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やさしい距離感を感じる!

ソーシャルディスタンス(社会的距離)が求められる中で、

私が近年で学んだ「距離感」について書いてみたいなと思います。

私はそもそも、人間関係があまり得意ではありませんでした。

だから、都会のように「隣に住んでいる人の顔がわからない」という環境に

憧れたりして、面倒なお付き合いなんて、無い方が楽だと思っていたのです。

遊び仲間として同世代の友達が数人いて、家族があって、それでいいじゃんって。

もともと鈍感力が高くて気が利かないし、人の名前を覚えるのも苦手だし、

田舎のようにしがらみが多い社会というのが嫌だというタイプなんですよね。

そんな私が諸事情で帰省し、結婚をして子育てを行い、それなりの年齢になり、

地元のとあるボランティア団体で会長職に就くことになったんですよ。

この会は年功序列で運営されている約80人規模の組織でして、

OB会員も含めれば、ある意味で地元に大きな影響力を持つ組織なんですね。

それこそ田舎のしがらみで入会して、仕事が忙しいことを理由に、

適当な距離を保ちながら関わって参りました。

意図的に人との間に壁をつくり、適当な距離を置くことで、

自分の時間と不安な心を守っていたのだろうと思います。

「つまらないお付き合いは嫌だ!」「トラブルで面倒なことにはなりたくない」

など、きっと自己保身の塊だったんだろうなって思います。

でも、とうとう役員が回ってきて、ついに会長を引き受けるしかないという

状況に追い込まれていきました。

唯一私の救いは、追い込まれると開き直れるところがありまして、

「どうせやるなら、必ず何かを学んで自身の肥やしにしてやろう!」と覚悟し、

そのテーマに「自分の中にある壁をぶち壊す」というものを選んだんですね。

人との間につくっていた壁によって、見事なくらい私は浮いた存在でした。

そして因果応報ですが、当初OBの人からは不快な顔をされ、

「お前、ちゃんとやれるのか?」なんて言われたりもしたんですよね!

20代から70代まで幅広く、たくさんの人が関わる組織のトップとして、

冷ややかな空気の中で私の挑戦は始まりました!

とにかく気をつけたことは「人との間に壁を作らない」こと、これだけです!

先輩に何か言われたら、「はい、わかりました。ありがとうございます!」

といって即行動に移すこと。後輩にも助けてもらってありがたいという気持ちを

忘れることなく、常に謙虚な姿勢で関わること。

仲間の話をしっかり聞いて、自分の考えや意見に拘らないこと。

自分はお世話掛をさせて頂き、周囲の人を徹底的に主役にすること。

決して見栄を張らず、威張らず、力まず、等身大の弱い自分を曝け出すこと。

こんなことを心掛けたら、どんな変化が起きるのだろうかって実験をしたんです。

すると・・・「本当の人の優しさや温かさ」に包んで頂きました。

生まれて初めて感じた、本当の人の優しさであったかもしれません。

年齢も大きく異なる先輩が、本気で私の心に寄り添ってくれて、

辛さや悲しさまで受け止めてくれて抱擁して下さったんです。

なんだろうなぁ・・・理屈を超えて人間は温かいですね!

これが本当の愛なのかもしれないなと感じました。

そして気が付きました。思い切って懐に飛び込んだ方が遥かに楽だということに。

温かい安心感に包まれるということ。本当の人の優しさに触れられるということ。

同世代よりも、むしろ縦のおつきあいの方が楽だし、有難いということにです。

だから研修の時も私の体験談をお話しするのですが、

残念ながら、この距離感を実体験したことがない人の方が多いので、

嫌な顔をされてしまうことの方が多いかなって思います。

わかりますよ!私だってそうだったし、そんな環境で育ってないもんね!

だから無理に押し付けたりはしません。でも、もし勇気が湧いてきたなら、

ちょっと試してもらえると嬉しいなって思います。

なぜなら私は幸せだったし、かけがえのない経験が私を変えてくれたからです!

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