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カルチャーつまみ食い

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本、映画、ドラマ、漫画、音楽など、つまみ食いしたカルチャーの記録です。
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#読書感想文

『泣いてちゃごはんに遅れるよ』 を読んで通電した

ままならない毎日ばかり。丁寧なんてほど遠い暮らし。 暮らしというか、生活。まさに生きる活動。 だけど、ごきげんに生きて活動できるようなやりくりはそこそこ得ている。 やりくりといっても食材を腐らせない方法とか効率の良い手順とか、円滑な人付き合いのコツとか要領よく生きる処世術とかはさっぱり。 人に伝授できるようなやりくりはほとんどない。 知っているのは私がごきげんになるためのやりくり。 おいしい味噌で作る味噌汁の充実感、テレワーク飯で探究する焼きそばの可能性、子どもが帰っ

「役に立つかどうか」よりも惹き寄せられるもの。『哲学的な何か、あと数学とか』を読んで

SF冒険活劇のような科学に対して、数学はハードボイルドなヤンキースポ根ドラマのよう。 数学という役に立たないもの時間を費やす、なんとも救いがたく愛おしい情熱といったら! 中学、高校と私は数学が好きでした。 答えが必ず出るから。答えがあるとわかっていたから。 どんなに悩んでも、答えは必ず出るから難しい問題ほどうれしかったのを覚えている。 だけど、それは先人たちの答えがあるかどうかを探す壮絶な戦いがあった上に成り立っていたということか。 しかも、その答えのあるかな

めんどくさくて愛おしい世界。『哲学的な何か、あと科学とか』を読んで思ったこと

科学って、ちょっぴりめんどくさくて、まっすぐで、複雑なのに単純で、なんか愛おしい。 小さな世界を表現する言葉を宇宙の解明にも用いる、唯一無二の答えを探す科学。 そして、その説明はシンプルで美しく。 目に見えないものを見ようと追究するの世界は、ストイックで厳かな世界だと思っていた。 だけど、そこにはツッコミどころ満載なツジツマ合わせがあり、うっかりがあり、迷走や冒険があり、ひらめきがあり、まっいっかというかわいらしい一面があるようだ。 なんと愛おしい世界!