冬のひまわり🌻(第5話)
ピピピッ。目覚まし時計が鳴る音で飛び起きた福田は横に何かがあるのを感じていた。
「ん?」
ゴソゴソと動く物体。
「んん?」
布団をそーっとめくる。
と、そこにはキャミソール姿のあの!木村さんが!
「う、うそっ!!」
福田は慌てて飛び起きた。
「う、う〜ん何よ〜」
と、髪に手を当て木村女史が目を開けた。
「あ!福さん!え?うそっ!何で?」
木村女史が呟く。
福田は咄嗟に
「な、何もしてないですよ!」と、うそぶいた。
「え?そうなの?」
身体を毛布で隠しながら、木村女史がそーっと服を着る
「ま、マジッスよ!」
慌てて取り繕う福田。こういう時に何を呟いても嘘っぽくなるのは否めない。
木村女史は服を着ると
「ま、起こったことは仕方ない。お互いに忘れましょ」
と、言いながら木村女史は福田の部屋を出て行った。
(何て男前な人なんだ?)と、感心しながらも
「はーっ。何やってるんだろ?俺。」
しかしながら、一つの布団で寝ていたのだが、酔い過ぎて横になるなり高イビキの福田は本当に何もなかったのだ。
しかし、2人にそれを知る術はなかった。
こぽこぽこぽ。
コーヒーを淹れる匂いが部屋を充満する。
落ち着きを取り戻すのにそう時間は要らなかった。
ベッドの周りを見ても、本当に夜の営みをしたのかどうかはわからなかったが、どうにも心も体もスッキリとしていないので、
(してない!!)
と、断固心に決め、それを貫く事にした。
ただ、職場で顔を合わせ辛いよな〜。
と、思う福田であった。
つづく。
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