOGの経過を振り返る備忘録
はじめに
大阪杯はジャックドールが強い競馬を見せ、初挑戦から1年越しのG1勝利を飾った。そして、この週末は桜花賞。3歳クラシック本番がいよいよスタートする。それに向けてPOG指名馬を個人的につらつらと振り返る。ちなみに今年がちゃんとPOGをやる初年度だ。
指名馬
1位:ノッキングポイント
父モーリス 母チェッキーノ 母の父キングカメハメハ
5戦2勝(2-1-0-2) 収得賞金1,700万円 本賞金3,580万円
オークス2着馬の母にモーリス、モーリス×キンカメ×サンデーも魅力の一頭。個人的には皐月賞をもくろんで1位指名したのだが、気難しい面もあってマイルを使われてきた。距離延長の前走毎日杯は2着と、賞金を積めた。
マイルは忙しいと言われているように、行くならダービーに行ってほしいが、現状の賞金が絶妙にどうか分からないくらい、前哨戦を使って行くとしてパフォーマンスを本番で発揮できるか…などと難しい点は多そう。鞍上ルメールも恐らくファントムシーフに乗りそうで、レーンJなのか毎日杯同様藤岡佑Jなのか。そもそもNHKマイルに行くかもしれない。
早期から動けるところを見せていたし、今後とも追い続けたい一頭。
2位:ディンディンドン
父ドゥラメンテ 母ベルアリュールⅡ 母の父Numerous
1戦0勝(0-0-1-0)収得賞金0万円 本賞金180万円
アドマイヤリードの半弟。ベルクレスタの全弟。Specialクロスのドゥラメンテ産駒。「硬さがある」ということで11月の新馬戦をダートで3着…のあとは音沙汰がなく。クラシック本線を期待していただけになんだかなあという思いはあるが、それも一つ難しさではあるか。
3位:ウンブライル
父ロードカナロア 母ラルケット 母の父ファルブラヴ
4戦2勝(2-0-0-2) 収得賞金1,000万円 本賞金2,300万円
ステルヴィオ=ステルナティーアの全妹。ノーザンダンサーのヌケ感が良く、Specialをクロスする好配合で、2戦2勝でもみじSを制したパフォーマンスはかなり高いものだった。そこからは状態面や精神面の課題もあってパフォーマンスを発揮しきれていない。特に前走は脚元に熱感があったなかでの出走だった。力さえ発揮すればこの世代の牝馬の中で最上位クラスの力の持ち主だと考えており、桜花賞に乗ってほしかったが….。今週NZTは条件的にどうか?という思いもあるが、兄ステルヴィオはスプリングCの勝ち馬。ぜひNHKマイルにコマを進めてほしい。
4位:リバティアイランド
父ドゥラメンテ 母ヤンキーローズ 母の父All American
3戦2勝(2-1-0-0) 収得賞金4,250万円 本賞金8,400万円
ロムネヤの半妹。母ヤンキーローズは豪GⅠ2勝馬でスピード豊か。本馬はトライマイベスト=El Gran Senorの5×4、Halo≒Sir Ivorの4×5という瞬発力源、Kingmambo×Robertoをもち総合力に優れており、新馬はスローから31.4、阪神JFはハイペースを35.5で上がっており守備範囲も高い。今週は桜花賞だが、ここまで見せてきたパフォーマンスを見るに、アルテミスSのように完全ブロックされる形にさえならなければぶち抜ける力関係。恐らくそれくらいのマークは食らうだろうから、その中でどれくらいのパフォーマンスを発揮するか、ワクワクしている。このPOGの希望。
5位:ディオファントス
父モーリス 母ディオジェーヌ 母の父ディープインパクト
5戦0勝(0-1-1-3) 収得賞金0万円 本賞金513万円
2戦2勝のリブーストの半弟。モーリス×ディープ×Danzigといった感じで、構成としてはジェラルディーナにも似たところがあるか。モーリス×ディープのノーザンF生産馬で、2戦以上した馬は初年度世代で13/14が勝ち上がりというところで狙った。肝心なこの世代は現状勝ち上がり2/9だが…。もう一つ母系に重さも感じられるので、ここからさらに良くなりそうか。小倉で2好走のように機動力を生かす形がベターだろうし、その通りの競馬をできてはいるので、もう一押しに期待したい。
6位:ジュエルアズギフト
父サトノダイヤモンド 母ラヴアズギフト 母の父Tiznow
未出走 収得賞金0万円 本賞金0万円
新種牡馬枠として指名。ディープ後継のサトノダイヤモンドに、Tiznow、Storm Cat…と相性の良い血が重ねられている。
秋にゲート試験合格、年明けデビューの予定…だったがフレグモーネで回避、立て直しを図っている最中…という現状らしい。サトノダイヤモンド産駒自体一息な感じもするが、この馬に関してはどうか無事にデビューしてきてほしいという思い。
7位:ノイアーターク
父ロードカナロア 母クールドボーテ 母の父Dabirsim
8戦0勝(0-0-0-8)収得賞金0万円 本賞金218万円
Specialをクロスするカナロア産駒、母はデインヒルを持つなどスピード豊かだがノーザンダンサーの濃さはある。宝塚記念デーの新馬戦、現地で見ていたのだが、パドックから馬っ気前回、レースでもそのままで回っていただけ、即去勢手術となった。ダート1200mを使っている近走は4着→4着と一定の前進を見せており、展開一つ向けばそろそろ一発があってもいいのではないだろうか。
8位:ガルヴァナイス
父リアルスティール 母カヴェルナ 母の父キングカメハメハ
8戦0勝(0-1-2-5) 収得賞金0万円 本賞金814万円
ダイナカール→エアグルーヴの牝系で、Kingmambo=Monevassiaの3×3で指名した。今村Jの乗った4戦目はのちの京成杯2着馬オメガリッチマンとタイム差なしの2着にきているように、力自体はあると思うのだが…。前走は見せ場もなく14着に沈んでおり、こうなると立て直しが効くのか…なかなか難しい部分もあるだろうが、なんとか間に合ってほしいところ。
9位:エナジーチャイム
父エピファネイア 母カリンバ 母の父ルーラーシップ
3戦1勝(1-0-0-2) 収得賞金400万円 本賞金700万円
エピファネイア産駒でKingmambo持ち、さらに母系にサンデー持ちで良い牝系。母母がワールドエース=ワールドプレミアの全兄弟、そこにルーラーシップ、エピファネイアと配した形だから距離を伸ばして良さが出てくるはずだが、気性面の問題もあって1600→1400→1600と使われた。前走フェアリーSで426キロとまだまだ小柄。今週末の中山1800mに出走を予定しているよう。もっと伸ばしても良いだろうしまだまだこれからの馬。まずは無事に。
10位:ビヨンドザヴァレー
父イスラボニータ 母リリーオブザヴァレー 母の父Galileo
2戦1勝(1-1-0-0) 収得賞金400万円 本賞金1,110万円
母が仏G1勝ち馬、青葉賞を勝ったヴァンキッシュラン、3勝馬リリーピュアハート・セントレオナード(いずれも父ディープ)の半妹でノーザンダンサーの抜け感も良く。新馬戦では大外から先行押切の強い競馬を見せ、期待値が高まったが、2戦目赤松賞では600m37.3のドスロー逃げも直線の追い比べで競り負け、その後故障で現在再始動に向けて進んできているようで。秋のクラシック戦線に向けて無事に帰ってきてほしい1頭。POG的な話をすると、vanのようなシェアポイント戦で稼ぎ頭になることを期待していただけに残念ではあるが(vanの指名数336人)、この馬も奥がありそう。東京の直線を鋭く伸びる姿を見せてほしい。
さいごに
このように1位ノッキングポイント、4位リバティアイランドの2頭が頼みの綱状態。ディンディンドンはなかなか使えていないものの、3位ウンブライルも2勝を挙げているあたり、上位指名は間違っていなかったといえそう。2位指名が一息で下位指名から良いのが出る…という、どこぞのひいきチームの少し前までのドラフトみたいなことになっている。
今後伸びしろが大きそうな馬も控えており、それらの活躍にも期待しつつ、まずは無事に、そしてクラシックに挑む馬たちの活躍を期待したい。
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