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一日一句【菜根譚】#16『心付降魔邪、気平慑外横』自己制御について

「心付降魔邪、気平慑外横」は、明代の洪応明の「菜根譚」にある言葉です。修身養性や処世術に関する智慧の箴言です。

「心付降魔邪」は、「心を魔に委ねて降伏させる」という意味です。つまり、心を強く持つことで、外からの邪悪なものを打ち負かすことができるということです。

「気平慑外横」は、「気分を平和に保つことで、外からの横暴を威圧する」という意味です。つまり、心を穏やかに保つことで、外からの暴力や横暴を抑えることができるということです。

この二つの言葉の核心的な考えは、外からの邪悪なものや横暴なものを打ち負かすためには、まず自分の内面を強くする必要があるということです。内面が強ければ、外からの侵害に耐えることができます。

現実の生活においても、私たちは様々な困難や挑戦に直面します。これらの困難や挑戦は、外からの邪悪なものや横暴なものと同じように、私たちを苦しめ、悩ませるものです。もし、私たちが自分の内面を強くすることができなければ、これらの困難や挑戦によって打ち負かされてしまいます。

したがって、私たちは自分の感情をコントロールし、心を強く持つようにする必要があります。そうすれば、あらゆる困難や挑戦を乗り越え、成功を収めることができるでしょう。

具体的には、この二つの言葉は以下のように理解することができます。

  • 「心付降魔邪」:この言葉は、心志(意志力)の重要性を強調しています。心志が強くなければ、あらゆる邪悪なものを打ち負かすことはできません。邪悪なものとは、外的なものと内的なものの両方があります。外的な邪悪なものには、貪欲、嗔恚、愚痴などがあります。内的な邪悪なものには、恐怖、不安、悲しみなどがあります。これらの邪悪なものを打ち負かすためには、強い意志力が必要です。

嗔恚(しんい)は、仏教の三毒(貪瞋痴)の一つで、自分の心に逆らうものに対する怒りと恨みの気持ちを表します。読み方は「しんい」または「しんに」です。
「嗔」は「怒り」を意味する漢字で、「恚」は「恨み」を意味する漢字です。つまり、「嗔恚」は「怒りと恨み」という意味になります。
具体的には、自分の欲求や希望がかなえられないことや、自分の考えや価値観を否定されたときなどに、嗔恚の感情が生まれます。嗔恚の感情にとらわれると、冷静な判断ができなくなり、衝動的な行動をとってしまうことがあります。

  • 「気平慑外横」:この言葉は、気勢(威圧感)の重要性を強調しています。気勢が平和でなければ、あらゆる外横を威圧することはできません。外横とは、外的なものと内的なものの両方があります。外的な外横には、横暴、いじめ、暴力などがあります。内的な外横には、自卑、自負、傲慢などがあります。これらの外横を威圧するには、平和な心が必要です。

したがって、私たちは自分の感情をコントロールし、心を強く持ち、気勢を高めるようにする必要があります。そうすれば、あらゆる困難や挑戦を乗り越え、成功を収めることができるでしょう。

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