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冬のひまわり🌻(第1話)
「おーい福さん!」
福田圭太は、同じ会社で働いているアルバイトの大学生佐藤に呼び止められた。
「福さん!あっちのトイレ掃除したんスか?」
したんスか?って、大学生のくせに!と、少しムッとしながらも福田は、
「ああ。終わったよ」とだけ答えた。
福田の勤務先は、日帰り温泉「和(なごみ)」だ。
閑静な住宅街にデカデカとそびえ立つ建物がそうだった。
もう、四十路をちょっと超えた福田はバイトとして働き始めて1年ちょっとになる。そう、大学アルバイトの佐藤より2ヶ月遅く入った。だからの「したんスか?」呼ばわりだ!最近の若者は年功序列というものを知らんのか?とさえ思う。少しは年上を敬えよ!っての。
うちの温泉の周りは住宅街だが、少し行けば幹線道路はあるし、大きなショッピングモールもある。駅からは少し離れているが、歩こうと思えば歩けない訳ではない距離だ。
カッコーン。
ザザーッ。
福田はうちの温泉は格別だと思っている。
朝の開店前の見回りは、朝日が差し込んで立ち昇る湯気とともに、そこには"神"が宿っているようでさえあった。
その一瞬を見るのが、福田は好きだった。
開店前の準備は忙しいが冬の日帰り温泉は、お客様が待ち望んでいると思うと、ピリリッとした空気感を漂わせながら、サッサッサッと動いている自分を誇らしいとさえ思うのだった。
つづく。
〜〜〜〜
はい。私小説である冬のひまわり🌻です。すでに、インスタとブログで発表しておりますが、noteさんの方でも配信しようと思いまして、急遽書きました。まだ連載中ですので、なるべく、木曜日か金曜日配信をしたいと思います。
これから宜しくお願いします。
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