労働保険の保険料の徴収等に関する法律・概算保険料と確定保険料

徴収法
第15条(概算保険料の納付)
事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申請書に添えて、その保険年度の6月1日から40日以内(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日(保険年度の中途に労災保険法第34条第1項(特別加入)の承認があった事業に係る第一種特別加入保険料及び保険年度の中途に労災保険料第36条第1項の承認があった事業に係る第三種特別加入保険料に関しては、それぞれ当該承認があった日)から50日以内)に納付しなければならない。
一 次号及び第3号の事業以外の事業にあっては、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に1000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込み額に当該事業についての第12条の規定による一般保険料に係る保険料率(一般保険料率)を乗じて算定した一般保険料

3.政府は、事業主が前二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。

4.前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から15日以内に納付しなければならない。

施行規則 
第24条 法第15条第1項各号の厚生労働省令で定める場合は、当該保険年度の保険料算定基礎額の見込み額が、直前の保険年度の保険料算定基礎額の百分の五十以上百分の二百以下である場合とする。

2.有期事業については、その事業主は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、保険関係が成立した日(当該保険関係が成立した日の翌日以後に労災保険法第34条第1項の承認があった事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認があった日)から20日以内に納付しなければならない。
一 前項第1号の事業にあっては、当該保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料

概算保険料の申告(都道府県労働局歳入徴収官)・納付(都道府県労働局収入官吏等)期限
・・・継続事業:6月1日から40日以内(特別加入の承認があった場合は、承認があった日から50日以内)
・・・有期事業:保険関係成立日から20日以内(特別加入の承認があった場合は、承認があった日から20日以内)

・一元適用事業であって、労働保険事務組合に事務処理を委託しないもの(雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業を除く)についての一般保険料と、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業についての一般保険料の概算保険料の申告及び納付は、概算保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出(当該申告書の提出は、日本銀行又は所轄労働基準監督署長を経由することができる)し、概算保険料を納付書により日本銀行、都道府県労働局収入官吏又は労働基準監督署収入官吏に納付することによって行う。これを労災関係申告・納付手続と表現する。

・一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託するものについての一般保険料と、一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもののうち雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業についての一般保険料、雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業についての一般保険料の概算保険料の申告及び納付は、概算保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出(当該申告書の提出は非本銀行を経由もできる)し、概算保険料を納付書により日本銀行又は都道府県労働局収入官吏に納付することによって行う(雇用関係申告・納付手続)。

・労災関係申告・納付手続きおよび雇用関係申告・納付手続きは、社会保険適用事業所の事業主が継続事業(労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託しているものを除く)について提出する概算保険料申告書が、口座振替により概算保険料を納付する場合に提出するものでなく、6月1日から40日以内に提出する一般保険料に係るものであることきは、日本銀行又は所轄労働基準監督署長のほか、年金事務所を経由しての提出もできる。

概算保険料の額
・継続事業の場合、概算保険料として納付すべき一般保険料の額は、その保険年度に使用するすべての労働者に係る賃金総額(1,000円未満の端数は切り捨て)の見込み額に、当該事業についての一般保険料率を乗じて得た額。ただし、賃金総額の見込み額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合の一般保険料の額は、直前の保険年度の賃金総額に、当該事業についての一般保険料率を乗じて得た額。

・有期事業の場合、概算保険料として納付すべき一般保険料の額は、その事業の保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額(1,000円未満は切り捨て)の見込み額に当該事業についての一般保険料率(労災保険率)を乗じて得た額。有期事業の場合は、労災保険しか成立しないため、労災保険率が一般保険料率。

徴収法
第18条(概算保険料の延納)
政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が第15条から前条までの規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる。

・継続事業で当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立した事業でない場合、次のいずれかの要件を満たしていれば、概算保険料申告書を提出する際に申請することで、概算保険料を延納することができる。
①納付すべき概算保険料の額が40万(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業は20万)以上の事業であること。
②事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている事業であること。

延納回数と期限
第1期:4/1~7/31→納期限は7/10
第2期:8/1~11/30→納期限は10/31(11/14)
第3期:12/1~3/31→納期限は1/31(2/14)
※継続事業で労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合は、第2期及び第3期の納期限は2週間延長。

納期限は、第一回目は保険関係成立の日の翌日から起算して50日以内。

・事業の全期間が6月以内の事業ではない有期事業の場合、次の要件を満たしていれば、概算保険料申告書を提出する際に申請することで、概算保険料を延納できる。
①納付すべき概算保険料の額が75万円以上の事業であること。
②事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている事業であること。

・有期事業についての期の区分は継続事業と同様だが、労働保険事務組合への事務処理委託事業に係る2週間の延長措置は適用されない。
第1期:4/1~7/31→納期限は3/31
第2期:8/1~11/30→納期限は10/31
第3期:12/1~3/31→納期限は1/31

第1期目の納期限は、保険関係成立日の翌日から起算して20日以内。

第16条(増加概算保険料の納付)
事業主は、前条第1項又は第2項に規定する賃金総額の見込額、第13条の厚生労働省令で定める額の総額の見込額、第14条第1項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額又は第14条の2第1項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額が増加した場合において厚生労働省令で定める要件に該当するときは、その日から30日以内に、像が学の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。

・保険料算定基礎額の見込額が増加し、次のいずれの要件にも該当するとき、事業主は増加概算保険料を納付しなければならない。
①増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超えること。
②増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であること。

第19条(確定保険料)
事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の6月1日から40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日(保険年度の中途に労災保険法第34条第1項の承認が取り消された事業に係る第1種特別加入保険料及び保険年度の中途に労災保険料第36条第1項の承認が取り消された事業に係る第三種特別加入保険料に関しては、それぞれ当該承認が取り消された日)から50日以内)に提出しなければならない。


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