にんにく1片トリミング

10. にんにくとしょうがの1片とはどのサイズなのか? 問題

レシピを書くときにいつも引っかかっていることがあります。「にんにく 1片」、「しょうが 1片」という材料表記についてです。これ、なんでしょうね……。なんとなく料理業界の慣習のようになっているから何気なく使っているのですが、自分で書いていて疑問です。そもそもこれはどう読めばいいのか。僕は「ひとかけ」と読んでますが、「いっぺん」とも読める。「ひとかけ」は「ひと欠け」のことですから、本来は、「かけ」は、「片」ではなく「欠」が正しいみたい。でも、「いっぺん」を変換すると「一片」と出る。それなら「1片」の正しい読み方は、「いっぺん」のほうかもしれない。ちなみに「かけら」で変換したら「欠片」と出る。じゃあ「ひとかけ」は「一欠」と書くべきなのか。ああ、ややこしい。

にんにくの場合、ひと玉が6~7片(粒)に分かれます。この「ひと玉」も難解。「ひと株」とか「ひと房」とかいろいろと読み方がありそう。「にんにく一個」と言う場合もある。友達のにんにく農家、種子にんにく農園の種子くんにたずねたら、こんな回答でした。

*** 畑ににんにくがある状態だと「にんにく10本抜いてくる!」という感じなので、土に埋まって茎がついている状態だと「1本、2本」という数え方をします ***

なるほど、農家の感覚からすれば、にんにくの数え方は、「1本、2本」なのか! 面白い。脱線しました。そんなことよりも謎なのは、そのサイズです。1片のサイズを説明するのによく使われるのは、「親指1関節分」という表現。これが一番わかりやすいのかな。でも、親指の大きさって人によって違います。男性と女性でも違うし、大人と子供でも違う。いったい、どうしたらいいんでしょうか。

たとえば、写真を見てください。大きめの1片だとまるまる太っていて力士の親指1関節分くらいありそう。でも小さめの1片だとかわいらしくて、子供の親指1関節分程度。それぞれ重さを量ってみたら、大1片が12g、小1片が6gでした。ということは、中1片は9gってこと? それともキリが悪いから、「にんにく1片は、10gである」ということにでもしましょうか(笑)。

ちなみにしょうがを同じ重さになるように切ってみました。並べてみると、にんにくよりもしょうがのほうが少し小さい。これは、しょうがのほうが水分を多く含んでいるからなんだと思います。ハウス食品サイトのFAQにはこんな表記があります。

Q.レシピに出てくる「1かけ」とはチューブ製品で、どれくらいを目安にすればよいですか。

A.にんにく……小さじ1杯(約5~6g) しょうが……大さじ1杯(約15~17g)

にんにくとしょうがでは同じ1片でも分量が3倍違うんですね。感覚的にはちょっとわかるような気もします。にんにくとしょうがを同じ分量で使ったら、にんにくのほうが風味が強い印象がある。もう、“決め”の問題ですね。じゃ、僕はこれからどうしようかな。にんにくとしょうがを同じ程度の風味でカレーに使いたい場合、「にんにく 小1片(6g)、しょうが 大1片(12g)」ということにでもしましょうか。ひとまず、これを“水野基準”ということにしておきます。

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