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【インタビュー】仕事は趣味の延長。面白いアイディアを形にし続けるエンジニアの話

Airitech 社員にスポットライトを当てることで、Airitech の社風を明らかにしていくインタビューの第二弾。今回は川上 貴傳さんに引き続き、社内外問わず活躍されている落合 雄介さんにこれまでの経歴や Airitech に入社してどんなことに取り組んでいるのかについてインタビューした。


落合さん、本日はよろしくお願いいたします。まずは落合さんのご経歴などを伺わせていただければと思います。

落合さん :
こちらこそよろしくお願いいたします。

私は東京大学大学院数理科学研究科を修士で卒業した後、新卒で1社目である前職へ入社しました。ですので、学生時代プログラミング自体は少し行っていますが、情報系の学科ではありませんでした。

前職ではビックデータ関連のプロジェクトを行っていました。データ分析そのもの、というよりもビッグデータを取り扱うためにサーバーを20 - 30台用意してクラスタ構成にして動かす、というようなインフラの構築を担当しておりました。

現在もそれに近いことはやっており、Elasticsearch を用いたログ分析基盤の構築や最近は自分で構築するだけではなく、構築したい方向けのコンサルティングなども行っています。

学生時代からプログラミングをされていたのでしょうか?

落合さん :
最初にプログラミングに触れたのは大学に入ってからでした。授業の教養課程で基礎的な講義で学んだのと、数学科だったので数値計算のプログラミングを書くということやっていました。

数学科の中ではプログラミングの講義はほぼなかったのですが、やってみて面白いなと思っていました。

授業外でのプログラミングは個人開発から始められたんでしょうか?

落合さん :
私の場合は数学科だったので「ある曲線の方程式を考えたので、それを正確に数値計算したい」というところから最初は始まりましたね。あくまで方程式を実装するためにプログラミングを学んでいたのが最初でした。

今も Airitech の仕事とは関係なくやっているんですが、学生の頃に最初に考えたのはこういうものでした。

組み立てていくと地球儀になるものなんですが、見ての通り完成形は正確な球体ではありません。そのために近似的な曲面かつ展開図が描けるものを計算して、それを平面に広げていったときに動画にあるような形になります。

これ、めちゃめちゃすごいですね!

落合さん :
りんごの皮むきみたいな曲線を数値計算して、平面に投影したときにどういう形になるかっていうのを計算するプログラムを書きたくなって。これがある意味、自分がちゃんとやった最初のプログラミングですね。

これをやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

落合さん :
なんとなく剥いたりんごの皮のような形の紙を組み立てたら球体になるんじゃないか、という思いつきからでしたね。

小学校とか中学校で立方体の展開図を習うじゃないですか。それを数学科の大学生が考えたら、じゃあ曲面の展開図は?という発想になったんです。そういうところにふと興味を持って自分で計算してみた、というのが正しいかな。

計算で大体こうすれば良い、というのはわかったんですけどそれが正しいのかは実際に作ってみないとわからなかったんです。本当に綺麗な丸になるのかを確かめたかったんですが、手作業では難しいのでプログラミングを用いて作ってみました。

山崎さんからは落合さんが TV で取材されたとか、将棋の解説を自動生成しているとか、面白いことをいろいろやられていると伺いました。

落合さん :
そうですね、これもその活動の一環ですね。他には例えば、地球儀の応用で RICHO が出している THETA っていう360度カメラがあるんですけど、それで撮影した写真を印刷したものがこちらですね。

球面の内側に印刷すればあたかも Google ストリートビューのようになるんですけど、それをやるには相当大きな球体にしなければならないので、内側と外側をひっくり返した形で作ることにしました。

実はこれの販売もやっています。

うちにレーザー加工機があるんですけど、印刷したものをカットして展開図にすることができるんですよね。

すごいの持ってますね!笑

落合さん :
たまに海外からも注文が来たりします。あとは切り絵なんかも販売してますね。

この切り絵もレーザー加工機で作っているんですけど、写真をアップロードすると切り絵のデザインに変えてくれるサイトを作って注文できるようにしています。

実は白黒の2色に変換するのって意外と面倒で、「どのレベル以上の濃さを黒くし、それ以下は白くする」のような簡単なフィルタールールだと、写真のある部分が潰れちゃったりしていい感じに調整するのが難しいんです。データで何パターンも作って、かつそのパターンも微調整もできるようにしたのがこのサイトです。ポチポチ選ぶだけでいい感じの切り絵を仕上げてくれます。

あとポイントがあって、普通の切り絵の白黒をそのままカットすると離れた部分がバラバラになっちゃうんです。そうすると動画にあるように手で持ち上げたりすることができなくなってしまいます。

そのために一つ処理を施していて、離れた部分があったら黒い細い線でつないでバラバラにならないようにするっていうことをしています。この辺がアルゴリズムの観点からは難しい部分だったりするんですけど、写真をそのまま切り絵にできますよっていうのが特徴です。

めちゃめちゃ面白いプロダクト作られてますね。こういったものを作ろうというモチベーションはどこから来ているんですか?

落合さん :
基本的には「こんなことができたら面白いな」と思いついたものをやってみるっていう、ただそれだけですね。考えたけど結局何も面白いものができずにボツになったものもたくさんあります。

山崎さんが TV に取り上げられたって言っていたのはこれですね。

これを Twitter にあげたら2万とか3万とかリツイートされて、そこから取材されたりしました。

何ですかこれ、凄すぎる……。これらは学生時代に作られたものなんですか?

落合さん :
地球儀などは学生時代のものですが、さすがに就職してから作っているものの方が多いです。これらを学生時代からやれていたら即戦力でしたね。笑

学生時代と比べると仕事で培った知識がある分、思いつきでやりやすくなりました。プログラムが書けると、こんなこともあんなこともできるなと思いつくし、やろうとできちゃうっていうのが面白いところですね。

そういう意味では仕事でやっていることも趣味の延長です。こんな風にやったら面白いことできるんじゃないかなっていうのを仕事でもやっているわけですので。

本当に仕事と趣味の垣根がなく、向き合っている先が違うだけなんですね。就職活動の時はソフトウェアの会社をみていたんですか?

落合さん :
いえ、実はそうでもなく、数学科の人は保険会社に就職することが多いので、私も最初はそういう業界を見ていました。

保険の世界では、アクチュアリーという資格を持った専門職がいて、その人が理論に基づいて計算した保険料でないと販売できないルールがあるんですよ。

その資格を取るのは難しいのですが、数学科の人にとってはとっつきやすいことから、数学科のOBOGでアクチュアリーになった方も大勢います。

ただ色々な会社を見ているうちに、ソフトウェア作る仕事の方が面白そうだなと思い始めました。プログラミングで何かを作る楽しさを、すでに実感していたということもあったので。

入社してからどうだったのでしょうか。思い出に残っていることはありますか?

落合さん :
前職では入社してからずっと山崎さんが上司だったんです。

当時、山崎さんが率いるチームで新しいプロダクトを作ろうとなって、開発合宿なんかを行っていたんです。普段はプロジェクトの上司にあたる方なども含めて温泉旅館に行って、夜通しプログラミングをする、みたいなことをやっていましたね。こういうのを作ったら面白いんじゃないか、というのをみんなでワイワイやっていたのは思い出に残っていますね。

ではずっと山崎さんと仕事をされてきているんですね。当時と今とで印象の違いはありますか?

落合さん :
今も変わらないなと思うのは、山崎さんは社長なのに今でも最前線に行ってやっているところですね。自分でエラーログ見て、トラブルシュートもやっています。さらに、そうやって色んな現場に入り込んで見て来たことを活かして、新しいビジネスのアイデアを膨らませて行っている所も変わらないです。

前の会社にいたころと違うのは、社長になったのでそういうアイデアを次から次へと実行に移してしまうところですね。もう反対する上司を説得する必要がないのですからね。私自身も、そういうことを一緒にやれるのは非常に楽しいです。

今の仕事のやりがいはどんなところにあると思いますか?

落合さん :
以前からもやっていることでトラブルシュートがあるのですが、お客さんが困っている時に「呼んでくれれば解決しますよ」っていう強気な姿勢でお客さんの課題を解決していくんです。自分たちがいかなかったら今頃どうなってたんだろう、という問題を解決していくのはやっぱり大きなやりがいがありますね。

もちろん大変なこともありますけど、仕事でお客さんに喜んでもらえるっていうことがトラブルシュートでは実感しやすいのででやりがいにはつながりやすいですね。

現在、新しくチャレンジしていることはありますか?

落合さん :
最近では RPA のログ分析も始めています。

RPA の分野は大きな企業がこぞって導入を進めています。しかし全社的に進めようとしたものの、各部署に展開するタイミングでやり方が分岐して統制が取れなくなることが往々にしてあります。そこでログを一元管理して分析することで、適切に運用するためのお手伝いをしています。

RPA のログ分析も元はトラブルシュートから始まっています。Elasticsearch を使ってログを格納して分析しようとしていたんですけど、Elasticsearch がうまく動かないので何とかしてくれ、というオーダーがあったんですよね。

それが RPA に関わり始めたきっかけで、そこから今のお客さんと長く付き合うことになりました。

トラブルシュートに満足してもらえた結果、もっと良くしていくための活動を一緒にやりましょうとオーダーをいただけたんです。

すごく理想的な信頼関係を築かれていますね。最後に抽象的な質問なんですが、Airitech はどういう会社でしょうか?

落合さん :
僕もそうですが、スペシャリストタイプが多い会社かもしれないですね。

川上さんが特にそうなんですが、川上さんにしか解けない問題があるわけです。ただ逆に苦手なことも当然ながらあります。山崎さんはそういう人を活躍させるのが本当にうまいんですよね。私自身も、その一人だと思っています。

あとはミャンマーの方が最近ではよく入社してくれているのですが、彼らは総じて非常に優秀です。日本語だけでなく、英語もミャンマー語も喋れて、プログラミングもできてしまう。

口コミでどんどん応募していただいているのですが、現に働いている彼らが Airitech を働きやすい環境だと思ってくれているからだと思っています。

自分の強みを発揮できて、安心して働くことができる。そんな環境がある会社だなと思います。

今日は落合さん個人についてと、Airitech について、それぞれ詳しくお伺いできて楽しかったです!本日はありがとうございました!


Airitech では新たな仲間を募集しています。


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