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【ひとり旅】奈良・金峯山寺の巨頭、金剛力士像に逢いに


普段OLをしている私にとって、平日の休暇はとても貴重な時間だ。

仕事と自宅の往復で、時間に追われる日々の疲れを発散するため、奈良県へ弾丸ひとり旅を決行。


最近引越しをして、奈良県へのアクセスが良くなったので行くなら人が少ない平日の今だと思い、

ゆらゆら電車に揺られること約1時間で近鉄奈良駅へ到着。


駅を降りてすぐ、早速かわいらしい鹿たちが。横断歩道を我が物顔であるく彼らの姿は奈良にお馴染みの光景です。

やはり外国人観光客の割合が半分を占めていました。


鹿と人の隙間を縫うようにして公園を進んだ後、奈良公園へ。奈良公園の中には、仏教に関わりの深い古美術や考古学の珠宝が揃う奈良国立博物館があります。

その一部、なら仏像館で「特別公開 金峯寺仁王門金剛力士像ー奈良・金峯寺所蔵」展が開催中で、前から気になっていたので行ってみることに。


なら仏像館 入り口付近


建物は、1894年(明治27)、建築家の片山東熊という方が設計したもので、奈良県最初の西洋建造物として建てられたそうです。


1969年(昭和44)、旧帝国奈良博物館本館として重要文化財に指定されました。

ガラス張りの天井から差し込む光と空
地下にはショップとカフェがあります

「なら仏像館」では、飛鳥時代〜鎌倉時代までの日本の仏像を常時100体程展示しているようです。仏像好きにはたまらない展示でしょう。

国宝級の作品が沢山あるのに、入館料は一般の大人で700円とかなりお得感満載でした。


そして展示品の一部がこちら。

粘土質で作られた塑像
侍者坐像(法隆寺塔本塑像)奈良時代
法隆寺五重塔塔本塑像(元)伝来
《二仏並坐像》中国・北魏時代(6世紀)鍍金
重要文化財《如意輪観音坐像》木造 平安時代(9〜10世紀)

あぐらを組んで右膝を立てた姿はまるでリビングでくつろぐ貴婦人のよう。。
リラックスした表情とポーズが素敵でした。

《十二神将立像》木造 鎌倉時代 
大寧寺薬師堂(神奈川)伝来

干支の動物たちの性格をそれぞれの像の表情に投影させているらしい。面白い!
十二神将の1人、摩虎羅大将立像(卯)
よく見ると頭に干支の兎が乗ってます
勢いのあるポーズとグッと閉じられた口元がなんともユニーク。


そして今回のお目当て、金剛力士像さんです。

奈良県吉野郡の金峯山寺仁王門を守るこの二躯は修復の為、奈良博にやって来られました。

白鳳時代(奈良時代前期)、金峰山寺山頂にあたる山上ヶ岳である1人の役行者が1日千日間の修行されました。世の苦しむ人々をどうか救う為、御本尊を賜りたいという行者の願いが仏に届き、ひどく荒廃した衆生を救う為より強く、荒々しい忿怒の形相をした御仏が出現。そのお姿をヤマザクラに刻み込んだものとして金剛蔵王大権現が御本尊としてお祀りしたのが金峰山寺の始まりなのだそうです。

そんな金峰山寺本堂(蔵王堂)の北側に仁王門があり、

国宝・重要文化財に指定されているものの中では東大寺南大門(国宝)に次ぐ、2番目の大きさでなんとその高さは5メートルにも及びます。

南北朝時代に奈良県を拠点に活躍した仏師、康成(こうじょう)によって作られたそうです。画像だと伝わりづらいですが物凄い迫力でした。やはり金峰山寺の番人ですから、ある程度の迫力と相手を威圧する姿形がないといけませんね。

重要文化財 金剛力士立像(吽形・阿形)
(奈良・金峯山寺)
《阿形》

腕のあたりに継ぎ目が見えますね
それぞれのパーツを彫っていって最終的に合体させたのでしょうか?
吽形
足の爪、血管なども忠実に彫られています

令和10年まで奈良博にいらっしゃるそうなので、まだまだお目にかかることは出来そうです。見にくる価値はあります。

仏像館の図録(2022年度版)も購入。


今回改めて感じたのは、作り手の思いを想像しながら、深く見れば見るほど芸術に対しての見識や感性がどんどん磨かれていくような気がしました。

機会があれば是非行って見ようと思います。最後に奈良公園の水辺で日光浴をする鹿たちを。とても癒されました。

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