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not music but music

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音楽を周辺から見てみよう。音楽にこだわり過ぎなくても良いかもしれない。音楽は好きだけど、時々嫌いになりそうになる。いや、もう少し音楽を広くしよう。そういう集合体を作りたくて、この… もっと読む
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2021年1月の記事一覧

その15 コロナ禍に

その15 コロナ禍に

 何か読みたくなって積読している小説をめくり始めても、「でもこの世界にコロナはないんだよな」と思うと何となく読み進められずにいる。震災の後もそうだった。
 だけど先日手に取った『パディントンのにわつくり』(マイケル・ボンド、R.W.アリー)は予想外にするする読めて胸がいっぱいになってしまった。パディントンが愛らし過ぎて、ブラウンさんの家の庭が素敵過ぎて、人々が素朴で優しくて。読み終わって、パディン

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Not music but music, so strange but pop

Not music but music, so strange but pop

ペレアスとメリザンド。メーテルリンクとドビュッシー。関係は必ずしも良好的とは言えない。しかし、それであっても流麗な旋律は物語が紡ぐ悲劇を一層感情豊かに膨らませることに成功している。しかし「今は小声で話さないといけない」。だからこそ通奏のあわいを縫って時に溢れ出る起伏は我々を十分に揺さぶるのだ。今でも!

さて、このあわいというのはなぜ我々を揺さぶるのか。杉本博司の”Theaters”は、あらゆる映

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