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手術

半年以上前の手術のことを少し書きます。

自分や家族を含め、手術をするというのは初めての経験でした。
口唇裂のある息子は、生まれた時からいずれ手術をすることが決まっていました。産まれる前から知っていたので気持ちとしては十分整理されていました。
なので、手術することは、この子にとって普通の当たり前のこととして、進んでいました。

入院してから手術までの間も、先に手術を終えた部屋の人たちと話をしたり、のんびりと過ごしていました。

手術前日の夜中から絶食となった息子。
今までほとんど飲んだことのない湯冷しも、飲み物が可能な朝方の最後の時間に飲ませてみると、哺乳瓶でごくごく飲みました。かなりお腹が減っていた様子。
朝起きてから、手術までの時間はおなかが減り過ぎてとても機嫌が悪く、ずっと泣いていました。

デイルーム近くであやしていると、看護師さんがあやしてくれて、少し泣き止んだ息子。通りすがり看護師さんに感謝しました。

いざ、手術室へ連れて行くと、たくさんの患者さんが手術室前で待機していました。
それをみてなんだか心に込み上げてくるものがありました。
私たち親子の向かい側には小学生くらいの女の子が一人で手術室に入るのを待っています。
手術室前の待機場ではいろんな思いが交錯していました。

生まれてからずっと、手術のことでナーバスになったことがなかった私は、あの場所で初めて泣きそうになり、自分自身に驚きました。
手術担当の看護師さんが来て、今日の体調やこれからのことの説明をしてくださったのですが、涙声でほとんど答えられませんでした。
看護師さんに抱っこされた息子は、泣きもせず大人しく抱っこされて手術室に入って行きました。

1人入院フロアへ戻る私は、そのまま部屋に戻れずに大きな窓から外を見ながら、誰もいないところで少し泣きました。そうして自分の気持ちを落ち着かせてから部屋に戻りました。

これからも成長に伴い予定している手術。
きっとこの最初の手術の日のことは忘れないでしょう。

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