ディベート振り返りvol.2
二日続けて試合をしました。
1試合目は日本語/アカデミック(準備型)ディベート、
2試合目は英語/パーラメンタリー(即興型)ディベートです。
<1試合目>
論題「日本は放送法第四条を撤廃するべきである、是か非か」
否定側で行いました。
放送法第四条
↓↓
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
2 放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。
一立形式と呼ばれる試合フォーマットで行いました。
立論、第一反駁、第二反駁という3回のスピーチを行うフォーマットです。
立論…肯定側はプラン実行のメリット、否定側はプラン実行のデメリットや代替プランなどを提示する
第一反駁…相手の立論への反駁、相手からの反駁に対する返しなどを行う
第二反駁…試合を総括してなぜ自分たちが勝っているかを示す
今回は否定側の第一反駁を担当しました。
振り返り1:結論から話す
「結論を先に」というのがスピーチの基本なのですが、焦るとつい忘れてしまいますね。
思いついた順番で話してしまうと「根拠1,根拠2…,だから〇〇」となってしまいます。プレッシャーのかかる環境だからこそ「〇〇,なぜなら根拠1,根拠2…」の順番を強く意識して次の試合に臨みます!
振り返り2:資料と主張との間の溝に気づく
肯定側のメリットとして「放送の自由を守る」というものがあります。現状は放送事業が免許制になっていて、しかも放送法第四条を根拠に政府が放送内容をチェックしています。この放送内容に政府が干渉している状態は問題だということで第四条を撤廃しよう、という主張です。
ここで「第四条を撤廃しても問題は解決しない。なぜなら第四条は免許の審査項目の一部にすぎず、プラン実行後も免許制度そのものと他の審査基準は残り続けるから」という反論をしました。
その他の審査項目が残ること(=資料)と、プラン後も政府が放送に介入し続けることには開きがあります。「それらの審査項目を使って政府がどのように介入するのか」まで説明する必要がありました。
<2試合目>
Motion:
This House would introduce a sin-tax on all meat products.
立場はOpposition(否定側)、役割はReply(上でいうところの第二反駁に当たります)でした。
※パーラメンタリーディベートはイギリスの議会を模しているため慣習的に「This House」を主語にします。これは「私たちは」「一般に政府というものは」といった意味として解釈されます。
振り返り1:全て成立したと仮定してまとめる
パーラメンタリー(即興型)ディベートでは資料を使えないため、個々の争点に決着がつけられないことが多いです。そのため各争点を分析した土台でまとめを話すというよりも、全部成立したと仮定してまとめた方が良いとのことです。
振り返り2:批判的に考えるのはほどほどに
資料を使うディベートでは多角的に批判的に見ることで論題の認識を深めていきます。議論を作ったら反対の主張をしている資料を探し、できる限りの批判を加えて崩してみる。その土台でもう一度議論を作ってみて、また批判を加えてみる。。。これを繰り返すことで論題の理解が深まり、強い議論ができていきます。
ですがリサーチができず準備時間も短いパーラメンタリーディベートでは、あまり批判的な分析をしすぎると何も言えなくなってしまいます汗
パーラで重要なのは「テーマをざっと掴んで聞き手にイメージさせながら話す」といったところでしょうか。
今後
一口に「ディベート」「反論」と言っても、資料を土台に推論していく準備型ディベートとはかなり違うんですねぇ。
本当は、本質的にはどちらも同じことをしているはずなのに違いの方に目がいってしまう。まだまだ修練が足りませんね汗
どちらでも通用する、両方の良さを取り入れたディベートをできるようになりたい。
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