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163.カレーを作るのにベストな鍋はどれなのか? 問題 ~ハンズオフカレー編~

カレーに使う鍋を12種類準備し、ハンズオフカレーを通して、どの鍋にどんな特徴があるのかを調べてみた。3日に分けて実験した結果を簡単に整理してみたい。

A.土鍋
B.銅鍋
C.ガラス鍋
D.ほうろう鍋
E.ルクルーゼ(仕上がり:912g)
F.ティファール(仕上がり:883g)
G.アルミ(仕上がり:741g)
H.圧力鍋(仕上がり:1,163g)
I.アルミ(無水鍋)
J.アルミ合金(New水野鍋)
K.鋳鉄
L.ステンレス

【材料】
油 45g
玉ねぎ(くし形切り) 260g
GGペースト 27.5g
トマトピューレ 45g
スパイス(W・S) 20g
塩 7.5g
鶏もも肉(ひと口大) 425g
水 300g

※鍋に投入した材料の総合計1,130g

【作り方】
油から水まで順番に鍋に入れて蓋をして点火、中火。
10分 A&D グツグツ沸いている。B&C グツグツ沸いているが、肉が少し白っぽい。
20分 全ての鍋がグラグラ沸いている
30分 火を止めて鍋中の重量を計測

A. 土鍋(仕上がり:836g 火を止めてからフツフツがおさまるまで、8分間)
・ 鍋底にこびりつきあり。
・ 鍋中の対流が深みを生んでいる? 
・ キャラメル感(焙煎感)あり。好みによるが焦げ臭として苦手に思う人もいそう。
・ 温かく、肉がほろほろ。
・ 玉ねぎがトロトロ。
・ 他の鍋ほどすっきりした味わいを感じない。

B. 銅鍋(仕上がり:841g 火を止めてからフツフツがおさまるまで、1分間)
・ 鍋底がきれい(全く焦げ付いていない)
・ 塩味はっきりしていてメリハリのある味
・ 味が濃い。
・ 一番おいしい。→投票結果も6人中6人が銅鍋。

C. ガラス鍋(仕上がり:898g 火を止めてからフツフツがおさまるまで、3.5分間)
・ 鍋底に焦げ付きありだが、焦げ臭や焦げ味はしない。
・ 濃縮感が足りない(密閉性が高いから?)
・ 玉ねぎがシャキッとしている。

D. ほうろう鍋(仕上がり:887g 火を止めてからフツフツがおさまるまで、8分間)
・ 鍋底の焦げ付きがほんのりあり。
・ 味がさっぱりしている。特徴(印象)が弱い。
・ 他と比較すると味が少し薄く感じる。もう少し煮詰めたい。

E. ルクルーゼ(仕上がり:912g)
・ とろみがある
・ シナモンが強い
・ 出汁のうま味を感じる

F. ティファール(仕上がり:883g)
・ シナモンが強い
・ 肉の食感がいい
・ 普通にカレーとして成立している
・ 玉ねぎの食感がほのかに残っている

G. アルミ(仕上がり:741g)
・ 最も乳化が進んでいる印象
・ 濃縮されていて味が強い
・ 味が濃い
・ 意外と肉が軟らかい

H. 圧力鍋(仕上がり:1,163g)
・ 塩味が足りていない
・ スープっぽい
・ 離乳食レベルの肉の軟らかさ
・ スパイス感が弱い
・ 出汁のうま味が強い

I. アルミ(無水鍋):880g……特筆すべき特徴なし。

J. アルミ合金(New水野鍋):897g……特筆すべき特徴なし。

K. 鋳鉄:1043g……ソースのシャバシャバで玉ねぎのシャリシャリ感が突出している。肉の味が薄い。

L. ステンレス:876g……肉に旨味か残っている。鍋の温度上昇が早く、肉の味が溶け出る前に加熱されたためではないか。

鍋ごとに特徴があるから、それを踏まえて作るのがいい。みたいなつまらない結論になってしまう。どうしても、こういう実験の場合は仕方がないかもしれない。
大事なのは、道具を知ってチューニングする行為だと思う。レシピは目安にすぎない。自分の鍋で自分の熱源でそのレシピを実践したときに何がどうなるのか。じゃあ、次に作るときにはどう修正したらいいのか。それができれば、どの鍋を使ってもカレーはおいしくなると思う。
僕なりにチューニングをする前提で、今回の実験を通して個人的に評価が高かったトップ3は順不同で、鋳鉄、銅鍋、アルミ無水鍋だった。共通点は、どれも値段が高いことかな……。これらを使ったカレー作りはしばらくはまりそうだなぁ。

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