催涙雨

今日、ディズニーシーで泣いた。

ファインディングニモのシーライダーで泣いた。

理由を説明することができない(したがってこの話にはオチがない)。悲しいだとか嬉しいだとか、ましてや感動したといったことではなく、たぶん気管に豆が入ってむせる、みたいな感じで泣いた。

シーライダーといえば、ニモやドリーたちとともに海の中を泳ぐ体験型シアターで、臨場感はあるものの、脅かす要素はないし、涙を誘う演出もない。マーリンが親バカを発揮し、クラッシュが最高だぜを連呼し、ドリーがおとぼけで振り回す。本当に、つぎつぎ愉快な仲間たちが現れるだけの、悠々としたアトラクションである。

それが、上映終了直後にあほみたいに涙が溢れ出した。周りの客は引いた。キャストの笑顔はひきつった。おれが一番動揺した。一緒に来ていた人は私にハンカチを渡すなり「あなたは疲れている」と言った。そうなのかもしれない。

強引に言語化を試みるなら、アトラクションのあまりの呑気さに拍子抜けしたことや、そのありきたりな(海の世界における)日常が現実世界では極めて刹那的なものであることを自覚したことが重なって、脳がパニック状態を起こしたのかもしれない。まったく違うかもしれない。

ちなみに映画のニモでは泣かなかった

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