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そっかより「みんなへのメッセージ」

 We have decided to cancel all Tobiuo, Lifesaving, Anchors, & canoe practices at least until April 12 to prevent the spread of COVID-19. It's very hard to minimize the opportunity for children to get together and have good time outdoors, but it's time to stop further spread of infection in Japan.

 Although we had to decide not to gather in large group of people now, individual workout outdoors is still needed for children. We are preparing to have a platform for sharing fun ideas to spend a day with what's here and now within SOKKA community. Let's stay connected!!

 休校措置がはじまった3月は、これでもかというくらい海や森で遊んだ。

 地域の中で動ける大人たちが少人数で呼びかけあい、子どもたちを見守りあう。トレランやカヌー、ビーチサッカーを思い思いに楽しむ多世代のありかたを心から幸せに思っていた。

 1ヶ月がたち、東京を中心に、日本でも状況は悪化の一途を辿っている。緩やかな「自粛」では立ち行かない状況となった。

 子どもたちの「感染予防」という立場から一歩踏み込み、自分たちも子どもたちも「無症状でも感染者であるかもしれない」という立場から、社会への「感染 "拡大" 予防」に全力で取り組まなくてはならない局面に入った。

 ならば4月からは、個々や親子で楽しもう。離れていながら、繋がるための工夫をしてみよう。

 「今朝は一人で(親子で)こんなルートでトレランしたよ」とか「●時から個々に楽器を持ち出して演奏会しよう」とか「●時からZOOMで怪談話するよ〜」とか。こんなときだからこそリアルな繋がりを生かして、オンラインでもできる面白いことを考えてみよう。

 皆でさんざん話し合った末、3月30日に  そっか 代表 永井巧(たくちゃん)がコミュニティー内の親子に向けて書いた「みんなへのメッセージ」、共有します。

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●今ある危機

 今、僕らはかつてない非常時の中にあります。地球規模で新型コロナウイルスによる感染症の拡大があり、僕らの暮らす神奈川県逗子市も、例外ではありません。

 先行する他国の事例をみると、発症することのない元気な世代が媒介者となり感染症を広げています。発症し、重篤化するのは高齢者や疾病を抱えている人です。逗子はとても高齢者の多い町であり、若くとも喘息など呼吸器系の持病を抱えている子は珍しくありません。一方で、誰もが発症するものではないために、その感染経路を見つけることはとても難しいそうです。

 逗子やその周りには、そもそも入院することのできる病院が多くはなく、医療環境も限定的です。身の周りで誰かが発症してからの対処や行動するのでは遅すぎると、僕は考えています。

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●繋がっているからこそ、距離をおこう

 「自分は大丈夫」「元気な子ども達は大丈夫」正直にいえば僕もつい最近までそのように思っていました。さらに言えば、僕自身は、この状況に満足すら覚えていました。

 晴天の海に地元の子ども達や様々な世代たくさんの人がいて、それぞれが好きなように過ごし、本当に気持ち良い場だと感じていました。

 そのこと自体はもちろん貴重なことですし、かけがいのないものです。海岸は密室とは真逆な開放的空間でもあります。しかし、子ども達同士も僕らも蜜な距離で長時間を過ごすことになっていたとも言えます。

 発症しないもの同士で、どんどんと感染症を拡大する可能性が僕らにもあると考えておくことがとても大事であること。そして、それは一度起きてしまってからでは取り返しがつかないことになってしまうと、今は認識しています。

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●嵐に備える 〜海や野外での活動から学んだことを活かす

 周りを見渡せば、楽観的に見える行動もありますし、人々の行動は多様です。その時に、まず考えるべきは、「自分はどうしたいのか?」という個に立ち還って主体的に考えること。

 とびうおクラブでも、うみのこでも、「皆がやってるからやろう」という言い方は(たぶん)ほとんどの場合はしなかったはずです。

 海を前にした時、「自分はどうしたいのか?」ここでもそこが出発点だと考えています。そして、次に考えるべきことは、常に「それが現実的に出来ることかどうか」です。

 たとえば、カヌーで海を渡ろうと思ったら、海の状況や天候の変化、そして、ともにいる仲間やカヌーや装備などを考慮します。最悪の事態も想定しつつ、そこを避けるための準備や行動を行います。

 今現状も同様にそうなのです。嵐の来る可能性がある中でカヌーを漕ぎ出さないのと同じように、回避すべきなのです。仮に、備えておいた嵐が来なかったとしたら、それはそれでラッキーなことです。

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●何ができるか

 今まで当たり前にできたことができないことは、辛いものですね。

 でも、こんな時だからこそ自分に立ち返って、時間を充てられなかったことや、どこかでやりたかったのに手をつけられたものを、見つけ出すチャンスかもしれません。

 その中には、室内や家の周りといった、まさに足下で出来る事もきっとあるはずです。自分が楽しむこと、夢中になれることを大事にいきましょう。

 我慢を強いられるのは苦痛だけども、自分から探し、動く事ができれば、今ある危機がさってから、より良く生きることに繋がると僕は思っています(だいぶ、ゆっくりですが 笑)

 それは、自分のためでなく、家族や周りの人のためにもです。

 それと、忘れてはならないのは、ひとりの人間やもちろん、ひとつの家族や親子だけの関係だとどうしても息苦しくもなることもあるということ。

 なので、つながりあい、支え合うアイディアも広げて、何か楽しいことも共有していきましょう。僕らとしても、どんなことが出来るのか、ワクワクしています。

その一例ですが、仮に自宅待機になったとしても、毎日身体を動かすことは大事です。

 個々や親子で、海や山を再発見しながら、自分や子どもを見つめながら過ごす時間。そのサポートであれば遠隔でもできることがあるのではないかと考え、いま準備をしています。

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●終わりに

 2009年に黒門とびうおクラブの活動を開始して以来、丸10年目の歳月を終えることができました。一般社団法人そっかをはじめて4年目、認可外保育施設うみのこは2年目を迎えます。本当にありがとうございます。

 活動を共にしてくれている皆様はもとより、過去に一緒に関わってくれた子ども達、保護者、スタッフ、それに地域で関わりのあった方、すべての方の支えあってのことです。

 これからもご縁や繋がりを大切にしながら、地域の子ども達と足下の自然を楽しむことをおもいっきりやっていける場でありたいと思っています。

 上に記したことがすべてでもなく、正解かどうかもわかりません。恐らく今後も、状況は変わっていくでしょう。

そのためにも、コミュニティー内はもとより、地域の中での多様性を認めて、分断や批難を生まないようにすることが、とても大事なことだと考えています。

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 嵐の中にあっても、ぼくらは大きな海に浮かぶこと気持ち良さ、砂の温もりと夕陽の美しさ、いつまでも遊びつづけられる子ども達の姿、いつでも心の中で見て、感じることができます。

 いつか嵐は過ぎ去っていきます。でも、嵐の中にあっても、楽しく、気持ちよく、そしてあたたかに過ごしていきましょう。


*そっかより「みんなへのメッセージ」(Text by Takumi Nagai, Photos by Yo Ueyama)

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