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138.紅茶で煮込んだらカレーはおいしくなるのか? 問題

何年前のことだったか、茶葉を摘みにインド・ダージリンへ行ったことがある。現地で手に入れた茶葉で紅茶を煮出し、水の代わりに使ってチキンカレーを作ったらなんともおいしかった。現地にそんな方法があると聞いたことはない。チャナマサラなどのときに豆を紅茶で煮るというのは聞いたことがあるが、ティーチキンカレーなるものは、完全に僕の勝手なお遊びクッキングだった。せっかくダージリンで茶葉を摘んだのだから、と。それがうまい。
なんというか、ジャポニカ米に合わせたいカレーだった。ご飯がすすむインド風ジャパニーズオリジナルカレーといった感じ。あれをふと思い出し、もう一度やってみることにした。
調べたいことはふたつ。紅茶で煮るカレーは本当においしかったかどうか。紅茶以外のお茶で作ってもカレーはおいしくなるのかどうか。

準備したお茶は、「紅茶・八女緑茶・凍頂烏龍茶・京番茶・加賀ほうじ茶・桑茶・プーアール茶・晩茶」の8種類。発酵や焙煎具合い、フレーバーの違いがなるべくわかるように選んだ。以下のレシピで割とスタンダードなチキンカレーを作る。水の部分を100パーセントお茶に変えた。

■ティーチキンカレー
【材料・3~4人分】
油 大さじ3
にんにく(みじん切り) 1片(10g)
しょうが(みじん切り) 1片(15g)
玉ねぎ(くし形切り) 1個(250g)
トマトピューレ 大さじ2
鶏もも肉 400g
茶(各種) 300ml
パウダースパイス 大さじ2.5(12g)
塩 小さじ1(5g)

【作り方】
1. 鍋に玉ねぎと塩を加えて蒸し焼き~蒸し煮にする。少々の水(分量外)を加えてもいい。ほんのりキツネ色になったらトマトピューレを加える。
2. 別鍋で油とにんにくとしょうがを炒め、たぬき色になったらパウダースパイスを加えて香ばしくなるまで炒める。1に合わせてカレーベースを作っておく。
3. 空いた鍋でお茶を煮出す。お茶をその茶葉に適した形で煮出す。茶葉は取り出す。分量のお茶に鶏肉を加えて3分ほど煮る。
4. カレーベースを加えて12分ほど煮る。

同時進行でいくつかのティーカレーを作ったため、作り方がややこしくなっているが、簡単にいえば、材料を表記の上から順に加えて加熱していけばいい。8種類のカレーができあがった。試食の結果、明らかにおいしいと感じたのは、紅茶だけだった。他のお茶も好き嫌いは分かれそうだが、茶の量を減らし、その分、水を加えるなどすればおいしくできることが確認できた。意外とお茶とカレーは合うのだ。新しいカレーの姿が見えそうな気がした。ただし、発酵系のお茶の方が相性がよく、燻製・焙煎香が強いと合わせにくいのかもしれない。

4~5人で試食をしたので感想のまとめも記しておく。

・ 紅茶……エリート、バランス型。人気No.1
・ 八女緑茶……苦い。
・ 凍頂烏龍茶……後味若干のエグ味、さっぱりする。
・ 京番茶……強烈な燻製香 最後まで戦いをやめない激闘型、美味しくなるだろうけど着地点がカレーじゃなくなりそう。
・ 加賀ほうじ茶……京番茶よりマイルドで非常に合う。
・ 桑茶……非常に食べやすくまろみがあり、桑茶の味も残る。
・ プーアール茶……悪くはない、深みがある。ちょっと重くなりすぎる。ずっと食べてると飽きる。
・ 晩茶……美味しいけど個性派。

なぜ紅茶が圧倒的においしくなるんだろうか。紅茶の専門家と話してみたい。次はうすーく淹れたコーヒーでもやってみようかなぁ。

  


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