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#北九州テイクアウトマップ を作ってみた2

前回に引き続き、北九州テイクアウトマップ の話です。

先週土曜日(4月4日)にリリースしたこのサービス、日に日に利用者は増えており、昨日は1日当たりの閲覧数が15,000回を超えました。(Googleアナリティクスの更新タイミングが不明瞭なので、もう少し増えるかも※追記:アナリティクスが更新され、約20,000PV弱/日となっていました)

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こちらは、サービスで利用している「glide」という”Googleスプレッドシート(簡単に言えばオンラインで使えるExcel)からデータを読み取って自動的に反映する仕組み”を有料契約すると解析可能になります。利用者の氏名など個人情報を取得しているわけではありませんのでご安心を。
↓glideのHP。英語なので、興味ある人向けです(;^_^A

おかげさまで、Webメディアをはじめ、新聞にも掲載いただきました。
(TVの取材も受けましたが、都の休業要請の煽りを受け放送延期に…)

今回の記事ではこちらの仕組みや、運用の流れ、実際に起こったことなどを簡単に書いていきます。

#北九州テイクアウトマップ の仕組み

北九州テイクアウトマップは、上記の通りglideという仕組みと、後はGoogle社が提供している「Googleスプレッドシート(オンラインで使えるExcelみたいなの)」および「Googleフォーム(投稿受付・アンケート用サービス)」で構成されています。

北九州テイクアウトマップ構成図

Googleフォームから投稿された時点でメールアドレスへの通知が行われ、それをきっかけとして運営者が掲載の手続きを進めます。

掲載の手続きといっても難しいことをしているわけではなく、Googleフォームから自動的に書き込まれたスプレッドシート内で情報の確認(HPの有無、不適切な画像が含まれていないか等)を行ったうえで、別シートにコピーすれば、それがそのまま掲載されます。

本体ともいえるのがglideという仕組みで、こちらはスプレッドシートの各列の情報をどんな形で表示するかをブラウザ上で指定すれば簡単にアプリ化できる優れものです。

glideスクショ

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここまでの話に「プログラミング」は出てきません。
いわゆるノンコーディング、すなわちプログラミングを書かずに、このような仕組みも実現できるのです。
実際には、運用にあたって一部プログラミングされた仕組みを使っていますが、これはまた後述。

#北九州テイクアウトマップ の運用

北九州テイクアウトマップは、以下のようなフローで運用しています。

タスクフロー

会社員の方にもイメージしやすいよう表現すると「①営業、②製造、③サポート、④情報システム」という各タスクがあります。

今回の運用で痛感したのは、②だけではなく、①および③が極めて重要であるという事。PVは、必要な人に見てもらうための一つの指標でしかありませんので、それが多いから偉いとかそういう話ではないとは思いますが、それでも「作っただけ」では、広まらないというのは、改めて思います。

現在運用は15名程度のチームで行っていますが、参加メンバーは本職もばらばらで、得意な事もそれぞれ。先述の通りいくら仕組みが簡単と言っても、全員に同じことを行っていただくのではなく、各人の得意なことを持ち寄るからこそ、パフォーマンスを発揮できる、というのは会社でも、今回のような有志チームでも同じ、いやより一層顕著なのかもしれません。

ここで気をつけねばならないのは、これはあくまでも有志チーム、言い換えればコミュニティによる運用です。なので、そこには内部向けとしての義務も責任もありません。(私自身の対外的な責任はありますが)

ですので、メンバーと分担するのは、あくまでも相互にお願いベースとなります。指揮命令権はありません。ここで求められるのは、皆さんが動くきっかけ作りや、動く上での共通理念・行動規範の提示とすり合わせ、そして各々のモチベーションの組み合わせです。
雇用契約の方が賃金による縛りが出来るので、容易かもしれません。
たとえば、作業分担についても、完全分業にした方が効率は高まるかもしれませんが、個人として「最初から最後までやった」という達成感は得られにくくなります。一方で、作業は得意だけどSNS発信は苦手、という人も居ます。なので、「個々人がやりたいことをやりながら一つの方向に向かう」というのが大事です。

北九州テイクアウトマップを始めてから起こったこと

元々は、4月1日の夜におおよその部分を作り、4月4日に確認したうえでリリースしたものですが、早晩手が足りなくなることは目に見えていました。
そこで、リリース告知とともに、運営メンバーを募集しました。

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この投稿をきっかけに、数名の方が協力を申し出ていただきました。
その中に、Code for Kitakyushuのイベントでも一緒している北九州市内在住のエンジニアの方もいらっしゃいます。
その彼が、スプレッドシート上のデータ編集用のプログラムを書いてくれて、作業効率が格段に向上しました。というのも、マップ表示の仕様上、店舗の緯度経度を入力する必要があるのですが、これをいちいち手で調べるのはとても面倒でした。また、アップロードした画像ファイルも一つのセルの中にURLがカンマ区切りで入力されており、これを複数のセルに分割するのもひと手間かかります。そのほかにも人手をかける必要のない部分を全て自動化してくれたのは、とても助かっています。

登録件数が増えてきたところで、機能制限に引っかかり(実は後で他の解決方法もあったのですが)glideを有料版に切り替えたという投稿をしたところ、スポンサー提供のお申し出を知り合いの弁護士(同い年)からいただきました。金銭的な部分だけではなく、法的な部分での相談もしやすくなったのは、心理的にもとても助かっています。

4月4日からの数日間は数名のメンバーでの運営、とは言っても、実質的には大半の登録を一人で行っていました。登録手順のドキュメントなどは簡単なものしかなく、「出来る人がやる」となっており手順のフォローなどはほとんどできていませんでした。
そこで、4月8日の夜に運営メンバー9名でオンラインミーティングを開催しました。ここでようやくそれぞれが自己紹介し、お互いの顔を見ることになったのです。この中で、具体的な登録手順を画面共有しながら説明したことで、独力で登録していただける方も増え、また、説明を受けた側からの目線でまとめた記事も共有いただいたのが大きいです。

次に、そろそろ認知度も上がってきた中で、当初のアイコンはテンプレートの物をそのまま使っていたのですが、もう少し親しみやすいロゴなどが欲しいと思い、これも募集してみたところ、わずか4分で作成のお申し出をいただきました。

今では、このロゴを含めて飲食店のチラシなどに使える画像をフリー公開していただいています。

つづいて、市内でHP制作の相談対応などを行われているメンバーが使い方動画を作成暮れました。そろそろITに詳しくない方も見始めるタイミングという事もあり、これにも非常に助けられています。

この他にも、飲食店主がメンバーに入っていただいたり、北九州市内で他のテイクアウトまとめサイトを作られている方との交流が生まれたりと、このサービスをきっかけとして、多くの人の善意に触れられています。

人を助けるために始めたことではありますが、まさに「天は自ら助くる者を助く」なのだと、しみじみと感じています。

このサービスを運営するにあたっての根本的な想いなどについては、また改めて綴ることが出来ればと思いますが、長くなってきましたので今日はこの辺りで。

いただいたサポートは、地域の課題をITの力で解決するITコミュニティ「Code for Kitakysuhu」の活動や、北九州市内のテイクアウト情報を提供するサービス「北九州テイクアウトマップ」の運営に充てさせていただきます。