見出し画像

方角と向きの釣られポイント

たとえば電話口の方に「◯◯駅から東寄り」「◯◯橋から西側」と大まかな方角を伝える時に、わりと頻繁に言い間違えることがあります。

地図では北が上に来るので、左側が西、右側が東です。しかし、地図を見ながら「◯◯駅の左…」と言いそうになって方角の名称で言い直そうとする時に「ひだり」の語感に引っ張られて、つい「ひがし…」と口にしてしまうのです。

心の中で「しまった!」と思い、「東…いや、西です」と言い直すたび、何とも言えないジレンマに陥ります。方角そのものを間違えるとか覚えられないということではなく、頭では解っていても語感に釣られてしまう現象について、深掘りして考えてみました。

もし仮に、左(ひだり)が東(ひがし)で、右(みぎ)が西(にし)だったなら、韻の並びもピッタリで、きっと言い間違えることも無くなると思うのです。

(表1)方角名と左右の釣られポイント

地図をそれぞれ左と右に90°回して、北が左で南が右の場合と、南が左で北が右の場合も考えてみます。
北(きた)は、左(ひだり)右(みぎ)ともに韻も1文字目も重ならないので、語感に釣られる要素がありません。
南(みなみ)は、左(ひだり)と韻が同じで、右(みぎ)と1文字目が同じなので、仮に南が右でも左でも、言い間違えるリスクは1/2に分散されます。

(表2)方角パターンと左右の釣られポイント

地図上の方角と左右は、その時に見ている地図の向きによって変わるものとして、それぞれ語感の相性による言いやすさ(釣られやすさ)を数値化して比較してみます。表の橙色🟧が2釣られポイント、黄色🟨が1釣られポイントとします。ポイントが高いほど言いやすいパターンということになります。

その結果…

優勝は、見事3釣られポイントを獲得した「左が東、右が西」さんに決定しました。おめでとうございます!

ちなみに、北(きた)と下(した)も韻が同じですが、その場合もやはり「左が東、右が西」になるので、さらにボーナス1ポイントを追加して、合計4釣られポイント獲得となりました!

(表3)方角パターンと上下左右の釣られポイント

それに対し、私たちが普段目にする地図は(表3)の一番上のパターンなので、合計0ポイントで最下位でした。つまり、方角と向きを最も感覚的に結びにくいパターンで地図を利用していたのです。これでは言い間違えてしまうのも無理がありませんよね!

 

そんな訳で…
以上、ただの不毛な言い訳でした。これからは言い間違えないよう気をつけます。すみませんでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?