〜ば、〜なら 【JLPT N4/N3】
<生徒からの質問>
TRYN3問題より
Q「急げば、次の電車に乗れますよ」「急ぐなら、次の電車に乗れますよ」 どちらが正しい?
TRYN3の教科書に出てくる問題
<答え> 急げば、次の電車に乗れますよ。
<TRYN3教科書の説明>
「〜なら、・・」は、「〜の場合は」と限定して、アドバイスをしたり申し出をしたりする時に使う。
という説明なので、生徒からは「次の電車に乗れますよ」はアドバイスではないか、「急ぐなら」が正解ではないかということだった。
確かに、アドバイスっぽい(この質問はほぼ来ると予想していたが)
Step 1. まず、文型の機能面から整理して教えることにした。
アドバイスならN4文型「〜たほうがいい」、申し出(提案)ならN4文型「〜るといい」となる。
<生徒と一緒に作った例文>
・ 急ぐなら、タクシーで 行った方がいいですよ。(アドバイス)
・ 急ぐなら、タクシーで 行くといいですよ。(提案)
であるなら、「次の電車に乗れますよ」はアドバイスや申し出の形ではない。
Step 2. 「〜ば、〜」文型の意味
急げば(条件) → 乗れる(希望、望ましい)
・薬を飲めば、病気は治ります。
・たくさん勉強すれば、日本語が上手になります。
・希望を実現するために必要な条件をいうときに使うことが多い。(TRYN4)
・後件(後ろの文)は判断を表す表現が多い。(レベルアップ日本語文法)判断:だ、です、だろう、と思う、はずだ、かもしれない etc.
理解できているか確認するため、生徒に例文を作ってもらった。
・ たくさん話す練習をすれば、日本語がペラペラになります。
・ もっと漢字を勉強すれば、日本のマンガが読める。
・ 明日9時に電話すれば、ジョンさんと話せると思います。
・ 日本に行けば、日本人の友達がたくさんできるはず。
💡 今回の対応Point
文型の機能で頭を整理した
・アドバイス:〜たほうがいい/ないほうがいい
・提案:〜るといい
今回は、選択問題で限定的な「ば」「なら」の違いの質問だったので、これで生徒への説明を終わらせた。
「ば」と「たら」はどうなの?という突っ込んだ質問もくる可能性があるので、仮定表現「ば」「なら」「たら」「と」は、必ず説明できるように授業準備しておく必要がある。
<準備のための参考文献>
「日本語表現文型辞典」「日本語文法ハンドブック」「初級日本語文法と教え方のポイント」など。今回の生徒からの質問には「レベルアップ日本語文法」の解説が似たような例文も示されていて、個人的には一番参考になった。
<実際に教える際に使える教科書>
仮定表現文型の違いを整理して教えるには「初級日本語文法総まとめポイント20」「レベルアップ日本語文法」が練習問題もあって良い。
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