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僕のしょうもないぼやき

人生の全盛期はいつですか?と聞かれて皆さんは何と答えるだろうか。大半の人は学生時代と答えるでしょう、そう答える連中はだいたい学校の人気者か、もしくはそいつの金魚の糞だった奴らだ。

では「学生時代が人生の全盛期のはずがない」と大義名分をお持ちの同士の皆様は一体どういう学生時代を過ごしたのだろう。

僕の場合、いじられキャラとして中学、高校で苦汁をしたたか飲まされてきた。ただ、これに関しては自分からいじられキャラに回っていたというのも否めないので文句を言うつもりはない。僕が言いたいのは、いじられキャラの報われなさについてだ。


いじられキャラの報われないこと その1 「お前、一人だと面白くないな」

初っ端から大分キツい(笑)。当時これを言われてかなり傷ついた記憶がある。しかも1回にとどまらず何回も言われた。たしかに僕一人ではクラス全体を笑わせるギャグセンスがなかった。僕をイジる2人のセンスがずば抜けていた。その2人のおこぼれ的な流れで僕自身クラスから多少の人気をもらっていた。その2人から「面白くない」と言われるなら僕は異論はなかった。ただ、それ以外の、大してセンスもないくせに無茶ぶりを吹っかけてきて、優しさでカバーしてやったら「おもんな」とか、スルーしたら「ノリ悪」とかほざく奴ら。お前ら一体どこの大御所だ。

いじられキャラの報われないこと その2 「今のオレのシュート…」

某水曜日の番組で活躍するクロちゃんやナダルなどを見てもわかると思うが、いじられ芸というのは、いじる側の的確なパスといじられる側のシュートという連携で成り立っている。どちらかが外すとそれは笑いとして成立しない。

先ほどの二人は見事継続的人気を得ている。ただ学校と芸能界は違うらしい。もしくは僕の場合が異例なのかもしれない。前述したとおり、いじられ芸というのはサッカーでいうパスとシュートだ。僕は中学時代はそれが出来なかったが、高校時代には(本人曰く)学校では笑いのエキスパートで通っている友人に笑いのいろはを教えてもらい、最初の内は上手くできず、滑っていた無茶ぶりに対する返しも、時期と回数も重ねる内に、笑いへと昇華できるようになっていた!百発百中とはいかないが、自分の成長に気づいたときはとても嬉しかった!別に人気者になりたかったわけではないが少なくとも、周りからの「一人だと面白くない奴」という不名誉な印象は打ち消される!

…はずだった。

最初につけられた印象やイメージというのは、よっぽどのインパクトがないと上書きされないらしい。僕は以前に比べたら笑いの腕は上がったという自負がある。ただ、ある日、ちょっとしたくだりで笑いを取ったのだが、クラスメイトは笑いをとったのは僕ではなく、僕に無茶ぶりを仕掛けてきた例の連中の一人、T君だと認識していた。僕と彼との扱いの差を見ればそれはすぐに分かった。現に、僕のクラスでのいじりの扱いは変わらないどころか悪化していった。

反対にT君は、クラスでの発言力が増していった。これはあくまでも仮説なのだが、彼はもともとクラスでの人気が高い、俗にいう”陽キャ”であった。サッカー部に所属していた彼は以前までにどうやって人気を得ていたかは知らないが一定の支持があった。(世の中サッカー部ってだけで人気もらえんのかよ)故に、T君と僕の知名度には歴然とした差があった。そして、同級生ら大体は人気のある彼が笑いを取ったと認識した。てめぇの下手なパスでシュートした俺の点数を返せ。

このようなケースがあと2,3パターンあるが内容は似てるので割愛しよう。

いじられキャラの報われないこと その3 「卒業式」

いじられキャラとして悪戦苦闘してきた3年間の最後のイベント、卒業式にて。こんなにも苦い卒業をしたのは探してもなかなかいないのではないか。卒業式の全プログラムも終わり、最後に泣きながら校歌を歌い、レッドカーペットの上を歩き退場した後。みんな大好き、卒業アルバムの裏へのメッセージ交換。ものすごい数の女子にメッセージをせがまれる学校の人気者たちを横目に友人たちとメッセージ交換をしているなか、例の巨匠2人にメッセージ交換をしようとした。一人はもともとそういう馴れ合い染みたのが苦手だった人なので、もう一人のメッセージ交換をしていた巨匠の方に声を掛けた。

僕「K、俺にも書いてよ」             

K「え、言っとくけどお前には書かんよ?」

僕「え?」

…彼曰く、僕は彼にとってただの”クラスメイト”であり、ただの”いじられキャラ”だった。…胸の中のもやもやを口に出そうとするも言葉にならなかった。ただ、彼のその言葉が今までの中で一番鋭利で、深く心をえぐった言葉だった。僕自身、彼とうまく付き合っているつもりだっただけに、とても残念だった。お門違いかもしれないが、僕は裏切られた。

さて、いじられキャラがどういうもの、ご理解いただけだろうか。すべてのいじられキャラがこのような扱いを受けていないにしろ、きっと報われないことは多いだろう。

二度とこのような仕打ちは御免だ。涙とドブの味の苦汁はもう飲みたくない。

次回  教訓編に続く。