競技ディベートをやってみて学んだこと、そして今後の課題

ディベート?

ディベートとは、
一つのテーマに対して肯定側と否定側に分かれ、聞いている第三者を説得するゲームです。

どちらが勝ったかは聞いていた人の投票で決まります。また意外に思われるかもしれませんが、話せる時間と話す順番はすべて定められています。そのためディベートで「相手を言いくるめる」ことはルール上不可能です笑

ディベートについて詳しい説明はこちら↓

自分のディベート歴を軽く説明すると、
・大学で英語ディベートを1年弱
・社会人になって日本語ディベートを約1年
です。
ブランクもありつつ約2年間ディベートをしてきました。

大学時代は英語だったこともありさっぱり分かりませんでした汗
ディベート用語だけは理解している、という状態でした。
社会人になり、ふとしたきっかけでまたディベートを始めました。

学んだこと/身についたこと

4つあります。
・話の構成
・エビデンスの使い方
・頭の回転
・未知の分野について学ぶ力

話の構成

ディベートの論題(=テーマ)は実社会で議論されていることがらが多いです。死刑制度の廃止や最低賃金の引き上げなどです。

そのため、今何が起きていて、それがどのように引き起こされているか、、と分析していくと話が混み合ってきます。何となく話してしまうとまず伝わりません。主張Aに対して根拠が2つあって、それらの根拠それぞれにさらに一つずつ根拠がある、といった具合に整理する必要があります。

伝えようと思っている情報のうちどこまでが主張なのか、どこからが根拠なのか、あまった残りの情報は主張を伝えるうえで必要なのか、などを考えながら、情報を再構成していきます。そのプロセスを通して話を構成する力がついてきた感じています。

エビデンスの使い方

言いたいことを資料に言わせるという視点から、どの記事や論文のどこまでを引用するかを考える習慣がつきました。

2022/7/30(土)追記:もちろん、切り抜き動画やネットニュースにありがちな、元資料の文意を曲げてしまう引用はNGです! この辺はディベーターとしての倫理観・矜持が問われる部分ですね。

頭の回転

ディベートでは、制限時間内に4つ5つの争点について一気に話していきます。日常会話よりも遥かに多くの情報を短時間で処理し、かつ説明する必要があります。

最初のころは情報量が多すぎで「ひぇぇぇぇぇ」となってたんですが、試合を見渡しながら次に何を話すか考えられるようになってきました。

ディベートって脳トレやボケ防止にもなるんじゃないかな。

未知の分野について学ぶ力

個人的にはこれが一番、社会人にディベート、特に準備型ディベートを勧める理由になるんじゃないかと思っています。

ディベートの論題はほとんどの場合、自分以外の誰かが決めます。そしてその論題についてリサーチをして議論を作り、試合に臨みます。

自分の教養を広げようと知らない分野の本を読んだことありますか?
自分も経験があるのですが、
・そもそも読もうと思わない
・買ったけど読んでない
・なんとか読み切ったんだけど記憶に残ってない

となりがちです汗

ディベートは違います。
試合というアウトプットの場があるので主体的に調べるようになります。
そして反論すること・されることを念頭に置いて考えながら調べるため
理解が深くなります

学習したい分野を扱ったディベートをやってみる、というのが効果的な学び方かもしれませんね。

今後の課題

2つあります。
・論題をシステムとして捉える
・言葉に敏感になる

論題をシステムとして捉える

システムとは「複数の要素や人が関わり合いながら、一つの目的や機能を果たしている集合体」という意味合いの言葉です。

視点の置き方によって何でもシステムとなり得ます。人体は色々な臓器が関わり合いながら生命を維持しているという意味でシステムですし、プロジェクトのチームも構成員が関わり合ってゴールを目指しているという点でシステムと言えます。

「こう来ればこう返す」というイメージばかりしていて、政策前と政策後という二つのシステムを比較しているという視点が抜け落ちていました。

論理というのは伝える手段に過ぎず、重要なのは
・政策前/政策後という二つの時間軸それぞれで何が起きるのかを説明して、
・それぞれに価値判断を下すこと、
・またその結論として、自分たちが支持するシステムの方が望ましいと示すこと、
だったんだと。

上手くいかずに惨敗したことがあったのですが、その時に振り返ってみて上の視点が抜けていたと気づきました。

言葉に敏感になる

ある日の試合の後、懇親会でフィードバックをいただきました。言葉に鈍感だと、言葉にsensitiveになることで議論に強くなると。

今のところ、言葉への敏感さと議論の強さの関連がピンときている訳ではありません。ですが言葉に鈍感というのは思い当たる節がありました。今は以下の本を読んでいます。

大野晋氏『日本語練習帳』岩波新書     →完読
大野晋氏『日本語の文法を考える』岩波新書 →読み中
白川静氏『漢字百話』中公文庫BIBLIO    →読みたい。

まとめ

学んだこと/身についたこと4つ
・話の構成
・エビデンスの使い方
・頭の回転
・未知の分野について学ぶ力

今後の課題2つ
・論題をシステムとして捉える
・言葉に敏感になる


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