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手間をかけるだけの価値

こんにちは、藍屋テロワールの藤井です。
藍も発芽して3週間ほどが経ち、畑への植え替えを待つばかりです。
これから夏にかけて畑の作業が本格化しますが、変わらず染めの作業も並行しておこない、忙しくなる日々が待ち構えています。分業制である藍師と染師、ここを一貫しておこなう僕たちにとって勝負の半年です。

藍の色を出すには種まきから数えて約一年。
たくさんの手間と時間を要します。しかし僕たちが伝えたい藍の魅力はそこではなかったりします。

天然藍は高い?

天然藍というと価格が高く、触れる機会の少ないものである印象を持たれている方も多いと思います。実際に僕たちの「紺屋|koya」でもTシャツ1枚を染めるのに5000円前後のお代をいただいています。これを高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれですが、一般的には高い部類ではないかと思います。場合によっては新品のTシャツが数枚買えるかもしれません。

今でいうクリーニング屋のような存在であった江戸時代の「紺屋」を、現代の日常に落とし込みたいという思いで「紺屋|koya」を広めていますが、価格面のハードルがあることは否めません。

天然藍の価格が高くなるのには、いくつか理由があります。

①栽培からの時間と手間を要す。
②すべて手染めである。
③染液の調子により1日に染められる数に限界がある。

他にもいろんな要素がありますが、こういったところが価格を押し上げる要因です。

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手間=価値?

ワークショップの機会では、来られたお客様に藍染の一連の工程をすべてお話しします。すると、皆さん一様に「それは高くても仕方ない」とおっしゃられます。ある意味で納得いただけているのだと思います。しかし、僕たちの思いとしては「手間がかかるから高い」ではなく「手間をかけるだけの価値があるものである」と感じていただきたいのです。
僕たちが天然藍と触れて感じる大きな特徴として以下のものがあります。

①化学染料とは異なる冴えわたる色
②色移りしにくく、長く寄り添えるゆっくりとした経年変化
③生地を丈夫にし、風合いを新たにする

その他、天然藍の効果・効能が巷では言われていますが、この3点が大きな魅力と考えています。

手間をかけるだけの価値がある

いま挙げた3点の藍の魅力。この要素は天然藍だからこそだと思っています。逆に言うとこの魅力を引き出すためには、「畑で藍を育てて、発酵させて染料をつくり、染液にする工程においても薬品を使わない」この1年以上かかるプロセスを踏まざるを得ないのです。

結果的に多くの手間と時間を要すことで、価格が高くなることは否めませんが、それだけの手間をかけるだけの価値が僕たちの生み出す藍色にあると信じています。

HP / https://aiya-terroir.com/
Instagram / https://www.instagram.com/aiya.terroir/
紺屋|koya / https://aiya-terroir.stores.jp/


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