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助詞 「で・に・へ」の違い 【JLPT N5】

自分の周りの日本語学習者に「日本語の何が難しいか」尋ねると、多くの学生が次の3つを挙げる。

1 助詞 
2 漢字 
3 敬語

助詞は、日本語が後置詞であるのに対して、英語では前置詞のため学生には厄介である。例えば、こんな感じ

名詞+助詞 → 学校で 勉強する⭕️ 助詞を名詞の後ろに置く(後置詞)
助詞+名詞 → で学校 勉強する❌ 
英語ではat school として、school の前に置く(前置詞)

この助詞の使い方で、日本語学習の初級者が最初に難しさを感じるのは《所の助詞》「で・に・へ」の違いである。

どのようにシンプルにわかりやすく学生に教えるか。その答えは、言葉で説明するよりも下の絵のようにイメージを使うといい。

スクリーンショット 2020-07-24 午後2.16.01

1 動きがない→存在「に」
  例:Aさんは学校います。日本に住んでいます。

2 動きがある→場所「で」
  例:Aさんは学校勉強しています。踊っています。

3 移動する→方向「へ」 
  例:Aさんは学校行きます。日本へ帰ります。

<留意>
・到着点「に」、方向「へ」のどちらを用いるかは使用教科書による
・例文は生徒の学習段階に応じて変える必要あり

要するに、「どの助詞を選ぶかは文末の動詞で決まることをイメージで教えるのが大切だ。

このイメージを意識するようになったのは、自分の英語学習経験によるものでもある。例えば、「バスに乗っている」は英語で何というか。 I'm on the bus / I'm in the bus どちらが正しいか?前置詞の選び方にいつも戸惑っていたが、次のようなイメージですぐに理解できて迷わなくなった。

乗り物の中で移動できる、動き回れる →  ON(飛行機、電車など)
乗り物の中で移動できない、中にいる     →  IN (乗用車、タクシーなど)

つまり、 I'm on the bus が正解となる。
文脈で変わる可能性もあるが、基本はこういった違いで説明できる。

このような自身の経験からも、日本語学習者にも「語の持つイメージ」を意識して教えるようにしている。

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