国民年金法

国民年金法の制定は昭和34年。昭和36年4月より保険料も支払ってもらう拠出制の制度となった。昭和36年が国民皆年金(日本国民は何らかの年金制度に全員が加入している状態)の実現した年ともいわれる。昭和57年1月1日以降、国民年金制度は日本に住む外国人も強制的に被保険者となった。昭和60年に国民年金法の大改正があり(施行は昭和61年)日本に住んでいる人は誰もが対象となった。20歳前の障害基礎年金など、保険料を支払わなくても給付を受けられる場合もある。(国民年金の障害基礎年金は、20歳以降の保険料の納付状況と被保険者の地位の有無などの支給要件があるが、20歳になる前に初診日がある障害を負っている場合、一定の条件で支給されることがある。)
平成27年10月1日より、サラリーマンの加入する厚生年金保険と、公務員、私立学校の教職員が加入する共済年金制度が統一され、被用者年金制度の一元化がされた。
平成29年8月より、受給資格期間は25年から10年に短縮されたものの、遺族基礎年金の長期要件は25年要件のまま。

国民年金法第一条
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

第二条
国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。

基本的には、保険料の支払実績がないと給付は得られず、実績には被保険者期間(月単位で数えて、被保険者の資格を取得した月から、喪失した月の前月までの期間)が見られるが、この被保険者期間は、保険料を支払っている保険料納付済期間と、保険料免除期間の2つに評価分けされる。

国民年金は3種類
①老齢基礎年金・・・65歳以上になると支給される。保険料納付期間と保険料免除期間が10年以上必要で、40年で満額となる。
②障害基礎年金・・・年金の加入中に、病気や事故などを原因として、障害を有することとなった場合に支給されるもの。
③遺族基礎年金・・・年金加入者・受給権者が死亡した場合に、生計を維持されていた遺族に支給されるもの。

国民年金法には、ほか、付加年金、寡婦年金、死亡一時金が規定されている。脱退一時金は、国民年金法の附則中で規定される。

国内在住で20歳以上60歳未満の人は、第1号~第3号のいずれかの被保険者になる。第2号被保険者は、厚生年金保険法の被保険者など。民間企業のサラリーマンや公務員など。被保険者となるのは、就職時。第3号被保険者は、第2号被保険者の20歳以上の被扶養配偶者。第3号被保険者の要件に国内居住用件が追加され、国内に住所を有する者、外国で留学をする学生、その他の日本国内に住所を有しないが日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定めるものに限られる。

第2号にも第3号にも該当しない自営業者や専業農家など、その配偶者が第1号被保険者。夫が第2号被保険者でも、夫の退職時に妻が60歳以下ならその妻は第3号から第1号に変わる。また、20歳未満でも社会保険の適用を受ける事業所に就職すると、厚生年金保険法の被保険者になるので、結果第2号被保険者になる。

老齢基礎年金をもらうためには、最低10年以上の受給資格期間が必要。これは40年まで延ばすことができ、長ければ長いほど年金額が多くなる。

国民年金法の運営主体、保険者は国(政府)。平成22年月にできた日本年金機構は、保険者ではく国の手足となって現場仕事しているに過ぎない。

老齢、障害、死亡、どの保険事故も年金をもらうには受給権が必要で、受給権のある人を受給権者という。被保険者の資格を取得した当日から、被保険者。被保険者の資格を喪失した翌日に資格がなくなる。当日取得(当月からカウント)、翌日喪失(喪失月の前月までカウント)。保険料も取得月から納付の義務が生じ、喪失付きの前月までを納める。年金の受け取りについては、受給権が発生した月の翌月分からが支払い対象となる。

国民年金法26条
老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。
ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。

保険料免除期間には、法定免除、全額免除、4分の3万所、半額免除、4分の1免除などがある。法定免除以外は国に申請し、認められれば保険料を免除される。一方、法定免除は条件を満たし届け出れば、保険料の支払いが免除される。平成31年4月1日から、国民年金第1号被保険者が出産を行った際に、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される制度が始まった。届け出ると、出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間の国民年金保険料が免除される。

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