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関東一小さな村・丹波山村での狩猟体験

久しぶりの投稿になります。
今回は機会があり山梨・丹波山村に訪問させていただき、狩猟現場に同行させてもらったので聞いたこと・感じたことを中心に書きます。

<参加行程>
1日目
奥多摩駅集合(9:30)→丹波山村到着(10:15)→狩猟(11:00-14:30)→
小菅の湯(16:00)→地元猟師の方々との交流(18:00-23:00)

2日目
街中の散策(9:00)(空き家・小学校・わさび田等)→山の神参拝(10:00)→
解体場見学(11:00)→奥多摩駅(13:00)→奥多摩ビジターセンター(13:00)→解散

今回参加したのは早稲田大学の狩り部が主催した狩猟スタツア。
実際に同行させていただいたのは地元の猟師さん達。
しかしこれが驚いたことに皆、20-40代と若い世代でした。猟師と聞くと、
堅物の年配の方が...ってどうしても先入観があっただけにいい意味で驚かされました。
よくよく聞くと皆I・Uターン組の方々とのことで、村の外部に対してのオープンさが垣間見れる瞬間でもありました。

猟には仕掛けた罠に掛かった獲物をとる方法と(主に)散弾銃を利用して獲物を捕らえる方法がありますが、今回は後者。それもしのび猟と呼ばれる猟法で挑みました。初めて近くで見る銃器だっただけに猟師の存在を改めてきちんと認識する機会になりました。
ただ今回の猟では残念ながら獲物自体は獲得できませんでした...。(残念)
獲物は次回のお楽しみとして、また丹波山に訪れる理由を作ってくれたので感謝です!!

今回挑んだしのび猟ともう一つ、猟師さんが行っているのがまき猟と呼ばれるもので、これは写真にある猟犬を使って獲物をおびき出す方法です。こちらではほぼ確実に獲物獲得が出来るとか。
ただここのご主人は月3万円は餌代がかかるとおっしゃっていた他、治療費などもかかるので採算があわないくらいに金銭的に厳しい状態にあるのが今を生きる猟師の実情でいえます。また銃を用いた猟では基本複数人で行うのでより収支のバランスは崩れていきます。。
このことからも猟師は遊びでなく、いかにこの伝統を残すかが私たち世代に与えられた使命のひとつであるといえるだろう。
これら多くの話は1日目夜の地元猟師さんとの交流で話してもらいました。

2日目は地域活性化の観点から街中を散策するほか、解体場や道の駅に訪れました。写真は解体場で解体された後の鹿になります。

それでも命の大切さを学ぶ他、地方の実情・その中に見出すことのできる可能性についても学ぶことが出来ました。


街中では至る所に空き家があったり、改築して山村留学の受け入れ先とするための住居が立ち並んでいる光景が見て取れました。
またこの村唯一の小学校には大きな校舎に対して全校生徒は10人前後にとどまっているとのことでした。
だとすれば、移住政策を村として取り組み空き家を改築して移住者に金銭的支援を与えれば解決するじゃないか。そうとすら思えるこれら課題は保坂さんに教わってわかったことだが、そう一筋縄ではいかないのが現状であり、だからこそ地方での地域活性化は困難であるらしい。

空き家については法的問題が大きくかかわっているため、簡単にいえば勝手に立て壊したりすることはできず、所有者を特定させたのちに許可をとらないといけないとのこと。それにたとえ仮にこの問題が解決したら次に待ち受ける課題であり、一番のボトルネックとなっているのが”雇用問題”です。
この村での雇用は限られており、多くの事業が役場が管轄していて、機能している民間企業の数が非常に少ないことから雇用の選択肢は少ないらしい。
このことは外部からの移住への大きなボトルネックとして存在し続けているとのことであり、またこれは多くの自治体でも同様であると考えられます。

そのため丹波山はあと5年この状態が続けば村の存続が危ぶまれるとの話まで受けました。

しかしそんな中、近年丹波山では上記で伝えた通り、若い世代で猟師を始める人や地域おこし協力隊で村に入る若者が増えています。
外部から流入した若者だからこそ従来の狩猟、そのほか農業といった丹波山にあるが採算のあわない職であったとしても、新たな組み合わせを作ることや兼業することで十分に稼ぎを得つつビジネスを通じた村の活性化へと繋げていくことが出来ると思います。そこには既成概念にとらわれないことが非常に重要であると考えます。
それに村をここまで作り上げてきた世代の方々は積極的に後世に引き継ごうとしてくださっていました。猟師としての誇り・こだわりを伝える中で、ふと言葉にする、「次の世代につなぎたい」という言葉がとても印象的でした。


こういった地域コミュニティだからこそ世代を超えて、職を超えて共に手を取り合って未来に新たな価値ある地域コミュニティを作り出せると思います。そのためには僕ら世代がなんでもいいから地域をまずは訪れて、そこでできることを必死に考えTry&Errorの中で理想に生き続けることが何より大切だ、ということをこれまでいろんな地域を訪問させていただく中でも感じました。

丹波山村にはまたお邪魔しようと思っているのでそのときはまただれかといけたらいいなて思っています!                おわり。

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