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【短歌2作目】巻飛びて、寄りかかりたるプルースト。この物語を旅する人あり

はじめに

 短歌についての本を読むと良いインスピレーションが沸いてくるんですよね。何か景色を見て、何か考えて何か思ったのを誰かに伝えたいこと、あるじゃないですか。それをいい感じに短歌形式にすればリズムが良くなって効果的に伝わるし何度も見返すから思い返して内容自体も洗練されていくしリズムで記憶に残りやすい。なにより欲しい文字数に当てはまる言葉を探すのが楽しい。ああでもない、こうでもない、これだとニュアンスがちょっと違うかな~なんて。今まで使ったことのない言葉を使うちょっとした冒険。

大学の図書館にて

巻飛びて、寄りかかりたるプルースト。この物語を旅する人あり

aiueo 作
2023/01/14

解説

 図書館の棚にプルーストの『失われた時を求めて』があります。この小説は巻にして全14巻、読むのに4か月ほどかかるという、手を伸ばすのになかなか覚悟のいる本なんです。たしかこの短歌を作ったときは二巻だけなくなってて最近は二巻が戻って三巻がなくなってました。まだ旅を続けているのかと想像が膨らみますね。
 この短歌の言葉、実はパロディなんです。釈迢空という人、折口信夫といったら皆聞いたことあると思います。その人の、

葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり

釈迢空

という、景色を見て何かここにはいない誰かを想像してみる短歌。この短歌初めて見た時に感動したのでこれを軸にして作ってみました。ちょうど最近図書館で似たようなこと感じたなと思ったので。

おわりに

 五七五七七に『失われた時を求めて』は入るかな~入らないだろうな~「長編小説」とかにしたほうがいいかな~でもそれだと抽象的で場面が想像できないな~「プルースト」だったら分かってくれるかな~「寄りかかる」でいいかな~「寄り添う」とかの方がいいかな~でもそれだと後半の想像部分が薄まるな~本家の句点と読点はつけようかな~「旅する」でいいかな~それとも「入る」とか「読む」の方がいいかな~「物語」でいいかな~今回も掛詞入れれなかったな~。
 こう考えながら散歩するのが一番楽しい。

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