【感想】『とうほく学生演劇祭4』

第4回とうほく学生演劇祭の感想を、勢いだけで書きます。やさしさはないですし、どうなったらよくなるとかも書けないかもしれないですが、ご了承ください。

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【Aブロック】

◆『長めの休符』8点

 全団体中タイトルが一番面白そう、劇団員の村上も出ている、ナリタシノとも付き合いが長いなどなど、いろいろな要素が重なり最も期待して見に行った。面白かったと思う。女性陣の演技が良かった。特に、ナリタシノのちょっとエグイ感じは、僕はよかったと思ったし、村上もよかった。

 屋外を走る、風船の制御の効かなさなど、自分の好みの演出も多かった。これらは観客と舞台の境界をうまい具合に溶かす方向に作用していた。

 半面、男性陣の演技には疑問。発声がはっきりしすぎている。むしろ境界をひくような演技をしていて、これはやっぱり演劇なんだなと思ってしまった。演出が全体の演技トーンをそろえられていれば、9点だったかもしれない。 

 フォントは游ゴシック?


◆『必ず払いますから』3点

 始め、カイジみたいなセリフが聞こえてきたから、隣の武長にしか聞こえない声で「カイジや」と言ったら、後で怒られた(明転したら主人公の彼がカイジと同じ服装だったのもあった)。

 まず、テレビをなぜ舞台上に置かなかったのか。置いた方が絶対面白い。それを物理的に隠すことにリアリティが否応なしに現れたであろうに。メロンパンがどう見ても腐っていない。腐らせろ。もとから請求書の封筒が開いていたのが気になる。押し問答が予定調和過ぎてみていられない。もっと言葉巧みになってほしい。

 取り立てのひと、活舌悪いのに顔が意外と端正だったのとガタイ意外とよかったのはおもしろかった。あと、彼の演技はたまに予想外のことが起こるのでそこは楽しかった。

 ラストシーン、ベランダから彼がくそ長い物干しざおを持って「やっぱり嘘だったんじゃないですか!!」と飛び込んできたら、7点はいったと思う。物理的なものをもっと大事にしてほしい。


【Bブロック】

◆『クローバールート』2点

 知り合いもいるので、申し上げにくいが、最悪だった。なんでこれをお客さんに見せようと思ったのかがわからない。これを見たことで得られる感覚と似ていてもっとクオリティの高いものだったらもうすでにいっぱい世にありそうな気がする。観客に1000円払ってもらって観客に見せなくてはいけない必然性とは何なのかずっと考えていたが、それはわからなかった。

 あと、K沼くんはそろそろもっといろいろと頑張ってほしい。だいぶオブラートに包んだ。神様を出すのはルールで禁止にしたらどうだろう。これは冗談。


◆『無シ』2点

 こういう劇があるのは知ってる。そして自分はこういうよくわからないのが苦手ということも知っている。それを踏まえても、俳優の演技の質、台本のことばの選び方がよくなかったと思う。

 例えば、「こんなところに有名人いるわけないでしょ」と即答するセリフがあったが、その速度で即答できる「こんなところ」なんて存在するだろうか。有名人、という言葉も気になる。芸能人、スポーツ選手、政治家、ミュージシャンなどなど、全部「有名人」の示す範囲内に入っていると思っていて、このすべてが「わけないでしょ」レベルで存在しえない場所、かつそれが即座に判断できる状況というのは本当にありえるだろうか?自宅の庭とかならわかるけども、そうだとしたら、そのセリフの言い方だと平坦すぎる。

 こういうのがいろんな団体にたくさんあって、もっと考えて台本書いてくれよと思ってしまった。怒ってはいない。

 団長さんであろう、背の高い彼の演技はよかった。


◆『daydreams』5点

 演出の横澤のぶさんの前回演出作品の評判が良かったため(自分は見にいっていない)期待していた。作品としては正直、おもしろくなかった。

 出だしの俳優の自然な感じや、かわいらしい感じが非常に好感が持て、俳優の感じや全体の統一感から見るに、座組全体をうまく鍛えることにはある一定成功していると思う。ただ、その座組を使ってなにをどのように表現するか、という部分で大転倒している感じがする。急に大きい声で泣き叫ばれても、こっちは置いてけぼりでどう見たらいいかわからない。そういう状況でテキストを聞き取って解釈するのも難しい。あと、地面の図形と出演者の人数がうまく重なれないのもすこし気になった。

 すごくよかったシーンもあっただけに、非常に残念。次回に期待。


【Cブロック】

◆『お友達クラブ』2点

 オタク役の彼はなぜゴザルとつけるのか?監獄学園のクソもらしの彼(名前忘れた)を参考にしたのかもしれないが、そっちは三国志が好きということからなんとなくわからなくはないが、お友達クラブの彼は特にそういう文脈もなかったので、不自然。おもしろいという安直な理由は理由になりえず、理由が存在しない行動は観客にとって違和感しかないと思う。

 「どうみてもギャル」といっていたが、どう見てもギャルというほど、ギャルでもない。

 「偽善者」という言葉の意味を一度調べてみた方がいいと思った。本当にその状況で偽善者というのがベストな表現なのか。その言葉が示す範囲を知らないのであれば安直に使うべきではないと感じる。これは他団体に関してもそう。

 黄色の女の子の演技はよかったと思う。


◆『セルフ・エスティーム』2点

 言葉の示す範囲、物事の因果関係(行動の理由など)に関しては上で言ったのと同じ。

 「ここじゃ狭いし広いところで話そう」が2回出てきたが、マジで意味が分からなかった。狭い場所だと話しにくい内容、ってこと?なんだそりゃ?

 留学帰りの彼女がガラスを割って入ってきたとき、足が血まみれになっていれば7点はいったと思う。というかなんで血まみれになってないのかがわからない。


◆『スペース.オブ.スペース』10点

 すっげ面白かった。けど、僕の読解力がなくてちょっとわからなかったので、後で智哉にちょっと教えてもらった。劇作をしているくせに、人の書いたお話の筋がわからなくなったり、読解できなかったりするところがあることが改めて認識され、本をもっと読みなさいと言われたりなどした。

 もういろいろよかったけど、選曲と照明。特に照明は演劇祭ということもあり仕込める数とかに限界がある(らしい)にもかかわらず、見事だった、と思う。 熊谷さん。怖いと思った、いい意味で。表情の情報が多くて素敵。口を開けて口の中のスーパーカップが見えていたのが超よかった。スーパーカップで思い出した、味を聞いといてバニラしかねえのめちゃくちゃ笑った。そっかをあんだけ引っ張っといて、そのあとのそっかはそっかというよりそかーだったという(癖がすごい)、わけのわからないおもしろさ、どうやって見つけたのだろか、気になる。

 あージェンガ、もっと高く積んどいてほしかったな、あの高さは崩れんよ、そう簡単には。ペディキュアのにおい、立ち込めるの良かった。分厚い教科書破くの、いきなりページから行かずに一回”ごと”でトライしてほしかった、そのあとページに言ったほうが笑えたかもしれない。あのセルフプラネタリウムはほんとにああいうのあるんですかね。

 なんか後半悔しくなってダメ出ししてしまったけど、面白かった。京都でも頑張ってほしい。

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 以上です。後半疲れてしまった。また面白い作品作ろうと思えたので、行ってよかった。失礼なこといっぱい言ってすみません。おわり。

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★追記

【演劇祭】

◆『ひもくじ』1点

小さい鍋が当たったのだが、明らかに中古だったし、なんだったら日就寮生が使った後みたいな感じだった(汚れがちょっと残ってる)。どうなってんだよ。

◆『村下直光』+8kg?

毎年太ってるけど大丈夫か?

◆『あべくん』2点

ついに最終日までロボットみたいだった。

◆『第2回全国学生演劇祭』10点

やっぱりシラカンおもしろいなあ。いっぽう、ピントフは何一つ伝わってこない。生で見といてよかった。

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