見出し画像

小学生の子どもは50%の時間を学校外で過ごしている

8年前の気づきが、今なお新鮮だったので、メモとして。

画像1

<ブルームの教育目標分類学(認知領域)>
(1)知識=情報や概念を想起する
(2)理解=伝えられたことがわかり、素材や観念を利用できる
(3)応用=情報や概念を特定の具体的な状況で使う
(4)分析=情報や概念を各部分に分解し、相互の関係を明らかにする
(5)総合=様々な概念を組み合わせて新たなものを形作る
(6)評価=素材や方法の価値を目的に照らして判断する 

知識の詰め込みだけではダメ。自分で考え、自分で伝える力を育まなければ、とみんな言うけれど、知識って何?思考力って何?問題解決能力って?と問われて、明確に答えられる人は少ない(私も含めて)。

だから、OECDの学習到達度調査通称PISAも、国際バカロレアのディプロマポリシーも、「Bloom's taxomony / ブルームの目標分類学」という考え方をベースに教育の到達目標を設定するようになったんだって。

*「Bloom's taxomony / ブルームの目標分類学」: 今から70年も前に、ベンジャミン・サミュエル・ブルームさんの研究グループが考えた、教育の目標を分類したもの。「教育というものは知識を覚えるだけではダメだ」ということは70年前から問題視されていて「何がどうなったら、知識以上のことを学べたといえるのか?」について整理した。

このことについては、首都圏模試センターの記事と、ザビエルを例にしたたとえ がわかりやすかったので、詳しく知りたい人は、ぜひ以下の記事を。

画像2

⇧ 首都圏模試センター「子供の学力の新観点 "思考コード" を知っていますか?」より


...前置きが長くなりましたが、8年前、これを私に教えてくれたのは、Tokyo International Schoolの先生、トラビスでした。彼は、この考え方を踏まえて「知識の丸暗記だけじゃダメ、でもだからといって、知識なくして一足飛びに創造的思考を求めるのも酷なことだ」と話した上で、こんな話をしてくれたのでした。

「子どもの教育について考えるとき知っておきたいこと。小学生の子どもは6年間の17%を学校で過ごし、33%は寝て過ごし、残り50%は学校外、主に家庭で過ごします。家庭でできることは無限大です」 

私を含め、子育て中の親たちは、子どもを愛するあまり、子どもが過ごす時間のうち17%しかない学校について「もっとクリエイティブなやり方があるのでは」なんて意見したり、素晴らしい学校のために教育移住まで考えたりしがちです。

でも、小学生の子どもは6年間の50%を学校外、主に家庭で過ごす んだって!!

だったら、冒頭のブルームさんの分類の中でいえば、 ①知って覚えて、②理解する ところまでを学校で教えてもらえたら、学んだことを実生活の中で ③やってみて、④自分なりに分析して、⑤新しいものを創造して... というのは、学校の外で実践できるといいのかも。

画像4

ところが、地域共同体がなくなり、核家族の共働きで両親ともに忙しくて、できればすべてを学校に担ってほしいと思う大人が増えてしまった。「日本の教育がもっとどうあるべきか」みたいな話ならいくらでも議論できるのに、自分の地域の取り戻しかた、参加の仕方はわからなくなってしまった。

どうしよう。

何かが足りないと思ったとき、まず「誰かに」変えてほしいと思うのは当然。そのほうが楽だもん。でも、考えてみたら、学校や先生たちは、17%の枠組みの中で必死に頑張ってくれている。

もしかして。

いま足りてないのは、「自分には何ができるか」という在りかたなのかも!

実は、子どもは50%を家庭で過ごしている... と知ってから、自分にもできることがまだまだあるような気がして、「学校が〜だったらいいのにな」なんて言ってる暇がなくなり、地域活動に没頭するようになりました。

これ、8年前の話。

画像3

そして、2020年の今、「私の子ども」だけじゃなく「私たちの子どもたち」を一緒に育てられるコミュニティーに恵まれるようになって思うのは、トラビスの言う「小学生の時間の50%は学校外、主に家庭で過ごします」っていうのを家庭だけで背追いこまなくてもいいんだなってこと。


「50%は学校外、主に 地域と 家庭で過ごします」って捉えると、近所のみんなで楽しくできることが、いろいろ見えてくる。


そして、「知ることは、感じることの半分も大切じゃない」
レイチェル・カーソンの言葉も、合わせて思い出しておきたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?