労働者の障害厚生年金4種類

厚生年金保険には、障害等級が1級から3級まである。障害等級1級または2級に該当するときは、原則として障害基礎年金に上乗せする形で障害厚生年金が支給される。障害等級3級は、障害厚生年金が単独で支給され、3級にも該当しない障害であっても、一時金として障害手当金が支給される場合がある。

厚生年金保険4種類
①一般的な障害厚生年金
②事後重症による障害厚生年金
③基準傷病による障害厚生年金
④特例措置による障害厚生年金

障害厚生年金は、下記すべての要件を満たしたときに支給される。
・障害の原因となった傷病の初診日において、厚生年金保険の被保険者であること。
・障害認定日において、障害等級の1級、2級または3級のいずれかの状態であること。
・障害基礎年金と同じ保険料納付要件を満たしていること。

障害厚生年金は障害基礎年金と異なり、初診日において厚生年金保険の被保険者でないときは、支給されない。傷病の原因は業務上であると、業務外であるとを問わない。(障害基礎年金も同じ。)

障害厚生年金の支給額
1級・・・老齢厚生年金の額の規定の例により計算した額×125/100+配偶者加給年金額(224,700円×改定率)
2級・・・老齢厚生年金の規定の例により計算した額+配偶者加給年金額
3級・・・老齢厚生年金の規定の例により計算した額
※配偶者加給年金額の加算は、障害の程度が障害等級1級または2級の受給権者によって生計を維持している65歳未満の配偶者があるときのみ。障害厚生年金では、子は加給年金額の対象とされていないが、障害基礎年金で加算対象とされている。

老齢厚生年金の額の規定の例により計算した額は、①②の合計額
①平成15年までの被保険者期間分
平均標準報酬月額×7・125/1000×被保険者期間の月数
②平成15年4月以後の被保険者期間分
平均標準報酬額×5.481/1000×日保険は期間の月数

障害認定日の属する月後における被保険者期間は、年金額の計算の基礎に入れない。計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算する。同一の障害について障害基礎年金の支給を受けることができない場合(障害等級3級など)は、最低保障額(最低保障額=780,900円(←※障害等級2級の障害基礎年金の額)×改定率×3/4)が設けられている。

障害の程度が3級より軽くなったときは、障害厚生年金は支給が停止される。3級の状態よりも軽くなって3年が経過し、年齢も65歳以上になったときは、障害厚生年金の受給権は消滅する(障害基礎年金と同じ。)障害の程度が従前の等級より増進したときは、障害厚生年金の額の改定を請求することができる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?