厚生年金保険法・目的等
厚生年金保険法
第1章 総則
第1条(この法律の目的)
この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
第2条(管掌)
厚生年金保険は、政府が、管掌する。
第2条の2(年金額の改定)
この法律による年金たる保険給付の額は、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。
第2条の3(財政の均衡)
厚生年金保険事業の財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。
第2条の4(財政の現況及び見通しの作成)
政府は、少なくとも5年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による保険給付に要する費用の額その他の厚生年金保険事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(財政の現況及び見通し)を作成しなければならない。
2.前項の財政均衡期間は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね100年間とする。
3.政府は、第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第2条の5(実施期間)
この法律における実施期間は、次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者とする。
一 次号から第4号までに規定する被保険者以外の厚生年金保険の被保険者(第1号被保険者)の資格、第一号厚生年金被保険者に係る標準報酬、事業所及び被保険者期間、第1号厚生年金に保険者であった期間(第1号厚生年金被保険者期間)に基づくこの法律による保険給付、当該保険給付の受給権者、第1号厚生年金被保険者に係る国民年金法第94条の2第1項の規定による基礎年金拠出金の負担、第1号厚生年金被保険者期間に係る保険料その他この法律の規定による徴収金並びに第1号厚生年金被保険者の保険料に係る運用に関する事務・・・厚生労働大臣
二 国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者(第2号厚生年金被保険者)の資格、第2号厚生年金被保険者に係る標準報酬、事務所及び被保険者期間、第2号厚生年金被保険者であった期間(第2号厚生年金被保険者期間)に基づくこの法律による保険給付、当該保険給付の受給権者、第2号厚生年金被保険者に係る国民年金法第94条の2第2項の規定による基礎年金拠出金の納付及び第84条の5第1項の規定による拠出金の納付、第2号厚生年金被保険者に係る保険料その他この法律の規定による徴収金並びに第2号厚生年金被保険者の保険料に係る運用に関する事務・・・国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会
三 地方公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者(第3号厚生年金被保険者)の資格、第3号厚生年金被保険者に係る標準報酬、事務所及び被保険者期間、第3号厚生年金被保険者であった期間(第3号厚生年金被保険者期間)に基づくこの法律による保険給付、当該保険給付の受給権者、第3号厚生年金被保険者に係る国民年金法第94条の2第2項の規定による基礎年金拠出金の納付及び第84条の5第1項の規定による拠出金の納付、第3号厚生年金被保険者期間に係る保険料その他この法律の規定による徴収金並びに第3号厚生年金被保険者の保険料に係る運用に関する事務・・・地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会
四 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者たる厚生年金保険の被保険者(第4号厚生年金被保険者)の資格、第4号厚生年金被保険者に係る標準報酬、事業所及び被保険者期間、第4号厚生年金被保険者であった期間(第4号厚生年金被保険者期間)に基づくこの法律による保険給付、当該保険給付の受給権者、第4号厚生年金被保険者に係る国民年金法だい94条の2第2項の規定による基礎年金拠出金の納付及び第84条の5第1項の規定による拠出金の納付、第4号厚生年金被保険者期間に係る保険料その他この法律の規定による徴収金並びに第4号厚生年金被保険者の保険料に係る運用に関する事務・・・日本私立学校振興・共済事業団
2.前項第2号又は第3号に掲げる事務のうち、第84条の3(交付金)、第84条の5(拠出金及び政府の負担),第84条の6(拠出金の額)、第84条の8(報告等)及び第84条の9の規定に係るものについては、国家公務員共済組合連合会又は地方公務員共済組合連合会が行い、その他の規定に係るものについては、政令で定めるところにより、同項第2号又は第3号に定める者のうち政令で定めるものが行う。
第6条(適用事業所)
次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所又は船舶を適用事業所とする。(強制適用事業所)
一 次に掲げる事業の事業所又は事務所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの
イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
ホ 貨物又は旅客の運送の事業
ヘ 貨物積みおろしの事業
ト 焼却、清掃又はと殺の事業
チ 物の販売又は配給の事業
リ 金融又は保険の事業
ヌ 物の保管又は賃貸の事業
ル 媒介周旋の事業
ヲ 集金、案内又は広告の事業
ワ 教育、研究又は調査の事業
カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
ヨ 通信又は報道の事業
タ 社会福祉法に定める社会福祉事業及び更生保護事業法に定める厚生保護事業
二 前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所又は事務所であって、常時従業員を使用するもの
三 船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り込む船舶
2.前項第3号に規定する船舶の船舶所有者は、適用事業所の事業主とみなす。
3.第1項の事業所以外の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。(任意適用事業所)
4.前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者の二分の一以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
第7条 前条第1項第1号又は第2号の適用事業所は、それぞれ当該各号に該当しなくなったときは、その事業所について同条第3項の認可があったものとみなす。(擬制)
第8条
第6条第3項の適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所でなくすることができる。
2.前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者の四分の三以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
第8条の2
二以上の適用事業所(船舶を除く)の事業主が同一である場合には、当該事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該二以上の事業所を一の適用事業所とすることができる。
2.前項の承認があったときは、当該二以上の適用事業所は、第6条の適用事業所でなくなったものとみなす。(適用事業所の一括)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?