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196.カレーの玉ねぎ1個は包丁何回で切れるのか? 問題

今月、いよいよ今年の新刊が発売される。
『スパイスカレーの基本』水野仁輔著(PIE International)

https://www.amazon.co.jp/dp/4756256317

サブタイトルにはこうある。
「いちばんおいしい玉ねぎ使いのポイント&テクニック」

読者に共通する“いちばん”は存在しないのだけれど、“自分のいちばん”にたどり着いていただくために、現時点で玉ねぎについて表現できることはできる限り詰め込んだ1冊だ。
内容は折を見ておいおい紹介するが、肝となるメッセージは切り方と炒め方について、従来とは違う見解を発表した。

玉ねぎは大きく切った方が玉ねぎ自体のうま味や甘み、風味を抽出しやすい。

すなわち、玉ねぎは細かく切らない方がおいしくなる。という考え方になる。これで、みじん切りやスライスに大変な思いをしていた作り手を解放できそうだ。

本書でメインにしている切り方は、大きく3通り。

●くし形切り:包丁を入れる数:7回

●2センチ厚切り:包丁を入れる数:11回

●3センチ角切り:包丁を入れる数:11回

くし形切りは、たった7回包丁を入れるだけでよい。2センチ厚切りと3センチ角切りだって11回で済む。とっても楽で、おいしいのだから、すばらしい。
これがオススメの切り方ではあるが、他の切り方も紹介している。それぞれにできあがる味わいが変わるからだ。どれが好きかは読者が自分で選べばいいと思う。せっかくだから、本書で紹介している別の切り方について、実際に自分の包丁で切ってみて、何回包丁を入れた(包丁を持つ手を上下した)かを数えてみた。玉ねぎ中1個(250g)をいくつも準備し、次々と切り方を変えて実施する。

本書に登場する他の切り方(包丁を入れる回数)
・    繊維に沿ってスライス:131回

・    粗みじん切り:49回

・    繊維に垂直にスライス:139回

・    厚切りハーフスライス:39回

・    みじん切り:111回

・    八つ割:4回

・    1センチ角切り:35回

・    すりおろし:0回

あ~、楽しかった!
スライスやみじん切りは、玉ねぎ1個を切るのに100回以上手を動かさねばならない。ということは、大きく切るときの10倍の作業が必要になるから大変だし、変な話だけれど、指を切るリスクも10倍になる。だったら、大きく切りましょうか。

この包丁を入れる回数は、本書の中でも紹介している。ちなみにプロの校閲さんが隅から隅までチェックしてくれているのだが、その方からこのページについてツッコミが入った。
「みじん切りよりもスライスの方が包丁の回数が多くなっていますが、この数で大丈夫ですか?」
まあ、どのくらい薄切りするかによるのだけれど、僕がこの実験をするときにスライスについてはちょっとムキになって必死で包丁を動かしていた可能性がある。みなさんも、実際にやってみてほしい。スライスで100回以上包丁が動けば、なかなかの薄切りになると思う。

最後にちょっとだけまじめな話をすると、玉ねぎを野菜と捉えるかスパイスと捉えるかによって切り方は変わる。野菜と捉えてうま味をベースにしたいときには大きく切る方がいい。スパイスと捉えて香味を立てたかったら細かく切った方がいい。
だから、結局、どうしたいのかによって最適な切り方は変わるのだ。本書で今まで以上に玉ねぎと真剣に向き合う人が増えてくれたら楽しいなぁ、と思う。

https://airspice.stores.jp/items/56c55f93bfe24cdf180000c2


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