それでも【フォトン】に〈ニビル〉を入れたいわけ、他実戦レポ

幸運にも、10回ぐらい対人で【フォトン】を回す機会を得たので雑感をまとめてみたいと思う。
今まで試せていなかった部分があったので、大変有意義な時間だった。
つまるところ、この記事は交流会での実戦レポ的なそれである。
まだ〈フォトン・ジャンパー〉登場前ということもあり、旧構築での体感ではあるが、今後に通じるところはあると思う。
お礼のメッセージ以外は全文無料なので【フォトン】使いの方は是非見てほしい。

構築

〈最後の希望〉・〈フォトン・ジャンパー〉登場前ということもあり、大体こんな感じの構築だったと思う。

スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI

○先攻制圧は返せない

先攻での妨害形成に特化したようなデッキタイプと遭遇した際、しっかり盤面を形成されてターンを返されると、やはり盤面を返すのは難しかったのを痛感した。
大体のフォトンモンスターは「「フォトン」がいるときに特殊召喚できる」のようなss条件で手札から展開できるものが多く、
豊富な妨害で初動を潰されると〈励輝士 ヴェルズビュート〉の召喚さえ難しい。さらに妨害に除外が絡んでくると〈銀河の召喚師〉の墓地から釣り上げる対象にも困ってしまうのでかなり苦戦を強いられることになる。
実際ダークロウ(やカレイドハート)のような永続除外効果持ちが相手の盤面に立てられてしまった場合、初動に絡む〈銀河百式〉・〈銀河戦士〉・〈フォトン・オービタル〉が機能不全に陥る※ため、手詰まりになってしまったこともあった。
※銀河百式は墓地肥やし、残りの2枚に至っては「墓地に送って発動」なので効果の発動すらできない。

捲り札、または相手の展開を阻害する誘発がもっと厚く必要に感じた。
しかし、逆にある種の光明も見えてきた。
そう。マスターデュエル勢にもおなじみのこの岩である。

原始生命態ニビル

スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI

もともと採用していたカードだが、使用感としては手応えを感じるものだった。
一応効果を再確認してみよう。

▶︎〈原始生命態ニビル〉☆11
名称ターン1で、相手が5体以上のモンスターをns・ssしたターンの自分・相手のメインフェイズに発動し、自分・相手フィールドの表側表示モンスターを可能な限りリリースしてこのカードを手札からss。その後、相手フィールドに「原始生命態トークン」をssする効果。
※トークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。

言わずとしれた対モンスター最強盤面破壊カード。
いわゆる「強い」といわれるデッキでは、5体目までにモンスター効果無効効果持ちモンスターを展開するなどの動き(いわゆる「ニビルケア」)が可能なことが多く、このカードですら通用しないことも多い。

しかし実のところ、「ニビルケア」というのは「5体目までにモンスター効果無効効果持ちモンスターを出してからさらに展開する」くらいのラインであることが多く、逆に言えばその「モンスター効果を無効にするカード」に対してこちらが手札誘発を投げて効果を無効にすることで、たとえ「ニビルケア」展開をされていたとしても〈ニビル〉を通すことは不可能ではない
例えば、5体目までに〈フルール・ド・バロネス〉がシンクロされる先攻展開をされたとしても、5体目が召喚された時点であらかじめ〈エフェクト・ヴェーラー〉を投げておけば、相手のバロネスの無効破壊効果はニビルに対して打つことができず、結果的に次の「モンスター効果無効効果持ちモンスター」が立つ直前までに〈ニビル〉を投げる猶予が生まれる。

ここからが本題である。
実は【フォトン】デッキにおいて〈ニビル〉が通った時の恩恵は凄まじく、
・相手の場に攻撃表示のモンスタートークンがssされる→残光竜素材の〈No.62 銀河眼の光子龍皇〉・〈CNo.62 超銀河眼の光子龍皇〉で攻撃する「的」にできる上、たとえ高攻撃力すぎても〈輝光子パラディオス〉で攻撃力を0にできるし、またトークンであるため〈銀河眼の光子竜〉戦闘時効果で完全に消し去ることもできる。

・自分の場に攻撃力2000以上の光属性モンスターがssされる→そのまま〈ソルフレア〉の素材にすることもできるし、〈銀河の召喚師〉の効果でニビルのレベルを4に変動させる(ニビルは光属性)ことによってすぐにでもアクセスしたい〈銀河光子竜〉や先述の〈パラディオス〉も立てられる。

・〈ニビル〉がssされるのが大抵相手ターンのため、発動ターン中「フォトン」「ギャラクシー」縛りの発生する〈銀河天翔〉の制約に引っかからない今回の構築では採用していないが

・そもそもニビルの打点が3000あるので単純に強い。

と、良いことずくめである。デメリットとしては自分のターンが回ってきた際にすでに場にニビルが存在するので〈フォトン・スラッシャー〉が出せないくらいか。
自分の構築では制限カードであるところの〈増援〉でのサーチ先の一つという考えでスラッシャーは1枚の採用なのでデメリットはほぼないに等しい(手札に余ったスラッシャーはニビルの代わりに銀河戦士のコストにできるので)
実際にニビルを打ったデュエルでは召喚師+ニビル(☆4)=〈銀河光子竜〉から動くシーンもあった。

仮に相手がモンスターの展開を4体で止めてきて〈原始生命態ニビル〉が発動できない場合や〈召命の神弓-アポロウーサ〉のような効果無効で受け流された時は(ニビルは手札で発動する効果なので)、〈ニビル〉は手札に残ることになる。
手札を1枚公開するだけで1妨害削れるのも大きいが、このデッキでは高頻度で展開中に〈銀河戦士〉に触るため、手札コストにすれば手札で腐り続けることもない。
そもそも〈銀河百式〉+〈ニビル〉(銀河戦士ssコスト用の光属性モンスター)を持っていたら〈フォトン・ジャンパー〉登場後はそれだけでワンショット圏内に入る。
〈銀河百式〉+手札コストでワンショットについての展開ルートは過去記事の展開1を参照してほしい↓
https://note.com/airplay_yp/n/n6e0c50ff5dd5

では仮に手札の〈ニビル〉が効果を無効にされるだけでなく破壊・除外・デッキバウンスされてしまう場合はどうだろうか?
この場合においても、相手の妨害にかかるコストが必要ならば(発動コストが潤沢にあり実質ノーコストなどでなければ)相手のリソースを削ぐために使ってしまっても良いと考えている。
極論を言えば自分のターンにニビルは手札コスト以上の働きを(滅多に)しないので、そのカードと相手の妨害1回を交換できるならそれ以上の働きをしていることになると言える。

効果成立の可否問わず、最初の手札に来た時のリターンが大きい(ただし相手の制圧展開完了後にドローしても手札コスト以上の働きはまずしないが……)ので
【フォトン】使いの方々には是非試してもらいたい1枚だと感じた。

○〈銀河百式〉の相手のEXデッキのNo.モンスター奪取効果が案外強かった

実質おまけのような効果であまり期待していなかったが、実戦では〈No.76 諧調光師グラディエール〉・〈No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー〉のようなそこそこ打点のあるカードを奪ったりした。特に〈No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー〉はX素材がなくても魔法無効効果を発動できたのが強かった。
〈タイタニックギャラクシー〉はランク8帯でも採用率が高めではあるし、先攻展開する型の【フォトン】であれば相手のデッキタイプの確認がてら妨害を増やせる可能性もあるので積極的に狙いにいっても良いかもしれない。

○〈センサー万別〉(〈群雄割拠〉にもだが)に弱かった

理不尽永続罠カード。このデッキは光属性統一なので〈御前試合〉は刺さらないが他の種族縛り系永続罠があると一生展開できない
この手のカードを開かれた瞬間全てが終わるので何らかの対策カードは欲しいと思ったが、この辺りは本来サイドデッキで対策するべきなのかなぁとも思った。
メイン戦だったらすでに表にされているカードを割れない〈ギャラクシー・サイクロン〉よりもメイン前魔封じに対応できる〈コズミック・サイクロン〉〈ツインツイスター〉のほうが強そう。
(〈ギャラクシー・サイクロン〉は〈フォトン・ジャンパー〉の墓地効果経由などでサーチ可能だが、サーチ先を見てから永続を表にされると割れなくなってしまうため)
もし〈ツインツイスター〉を相手の場に伏せカードがある状態で使う際、コストをケチって迂闊に〈フォトン・エンペラー〉や〈フォトン・ジャンパー〉を手札コストにすると破壊対象になっていた〈墓穴の指名者〉で飛ばされてしまうという最悪の状況が発生しうるのであまりしない方が良いと思われる。
(〈フォトン・ジャンパー〉に至っては墓地効果発動前にビーステッドなどに除外されたりしてサーチ効果を潰される可能性すらある)
他にいいカードは……〈エキセントリック・デーモン〉……?

スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI

○手札消費が激しい

これはもしかしたら自分が過剰な展開を狙っているだけなのかもしれないが、手札がかなりの速さで消えていくのを体感した。サーチした先から展開に使ってしまうので手札がすぐ無くなる。後攻ワンショットを狙っているデッキである以上当たり前なのかもしれないが……。
〈増殖するG〉を「地属性だから」と言う理由づけをしつつケチっていた面もあって採用していなかったのだが、【フォトン】は手札が手数になるタイプのデッキだと思うので素直に採用したほうが良さそう。相手の盤面を弱くできる可能性が高く、相手の手札に〈墓穴の指名者〉があるかもチェックできるので……。

○先攻を取らされた場合どうするか

これは1度発生したので全力で〈サイバー・ドラゴン・インフィニティ〉でニビルケアをしながら〈銀河光子竜〉と〈輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン〉の盤面を目指した。
成立すれば1回効果無効破壊&自分の場のすべてのモンスターが対象に取れない&効果破壊できない状況を作れるのである程度強固ではある。が、
相手があえて後攻を取るデッキの場合、こちらのモンスターを直接リリースする「壊獣」が搭載されていて一瞬で瓦解する可能性も高いのでそこまで信用はできない。
〈No.90 銀河眼の光子卿〉を積んでいる場合はそちらを出すのもいいが、〈フォトンブラスト〉と択一の状況になるのであれば〈フォトンブラスト〉の方が手広くカバーできるので、個人的には〈インフィニティ〉がいるときには〈フォトンブラスト〉を立てるのがオススメである。
対戦時はあまり考えていなかったが、〈銀河百式〉適用下で〈銀河眼の光子竜〉が展開に絡められる手札であれば〈銀河百式〉で相手のエクストラデッキを確認し、あわよくば妨害を増やしたり〈ヌメロンドラゴン〉による後攻ワンキルを瓦解させられる可能性もあるので、そちらのルートを通りつつ〈No.90 銀河眼の光子卿〉を立てるのも有効かもしれない。

末筆

対戦を通して感じたことは思い出せる限りだと大体こんな感じだった。対戦してくださった方々には感謝したい。
このnoteがこれから【フォトン】を組もうと思っているデュエリストの参考になればうれしい限りだ。

以上でこの記事は終わる。
もし【フォトン】を愛してやまないプレイヤーがこの記事を読んでいただけたのならば、もっといい採用カードを教えてもらえれば幸いである。
もしこの記事を読んで「全文無料だが頑張ったみたいだしラーメン代にでも当ててやるか」くらいの晴れやかな気持ちになったら購入してもらえるとまた何か書いてみるかもしれない。

ここから先は

28字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?