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【story】LINE LOVE STORY-2

AB型は変わり者で二重人格者。
占いの本では必ず書いてある特徴。
出会った頃はLINE交換をしてから短文だけどやりとり出来たのに
付き合いが長くなると、こちらからのメッセージに「既読」だけ付けて終わる。
いつだか、

「LINE、長文で送ってくれてもいいよ。返事は1行だけど。」

メッセージのやりとりは苦手であることを早い段階で伝えてくれた。
それでも小まめに返事をくれたので、嬉しかったし、期待をすると思う。
彼は『不器用なAB型』だから。
それに、彼は決まった時間にLINEを確認する。
逆にそれが、彼の行動が解って思わず微笑んでしまう。
朝は必ず出勤時に確認する。既読だけ付ける。
夕方は恐らく帰宅途中の電車の中で。質問に対して返事が来る程度。
夜、決まって10時ぐらいに既読を付ける。
前までは、労いの言葉や感謝の言葉を折り返しメッセージを貰えたのに、今は既読のみだけ付ける。
疑問形の文に対して返事をくれるも、返事は1行のみ。
返事があるだけまともだ。

彼はコミュニケーションが上手ではない。
八方美人で愛想がいいのは対他人への基本的姿勢。関係が慣れている相手に対しては本音を出す。かなりの腹黒さ。
これまでも、何を考えているか解らないことがあって、喧嘩したこともある。喧嘩と言うより、こちらが一方的に怒って、相手が拗ねて。

彼を好きになって、あっという間に3年目になった。
一度告白をしたことがあるが、体良く返事を逸らされてしまった。
仕事上のことでメッセージをすることが多いが、時々趣味や雑談もしてきた。
返事をくれるということは、嫌いじゃないんだって思っていた。
既読無視が続いているということは、忙しいか、気になる人が出来て私からの連絡が鬱陶しいと思って気持ちが変わったのか。
やはり、好きな人とのやり取りが途切れるのは辛い。
既読無視されて辛いなら、メッセージを送るのを止めた方がいいと決めてから、1ヶ月経った。

最後のLINEは、

「いつも無理をしている、あなたのことが心配です。私の大切な人へ。」

既読がついたのは、恐らく…彼が夜寝る前の10時ごろ。
何度もLINEを見ても、ありがとうの言葉も、大丈夫だよとの言葉も、何も、ない。

ああ、変わり者で、言葉での表現が苦手なAB型なんて好きになるんじゃなかった。振り回されて終わりだ。

彼とのやりとり履歴を消した。

履歴を消したタイミングで、彼とのトークにフラグがついた。
胸が痛む。
恐る恐るトークを開く。
嫌な予感しかしないからだ。
そんな不器用なAB型の彼からの、1ヶ月振りの返事はこうだった。

『お久しぶりです。いつも心配してくれてありがとう。』

やっぱり不器用なAB型は、返事は1行だった。
最後に貰えた、感謝のメッセージに対して

『お返事、ありがとう。』

これで本当に最後。
さようなら、大好きだったAB型の大切な人。

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