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NHK歴史秘話ヒストリア「法隆寺 1400年の秘密」に寄せて

2月19日に放映されたNHK歴史秘話ヒストリア「法隆寺 1400の秘密」は縁あって、その制作を耳にしていた。

この番組で登場した西岡常一氏(1908-1995)は「最後の宮大工」称され、聖徳太子建立の法隆寺の再建に従事したことでも知られているだろう。

われわれ研究者には耳の痛いことであるが、「学者は様式論です。…あんたら理屈言うてなはれ。仕事はわしや。…学者は学者同士喧嘩させとけ。こっちはこっちの思うようにする」というように、現場でたたき上げられた知見で、ことごとく研究者とやり合ってきた人物でもある。

その西岡氏が、師でもあった祖父 常吉師から口伝されたことに、「堂塔の木組みは木の癖組み」というのがある。つまり堂塔の木組みは寸法で決めるものではなく、木の癖で組めというものである。

そのもの(木の癖)から読み取り、それに合うように構築していくというスタンスは、私が従事する教育の場でも言えることである。

実は、大学の教壇に立つときにある先生からの忠告として教えられたことであった。

西岡氏が口伝されたことには、ほかに「木の癖組みは工人たちの心組み」というのもある。癖があるということは、ややもすればそれを排除しようとすることもあるが、癖を読み解き、それをどう活かしていくのかということを考えることが大事だということだろう。

久しぶりに色々と思い出すところもあり、自己考える機会となった。

https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/historia/421297.html

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