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konore-RTAリリース記念対談

aireziasのYoutube企画「RTA」がサブスク等で聴けるようになりました。
多くのコラボミュージシャンを招いて行われたこの企画。
参加してくれたみなさんとの対談を敢行しました。

今回はM07「時化-RTA No.4」でコラボしてくれたkonoreとの対談です。

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-単独でアイコンとして成立するフレーズを作る天才だと思った。 

konore:当初から思ってたけど、なんでもっとみんなに自由にやってもらわなかったんだろうっていうのが結構… 

福永:それはなに?後悔ってこと?

 konore:そう。コラボする人によって準備度みたいなものが違うと思うんだけど、私は結構しっかりめに作ったデモを投げてて、それに準拠しすぎたかなっていう気がしてて… 

福永:そうかな? 

konore:他の方との回やaireziasだけの回を観たうえで自分の回を思い返してみて、なんでもっと羽を伸ばさせてあげなかったんだろうっていう風に思って。 

福永:お母さんなの? 

konore:いや、違うけど(笑)他の回は、全体的にリラックスしててアイディアが多いというか、いろんな色や広がりや感触があるなって思って。ちょっと自分のは角ばりすぎた、四角すぎたかなっていう気がしてましたね。でもみんなが協力してくれたから、凄い楽しかったっていう気持ちが大きいからこそ、そう思うのかもしれない。またやりたいみたいな、次やるならこうなのになみたいな気持ちがあるのかもしれない。 

福永:またやりたいよね。 

konore:みんな二周目とかやれば? 

福永:ね。みんなが二周目やってくれるのであれば、やりたいなと思ってます。 

konore:楽しいでしょ絶対。少なくとも私は凄いやりたいけどね。 

松田:じゃあ次ね。 

福永:はい、次決定。対談中に次回が決定しました。 

konore:なんかYouTubeみたいだね(笑) 

福永:konore参加回は、確かに他の回に比べて提供してくれたデモが完成してたっていうのはその通りだなと思ってて。改めて曲を聴いてみて、konoreの作るもの全体に言えるんだけど、単独でアイコンとして成立するフレーズだったりとか、そこだけ切り取った時にそれだけでちゃんと機能するギターのリフだったりとか、それを作る天才だと思った。 

松田:俺は「毒」って呼んでるけどね。 

konore:確かに「毒」はかなり近い表現だと思うよ。逆にいうとそういう固有の事しかできないというか、抽象的に薄く層を重ねるみたいなことは得意じゃないかもしれなくて。だから、長所でもあり短所でもあるみたいなところなんだけど、「毒」っていう言い方はすごい合ってる気がする。 

福永:歌詞にしても一箇所切り出しただけでちゃんと成立できる歌詞とか、ギターリフとか。俺は逆なのよ。一本切り出しても意味ない、6つ重なったら良い感じみたいなのを作るのは得意なんだけど、一本とか一言で機能するものを作るのが得意じゃないからそこは反対だなって。 

konore:多分性格もあるんだろうね。私はすごい短気だし集中力とかもあんまりないから、一回神経がファって繋がったら… 

松田:今だ! 

konore:そうそう(笑)過ぎ去るともう過ぎ去っちゃうから。 

福永:以前に歌詞についての話をした時も、自分は集中力がないから一本通して歌詞が書けないってことを言ってたと思うんだけど、それ故の単語のジャンプ力とか、同じ楽曲内にパワーフレーズになるリフが次々登場するみたいなのはそういうとこなんだなって、そのとき話を聞いて感銘を受けました。そう言われちゃったら真似できない、競合他社が参入しにくい作り方をしてるなって。 

konore:ありがとうございます。まあそうかもね、ただそれ故にリスクも大きいと思いますよ。 

福永:リスクっていうのはどんな? 

konore:リスクっていう言い方も変だけど、限りがあるというか、重ねられる組み合わせとか組み立てられる骨組みが少ないと思ってて。あんまり重ねると本当に訳のわからないものになっちゃうし自分としてもそれは望んでなくて、ある程度スカッとしてたいところはあるから、ダメだって思うスピードも早い。リカバリーがきかないところはすごいある。 

福永:複雑な形のパズルみたいな感じだよね。 

konore:そうかも。知恵の輪みたいな(笑) 

福永:ジャストではめるのが難しいみたいなね。 

konore:わたしのできることって、ともすれば凄くダサくなる危険性が大きいから、常に恥ずかしい気持ちと戦いながらやってるところはある。だから、RTAも見返してみて、「うわ、ギリギリ恥ずかしい!」みたいなのもあったりなかったりしたよ。 

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-ちゃんと水が流れている感じっていうのが自分の中の感覚ですごくしっくりくるかな。 

福永:でも作ったものを見返すと大体恥ずかしかったりするよね。一方で、人によっては自分で作ったもの大好きですって人もいるじゃない? 

konore:結構時間が経てば、大好きになっちゃうかもしれない。それはわかるでしょ? 

福永:わかるわかる。俺、2年ぐらいかかるもん。これは最悪なんだけど、発表する時とかリリースする時が一番恥ずかしい。だから、新譜をリリースした時にようやくその一つ前の作品が聴けるようになってるくらいの感じ。もちろん、手を抜いて作ったというわけではないんだけど。 

konore:難儀ですね・・・そのへんは麻痺するかも、私は。出すときは大丈夫というか、そう思わないと出せない。 

松田:そういう発表する作品への向き合い方って、曲を作ってる人ならではの感性だと思ってて、プレイヤーは過去のものを好きになることがないんじゃないかとも思ったな。過去の自分より今の自分の方が練習していれば、技術的には絶対今の方がいいじゃんってなるんだけど、曲を作ることって上手下手っていう尺度じゃないから。その感覚は、歌唄いとか歌詞を書くひとの感覚なのかもね。 

福永:制作についていうと、どこかで区切りをつけないと一生いじってしまうっていうのもありがちだね。でも、さっきの歌詞の話と近いと思うんだけど、その時のモードで仕上げたものを次のモードでいじくっちゃうと、歪なものになっちゃうときがあって。だからずっと直せばいいってもんじゃないなっていう気づきもあって、最近はちゃんと踏ん切りをつけて、形に残して、恥ずかしがらずにやりましょうっていうのを個人的には気をつけはじめてる。 

___________

松田:デモがしっかりしてたっていうのもあるけど、他の回と比べて一番スムーズに終わったんじゃないかな。もっと、一回どん底になるのよ。 

福永:RTAあるあるだよね。 

松田:そう。RTAあるあるなんだけど、これどうやって収束させるの?みたいな状態までいくのね。 

福永:16時ぐらいにね。11時に集まって16時ぐらいに一回どん底になるのよ。 

松田:だけどそのどん底がなくて、その日は語弊を恐れずに言えばなんとなく不完全燃焼みたいな感じだったのね?出来上がった全員のフレーズもすごくシンプルだったから、もっと色々できたんじゃないかって思うところもあったんだけど。でも見返してみたらやっぱりかっこいいし、それはそれでよかったんだっていう。他の回よりも、あとで振り返って良いものだったと思えるっていう良さがあったかな。 

福永:なんかね、弾きすぎないのって良いんだなって思った。aireziasは細かいフレーズや入り組んだことをついやっちゃうんだけど、パコンって弾けばそれでカッコいいんだっていうのを教えてもらったね。 

松田:つい自分たちの中で流行ってるものを入れちゃうんだよね。 

福永:だけど、本質を捉えて、胸張って演奏してればかっこいいっていうのを知ったみたいなのあるよね。 

konore:デモでオチが見えてたってのも大きいんじゃない? 

福永:そうね。でも見返してみて思ったけどなんやかんや言って完成したものはデモと違うよね。 

konore:もちろん皆さんのエッセンスが入ることで、私が作ったデモよりもうちょっと開かれた感じになっているね。 

福永:俺はデモよりも肉体感が増したなーと思ってて。 

konore:そうそう。血が通った感じって言おうとも思ったんだけど、人間一人が演奏するよりもちゃんと水が流れている感じっていうのが自分の中の感覚ですごくしっくりくるかな。 

福永:うん、結構近い感覚を感じた。 

松田:曲を書く人たちはプレイヤーとはまた違う感覚を持ってるよね。 

konore:自分たちがやったことを改めて言葉で描写できるのはすごい嬉しいですよ。 

福永:そうそう振り返らないもんね。振り返ります? 

konore:いや、無理だね。そもそも忘れちゃう。どうやって作ったか全く分からなくならない? 

福永:俺ももう翌日には分からなくなってたりする。よく作ったなこれって自分で思ったり。 

konore:どうやってこうなったんだっけ、みたいな。 

福永:曲を作る人はみんなそう思ってるんじゃないかな。 

konore:どう作ったかって聞かれてもわかんないんだけど、人の曲になると気になるからつい聞いちゃうんだよね。 

 Q.あなたのお気に入りの機材や楽器があれば、自慢してください。 

konore:難しい質問だよね、だって聞かれたら困るでしょ? 

福永:俺はね、ほんとに困るね。聞かれたくないね。 

konore:まぁでも聞きたいところではあるよね。なんだろうなぁ、挙げるとすれば3つあって・・・ 

松田:全部ビザール(注1※)でしょ? 

konore:全部じゃないよ!最近はフェンダーのストラトでしかライブやってなかったもの。でもビザールが好きで・・・ 

松田:似てるもんね?最初に会った時から思ってた。 

konore:(笑)まぁちょっと嬉しいけど! 

松田:緑色のやつだよね。 

konore:そうそう、深緑のやつで。ドイツのSATURN63っていうモデルで、たまに日本に入ってきてるみたいなんだけど木目のものが多くて、深緑のものは他に見たことないですね。あと、ネックの木が「変」。何の木なのかわかんなくて・・・配線もちょっと変で、スリーピン仕様で普通のシールドが刺さらない。楽器店の店員さんがわざわざそれ用のシールドを作ってくれて。ライブでメインで使ってた時もあったんだけど、シールドがダメになった時を考えるとあまりにもリスキーだったから、流石にジャックを通常のものに変えました。 

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福永:そうか、ジャックがバグって・・・バグってる、というか・・・ (一同 笑) 

konore:「ジャックがバグってる」はダメでしょう(笑) 

福永:特殊な仕様なわけね? 

konore:そうそう(笑)気に入ってます。あと2つ言うと、GUILDの一番大きい・・・ 

福永:GUILDのアコギね?F-50だっけ? 

konore:そう。燻煙仕様だっけ、木を燻してっていう。 

福永:ギターを作った後に、燻煙して水分を抜いて響きを良くするみたいな製法だよね。 

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konore:アコギの良し悪しはそれまでよく分からなかったけど、弾いた時に「これなんかいい音だな」って思ったから、すごい悩んで買ってしまったやつですね。ちょっと体に対して大きいかなっていうのはあるけど、すごく良い音なので気に入ってます。あとはパンゲア(注2※)で使ってたラップトップハープ。 

福永:あー、あれね。 

konore:どこだったかな、どこかの国で日本で言うピアニカとかリコーダーみたいに小学校の低学年の音楽で教育用に使われていたらしくて、だからそんなにめちゃめちゃシビアなチューニングとかはできないしそもそもチューニングの仕方がすごく大変なんだけど・・・なんだろうね、何でああいう音するんだろうねああいうキラキラした・・・そんなに特殊な作りでもないのに。 

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福永:ボディも小さいしねぇ。 

konore:弦が細いからかな? 

福永:ギターの一弦みたいな感じだよね。 

konore:感覚としてはね。あの台形の形もかわいいですし、好きですね、気に入ってます。 福永:楽器やりたいけど持ってない人とかはね、あれ触ってるだけで楽しい楽器だし。 

konore:あー、楽しいと思う。実際調べたら趣味としてこの曲弾けたようになったーっていう動画あげてる人とかもいた。 

松田:ラップトップハープを演奏してるところはどこかで見れるの? 

福永:映像とか残ってないかもね? 

松田:じゃあ次回のRTA、それでお願いしまーす! 

konore:良いかもそれ、ナイスアイディア。 

福永:じゃあ次回もよろしくお願いしますー。 

 ※注1  一般的に広く浸透している形状のギターではない、希少性の高いシェイプのギターモデルを総称してビザールギターと呼ぶ。  形が独特だったりスイッチが沢山ついてるだけじゃなく音色も独特なものが多い。 
※注2  konoreとairezias福永健人によるユニット「超大陸パンゲア」

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airezias × konore / RTA No.4


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