労働保険徴収法・適用と保険関係・労働保険料の計算

労働保険とは、労災保険、雇用保険のこと。その保険料の納め方を規定しているのが、労働保険徴収法。労働保険徴収法は、正式には、労働保険の保険料の徴収等に関する法律。労働保険という、同じカテゴリーの2つの法律の保険料を1度に納めることができるように、労働保険徴収法が特別につくられた。

労働保険徴収法が適用される事業を、適用事業という。適用のされ方によって、一元適用事業と二元適用事業に別れる。労災も雇用もいっぺんに処理できる事業は一元適用事業、2つの労働保険を1度に処理しにくい事業は、二元適用事業となる。

一元適用事業、二元適用事業という分け方のほか、強制適用事業と暫定任意適用事業という分け方もある。暫定任意適用事業の場合、大臣の認可があった日に保険関係が成立する。

二元適用事業とされる事業
・都道府県および市町村の行う事業
・都道府県に順ずるもの、および市町村に順ずるものの行う事業
・港湾運送の事業
・農林、畜産、養蚕また水産の事業
・建設の事業

適用に関して、法律の定める要件に該当する事業がその事業活動をはじめた場合、届出等をしなくても、保険関係が成立する。事業が廃止、終了すると、保険関係がその翌日に消滅する。保険関係が成立してから10日以内に保険関係成立届を役所に提出しないといけない。

有期事業とは、工事現場などの事業で期間が定められているもの。
継続事業は、普通の会社などで、事業の期間が定めれていないもの。

有期事業では、条件を満たせば当然に事業の一括(労働保険徴収法の書類提出や労働保険料の納付を本社一括で納めることができるルール)。条件は、事業主が同じ、それぞれが有期事業であること。一括の結果、1つの継続事業として扱われる。

継続事業では、大臣に申請をして認可を受ければ一括することが可能になる。条件は、事業主が同じであり、それぞれが継続事業であること。大臣の指定を受けた事業が1つの適用事業となる。

・労働保険徴収法が適用される適用事業のうち、二元適用事業は、都道府県、港湾、農林、建設など。ほかは一元適用事業。
・保険関係の成立は当日、消滅は翌日。
・有期事業は、条件を満たすと当然一括され、継続事業扱いされる。

労働保険料には、いくつかの種類がある。
・一般保険料
・特別加入保険料
・印紙保険料
・特例納付保険料

一般保険料の額の算定方法は、賃金総額×一般保険料率=一般保険料の額

賃金総額とは、事業主がその事業で使用している労働者に支払う賃金の総額。この賃金総額に、労災保険の率、労災保険率と、雇用保険の率、雇用保険料率の2つの要素の保険料率を掛けることで、一般保険料が算出される。

雇用保険料率は、覚えなければいけない。令和6年度施行の雇用保険料率は、令和5年度と同率。

一般の事業・・・1000分の15.5
農林水産・清酒の製造・・・1000分の17.5
建設の事業・・・1000分の18・5

労災保険率は暗記不要だが、高い事業は、金属鉱業、非金属鉱業(石炭石高鉱業又はドロマイト鉱業を除く)又は石炭鉱業・・・1000分の88

労災保険率が低い事業・・・通信業、放送業、新聞・出版業など・・・1000分の2.5

労働保険料を計算するときは、賃金総額の端数を処理することとなっている。







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