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自己肯定感の落とし穴

はじめに  -  ご覧いただきありがとうございます。今回は私達が普段あたり前のように使っている自己肯定感という言葉の裏に隠された秘密を、タイトルの通り、「自己肯定感の落とし穴」というテーマで語らせていただきます。

そもそも自己肯定感とは?

まずは辞書で引いてみたいと思います。辞書によると自己肯定感とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉、と書いてあります。

そしてこの言葉は世間一般的に良い感情と認識されており、自己肯定感を持てと周囲の人からアドバイスを受けることも、よくあるかと思います。自分で自分を積極的に肯定することで、自信が持てるような気がしてくるのも確かでしょう。ではなぜ今回落とし穴という表現をしたのか?その核心に迫りたいと思います。

自己肯定、その自信はどこからくるのか?

察しの良い方はもうお気づきかもしれませんが、自分を肯定するには、当然その根拠となる、エネルギー源が必要になってきます。ここで多くの人は過去の経験から根拠を作りだしたり、今の情況に対して「今回はたまたまダメだったけど次は何とかなる」などの根拠をエネルギー源に使い、自分を肯定しようとします。

それの何がだめなの?と思われる方もいるかと思いますので、ここは少し言葉を変えて他者肯定感という言葉で考えてみると分かりやすくなります。

他者肯定、つまり相手を積極的に肯定する感情です、例えば何かに悩んでいたり、問題を抱えている人がいたとして、その人に対して「今のままでも大丈夫だと思う!自信もって!」や「私もできたからあなたにもできるよ!」などと励まされたとしたらどう感じるでしょうか?そしてそれを言われた人はその言葉で問題を解決することが、果たしてできるでしょうか?

おそらくは無理でしょう、なぜならそこに明確な根拠がない。そう、これが落とし穴です。自己肯定感には自分を肯定する明確な根拠が存在しないのです。

言い換えるならそれは、今を見ているようで見ていない。

誤解のないよう申し添えておきますが、今現在、目の前の課題に対して自信を持って取り組んでいる人はこれに含まれません。ではこれからはどういった言葉を使えばよいのか?

一つ聞きなれないであろう言葉をご紹介します、その言葉は自己受容です。この言葉は、出来ない自分ごと受け入れようとする感情であり、受け入れたうえでこれからどうすればよいのかを、前向きに考えようとする感情です。

例をあげるとすれば、スポーツの試合などで負けてしまったとして「今日は体調が悪かったから負けてしまった、次はきっと勝てるはずだ」と考えるのは自己肯定感からくる感情です、それに対し「今回は負けてしまった、次の試合に向けて今からできることを考えよう」と考えるのが自己受容からくる感情になります。

このように一度現実を受け入れたうえで、目の前の課題に取り組もうとするのが自己受容となります。今の自分に何ができて何ができないのかを考える、それはポジティブな諦めともいえるかもしれません。

そして自己受容はやがて他者受容につながっていきます。そうなったとき、あなたの言葉は多くの人に力を与えることでしょう。


おわりに  -  私は自己受容ができるようになってからというもの、目の前の課題に対して100%のエネルギーを使い向き合うことができるようになりました。

皆さんもこれからは自己肯定ではなく自己受容を目指してはみませんか?

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